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軽い気持ちでの人助けが支払い地獄に?

こんなはずではなかった。
ほんの軽い人助けのつもりだったのだ。

それが気づいたら
毎月、50万円、100万円と請求される
支払い地獄に。

15年前に購入した中古住宅が突然傾き
立て替える事になった。
まだ住宅ローンの支払いが終わっていないのに。
夫婦で新たな住宅ローンを組む事になっていた。

よりによってそんなタイミングで
わたしが初めてしまった人助けだった。

気付いたら
貯金も定期預金も子供の学資保険も生命保険も解約して
支払いに使い果たしてしまい
日々の生活費はクレジットカードのリボ払いでしのぐ日々。
一度でも支払いが焦げ付いてしまうと
住宅ローンの査定に影響してしまう為に、
家計の資金のやりくりはまさに自転車操業状態。

そんな暮らしの中、彼らは容赦なく
今月は50万円だからいつ支払えるのかと
毎日数回ラインを送り続けてくる。
借金の取り立てのようである。

夫は、住宅ローンと生活の為に単身赴任で働いてくれている。
今回の件で備えておいた資金が根こそぎ使われ、夫婦関係は離婚寸前、一歩手前のぎりぎりの状態だ。立て替えた支払い分は全て戻ってくるからと伝えはいるが、彼はまったく信用していない様子。
息子の為に離婚は何とか踏みとどまってくれているといった感じだ。
ありがたい。本当にありがたい。
わたしは、昼中の仕事と夜中のアルバイトでなんとか月収25万円を稼ごうとがんばっているが、子育てをしながら睡眠2時間の日々はさすがに身体にこたえてしまい、度々身体を壊して寝込んでしまう事もあった。今月の給料は目標額には届かないだろう。
今月末の支払いが心配だ。

以前私はこの理不尽な支払いを放棄した事があった。
そしたら延滞料という事で一気に100万円を
上乗せされてしまった。
容赦ない。
本当に容赦がなかった。

なせこんな思いをしてまで
わたしが支払いをしているのか。
それは、私が知り合った人たちの全財産の入っている荷物が
いわば人質のように彼らの手にあったからである。彼らとは配達人でありカスタム(税関)の事である。

もう少し詳しく説明するとしよう。私のしりあった人たちは2人いた。
1人は戦地にいて、もう1人は海上にいた。どちらも自分の財産の安全が保障されない環境にあった為、自分の将来の為の全財産を荷物につめて誰かに預けたいと思っていたようである。本来なら送り先は信頼できる家族のだれかなのだろうが、彼らには身寄りがなかったり、娘や息子が小さく寄宿舎にいる為、頼めない。緊急を要するタイミングもあり、別の信用できる人物を急ぎ探していたそうだ。

私がそんな彼らと出会ったのは半年ほど前のSNSだった。
わたしのFBのメッセンジャーに二人が突然メッセージを送ってきたのが最初だった。

私はというと、英会話をはじめていた頃で、英会話の練習も兼ねて英語でメールのやり取りができる相手を探していたのだった。
1人はJames イエメンでの戦場で働く将校だった。
日本にあこがれており、退役したら日本で息子と日本でくらしたいと思っている。お互いの息子の話しをしたりした。そんな折にJamesがこんな話をしてきた。
現地の銀行が爆破されて退職金を送金できないままでいると。戦況も緊迫してきた為急いで貴重品を兵士たちが家族の元へと送っているという事だった。彼は、身寄りが無い為私に彼の荷物を預かってもらう役を引き受けてもらえないかと頼んできた。彼はとても困っているように感じた。
詳しい事情はよく分からなかったが、そこまでの話を聞いて私は受け取って預かるだけならばと引き受けた。困っている人が自分の目の前にいて、自分にできる事ならば手を貸そう。
そんな風に思ったのだった。本当に気軽な気持ちで引き受けた人助けだった。

配送会社もすでに手配されていた。
わたしの住所・氏名など住所を伝えるとあとは配達人とのやりとりとなった。
それほど大きな荷物でなさそうだし、押し入れにいれておけば数か月おいておいても大丈夫だろうくらいに考えていた。

Jamesはとても喜んでくれた。困っている人の役にたてている事が私も嬉しかった。

その時の私はまだ、これから始まる支払い地獄の事など予想もしていなかったのだった。

1人分でも大変な金額の支払いなのに、私は実は同時にもう一人Seaman(文字通り海の男・輸送船の船長だそう)の荷物の受取り人も同じ時期に引き受けてしまっていたのである。

その話はまた次回に。









彼らは困っていた。
とても困っていた。
他に頼る人も

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