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ガセ大陸の謎 - ②伝説のレジェンド伝説

前回お伝えした通り、大広間で「たくわん」なのか「たくあん」なのかで大喧嘩をしながら、本誌特別調査チームは、喧嘩しながらも全員チラ見していた、奥に見える出来れば触れたくなかったどう見ても怪しいドアをそろそろ開けようとの意見で一致、ドアノブに手をかける。

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「…ガチャッ、ギィィィィ…」


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と鳴く鳥の声と共に、ドアを開けるとあっけなく城の外へ。

外から見た佇まいとは裏腹に、大広間しかない平屋の城。シンプルでいて動線に重きを置いた無駄の無い施工は、有事の際に衛兵に必ず反復横跳びをさせた後に乾杯し、ほろ酔いでけん玉をしながら演歌を歌った後に策を練った、ウーン・マンダム卿の側近であり、軍師のバエ・スタイン候による設計である。と、かつてドラム缶をテーブルにした立ち飲み屋で聞いた記憶があるが、定かではない。または夢かもしれない。

「ほらあそこ、石のあのへん、あれがこの島で一番大きい街だったとこね」

いつの間にか歩きスマホで横に居た案内人のアン・シナナイ氏(34)は、見渡す限り石のかたまりだらけの中の一角を指でさしそう告げると、また歩きスマホでSiriに文句を言いながら立ち去って行った。

ベテランである。私がもし案内人と言う仕事につく事があれば、ああいう人に私はなりたい。

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荒廃しながらも未だ原型をとどめている頑強な石の建造物を横目に調査を継続中、本誌特別調査チームの隊長、真田幸町(44)は比較的新しい損傷個所を発見。

「まるで最近何かが原因で壊れたみたいだ!」

核心を突く無駄の無いソリッドな隊長の名言に号泣しながら、副隊長の大島照夫(39)はおもむろに方位磁針を取り出し、指で風向きを確認した後、あぐらをかいて瞑想をはじめた。

「ひらめいた!」

まるで眩く光る電球の様な勢いで目を開きそう叫ぶと、大島はスマホを取り出しグーグルマップで位置確認を始めた。どうやら日本海である事と、定期的に飛翔体が着水している海域にこの島の様な元大陸が存在している事が判明した。そんな事は事前にググれば判るが、後悔は野暮だ。この大陸には似合わない。わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい。

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調べれば調べる程腹が減るので、ハムを網で焼き、こんがり焼きあがったハムを格好よくワイルドにほうばりながら、既に各紙が検証済みであるこの大陸の文明がムー大陸と同様、おおよそ約12,000年位前に栄えていた事、戦国時代に信長公が配下と共に訪れていた事、鬼が住んでいる可能性がある事を再確認し、加えて船着き場付近にスナックが存在していた事、合理的な城の造形とハムの焼き方を記録した。

崩れた町を探索中に見つけた警視庁のマークが入ったヨーヨーでその辺の石を破壊していると、次の瞬間、隊長のスカウターにとてつもない戦闘力反応を検出。

「ヤツが現れたか!」

隊長はそう叫んだ後、ガセ大陸探検家で行方不明中のイヤンバ・カーン氏(65)の著書、「伝説のレジェンド伝説」によれば、ガセ大陸にはかつて守り神が存在し、イヤンバ氏自身もそれらしき影に遭遇、その名は「YATSU(ヤツ)」、との記述がある。と、普段から早口で何を言ってるのか分からないが、更に早口で詳細説明を口走った。

流石である。隊長が居なければ今頃我々はぼったくり店でケツの毛までむしられていた事だろう。

反応のあった丘を見上げた特別調査チーム一行は、誰も予想だにしない、信じられない光景を目の当たりにする。

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つづく


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