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昔のブログを振り返って ミャンマー詐欺拠点のニュースに関連したワード
先週から、ミャンマー詐欺拠点について、ショッキングなニュースがたくさん報道されていますね。
後述しますが、以前、RFAの記事で『国境地域のオンライン詐欺集団』という単語が出ていて、
その詐欺集団に、まさか、1万人以上の方たちが監禁されているなんて。
ひどい虐待を受けていたなんて。
日本人の被害者の方までいらっしゃるとは…
と、私自身、大変ショックを受けました。
報道を観て、気になったのは、
「こんなにひどいことをしている人・組織は、いったい何なんだ?」ということ。
ニュースを目にすれば、
「ミャンマー拠点なのだから、ミャンマーの組織なのではないか」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
私自身分からなかったので、youtubeでいくつかのニュースを観てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=-ldx-ZfeCCA&list=WL&index=34&t=708s
↑こちらのニュースが分かりやすかったので、以下、気になった部分を引用させていただきました。
詐欺組織について
もともと中国で活動していた犯罪組織が、中国当局の取り締まりが厳しくなり、隣国のミャンマーへ拠点を移した。
ミャンマーを拠点にしたのには、
①ミャンマーの国境付近は中央の統治が及びづらい場所だから、
②2021年のクーデター以降、国内情勢が不安定であり、なおさら中央の統治が及びづらくなっているから、
という2点の理由が考えられる。4年前のクーデター後から、中国犯罪組織が建物を乱立し、詐欺拠点となっていった、とのこと。
なぜ今、露呈?
今月上旬、2月5日から、タイ側からミャンマーへの電力供給のストップがあった。
市民生活に大きな影響が出て、この地域を支配している国境警備隊が「さすがに市民生活に影響が出てはまずい」と言って摘発せざるを得なくなった状況、とのこと。
国境警備隊?
ミャワディ地域の少数民族の武装勢力からなるもので、中国系の犯罪組織と癒着関係にあるとされている。
賄賂をもらったりしているという話もある、とのこと。
ここまで観て、過去、RFA記事で勉強した内容で関連ワードを2つ思い出しました。
12/25の記事より、関連ワード①~国境地域のオンライン詐欺集団~
RFA(Radio Free Asia)のニュースサイトにて、その日に、どれかのキャプチャーで、トップに出てきた記事を日本語訳にする勉強をしています。
昨年12/25に綴った勉強記録に、冒頭にも書きましたが、『国境地域のオンライン詐欺集団』への言及がありました。下記引用は私の訳文ですが、元々のニュースはこちら↓
https://www.rfa.org/burmese/interview/us-myanmar-scortmarciel-12072024131134.html(在ミャンマーアメリカ大使館、元大使Scot Marcielさんによるインタビュー記事)
2024年の最大の変化は、国軍が中国の支援を受けたことです。中国政府は、最初、国境地域のオンライン詐欺集団(Googleによると『マネーロンダリング犯罪集団』)を鎮圧させることについて、軍にとても不満を抱いていましたが、最後には、国軍側に立つことを明確に表明してきました。これは、ミャンマー軍の成功というより、中国政府の政策が変わったと私は見ています。そして、これは、中国政府が国軍に永続的な協力をするという考えでもありません。
中国政府は、権力があれば誰とでも協力をしたいという願望があります。2016年、中国は権力を得た(当時の)NLD(国民民主連盟)政権と、良好な関係を築こうとしたことも見てきました。しかし、中国の支援が明確にあったのは、ミャンマー軍にとっては利益がありました。中国が、タアン民族解放軍(TNLA:東部シャン州のコーカン族の武装勢力)と、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)にプレッシャーを与えてきたことで、国軍は短期的な成功を得ることができたのです。しかし、国軍が失った地域を再び占領することができるまで、このようなプレッシャーを行うだろうとは思いません。
ミャンマー語で『オンライン詐欺集団』は、『အွန်လိုင်း ငွေလိမ်ဂိုဏ်းတွေ』というようですが、この単語を初めて目にしたこの時、辞書を引いても意味がわかりませんでした。
Google翻訳に頼って、やっと、「オンラインで詐欺をする集団がいるみたい。日本でもよく報道される特殊詐欺みたいなものかな?」と、12月の私は理解をしました。
でも、「なんだかよくわからないや」という感想を持っていました。
おそらくこれが、今、摘発されている詐欺集団のことだったのでしょう。
2月中旬になってようやく、「これがオンライン詐欺集団なの!?」とyoutubeで観て、思った以上の大規模さに驚愕しました。
1/28の記事より、関連ワード②
~タイは、ミャンマーに電気の販売を中止する準備をしている~
今年1/28に綴った記録は、タイによるミャンマー国境地域への電力供給の停止についてでした。
なぜ、電力供給をストップするかについて、「国境付近で犯罪をする者を抑圧するため」と述べられていました。この時も、「あの『オンライン詐欺集団』とやらか?」とは思っていましたが、詳しくは調べませんでした。
下記引用は私の訳文ですが、元々のニュースはこちら↓
https://www.rfa.org/burmese/news/thailand-electricity-sales-to-myanmar-01272025020549.html
タイ国有ビジネスの一つであるPEA(地方電力公社)は、ミャンマーへの電力の販売を中止する準備をしていると、バンコクポストニュースにおいて、1月26日表明しました。タイの電力を使用する犯罪者を制圧するために、タイ・ミャンマー2か国間安全組織とPEAが協同している、と話します。国境沿いで、調べられ、違法行為が発見されれば、電気の供給を中止することになろう、とタイ国内ニュースは報道します。ミャンマーへの電力販売においては、2か国の合意事項を遵守して行っているものであって、契約事項を破るならば、電気の販売を中止する予定である、ともPEAは言っています。PEAのNo.2であるPrasit Junprasit(プラシット・ジュンプラシット)は、ミャンマー国内のカレン州ミャワディ市のうち2箇所と、シャン州のタチレク市のうち2箇所、カレン州のパヤドンズー市のうち1箇所に、電気を売ってきたことを認めています。
PEAは、2023年には、在タイ国ミャンマー大使館の求めによって、ミャワディ市へ電力供給していた2箇所について電力を切断した、と言っていました。また、2024年にもPEAは、電気代の支払いを怠った、シャン州タチレク市への電気供給を中止したと、表明していました。PEAのNo.2であるPrasit Junprasitは1月25日、「ミャンマーへの電力供給を中止するため、2か国間安全組織は協同する必要があり、このように行うことによって、国境沿いのタイ住民に被害は及びません」と話した、とタイ国内ニュースは報道しています。
ミャワディについて、言及されています。
ちょっと驚いたのは、2023年にもミャワディへ電力供給が停止されていたようです。この時は、今ほど大きな事件にはならなかったんですね。なぜだろう?
この記事は何気なく読んだだけだったので、2月の今の私、「この電力供給停止が、詐欺集団の摘発につながったの!?」と、初めてその関連性を知ることになったのです。
ところで、ミャンマー関連に詳しい知人に訊いたところ、ミャワディは民主化政権のころから中国との関与が強く、「少し胡散臭いな~」という印象のあった場所なんだそうです。
カレン州ミャワディ
国境警備隊→この地域の少数民族武装勢力とは?
Karen National Army(カレン民族軍)だと考えられます。
下記のwikipediaの勢力図が非常にわかりやすいのですが、この図で、Karen National Armyが、まさにMyawaddy(ミャワディ)に勢力を置いていることがわかります。
冒頭のyoutubeの内容から推測するには、
『国境警備隊であるカレン民族軍は、中国犯罪組織の犯罪に対し、賄賂で目をつぶっていたかもしれない』ということですよね?
人権が侵されていますので、それは絶対に許されないことだと思います。
ここで、ふと、思ったのですが、
賄賂で私腹を肥やすのであれば、もちろん、絶対にダメなことだけど、その人を罰することができます。
でも、もし、その賄賂を、『ミャンマーの民主化のため』といってミャンマー軍と戦うための資金にしているとしたら…?
↑これは私の想像でしかありません。
どこかの組織の肩を持ちたいわけではありませんが、『そもそも政治が安定していれば、こんなことにならないのでは・・・?』と私は思ってしまいました。
自然豊かで、すばらしい宗教文化があり、奥ゆかしい国民性のある、ミャンマーという美しい国が、こういったネガティブな報道のされ方になってしまうことが、私は悲しいです。