
数学99点国語38点の違いを追いかけたら二つの「とくい」に会ってしまった!
数学は得意国語は苦手なさとる君
高橋さとるはテストの返却答案を見て、思わず笑った。
数学99点、国語(現代文)38点だからだ。
隣の席の足立美咲はさとるの答案を見て、
「この開きはすごい。なんで国語が点数取れなくて、数学がこんなに取れるの?」
「わかんない。数学は考えなくても手が勝手に動く状態だけど、国語は本当に難しい」
美咲はどちらも65点だった。
「数学を教えてもらいたいくらいだわ」
「教えるといっても……問題を観た瞬間、ぱっとわかるから。それより国語ってどうやるの?」
美咲はさとるに自分の解き方を伝えたのち、
「さとるってどうやって国語の問題を解いているの?」
「え、国語? うーん」
さとるは腕を組み、考えること数秒。
「宝さがしに似てるかなあ」
さとるの言葉で、美咲は気づいた。
「漢字や重要語句あて問題はすべて正解でも、読解が全滅なのね」
「だって何が答えなのか、ぱっと浮かんでこないもん」
得意と苦手分野
あなたは自分の得意分野が何か、すぐいえる?
僕はプログラミング、数学に物理などかな。
一方で国語(読解と作文)が得意でない。セールスも苦手だ。
ここで得意と苦手を分解してみよう。
得意の中にある苦手
数学を取り上げる。高校数学一つをとっても、確率統計・微積分・あらゆる関数・整数などがある。
僕は微積分が得意でも、確率や整数はあまり得意でない。
微積分と確率(+整数)の大きな違いは、流れに沿った思考にある。
「あ、まずはこうして、次にああして」計画を立てて遂行しやすい。遂行途中で「うん、ちょっとうまくいかないぞ」が生じる。
計画といっても大きく考えるのでなく、見当をつけて即座に取り掛かれる。
一方確率は最初に出題者の条件を読まねばならぬ。
「赤5個白5個の中から3つ取り出したとき、赤2白1をとる確率は……
まず、赤5つの中から赤2つを、白5つの中から白1個をとらなければならない。あれ……この考え方でいいんだっけ?」
取り掛かる前に出題者の条件を考えなければならず、微積分に比べて手が止まりやすい。
得意の中に苦手・実は不得意が隠れている。
苦手の中に潜む面白さ
一方国語は苦手分野だ。音声でも動画でも基本はすべて文章だ。
ここで僕自身に突っ込んでみる。
「国語の何が苦手なの?」
自問した後、僕は文章を書くのが苦手でないとわかった。
勝手に言葉があふれてきて、僕はただ「自分の独り言を書き写している」だけ。
読解も昔は苦手だったが、たくさん問題を解いて読むコツがわかってきてから、苦手→得意に変わった(半年つぎ込んだ)。
苦手は別なところにある。
書いているうちに文章のテーマを忘れてしまう。
テーマだけでなく文章構成も忘れてしまう。
段落の組み立てが苦手であり、むしろ文章を書く行為は得意だと気づいた。得意というよりは面白いが適切か。
苦手の中に面白い部分があった。
二つを分けたうえで、とくいをより深く見つめていく。
得意と特異
特異:ほかのものと違って優れている・違う様子
得意:自分の望み通りになって満足、他より優れて誇る
国語辞書より「とくい」の定義をしておいた。
得意には「誇る」があり、特異には「違う」がある。
優れていて誇れる行為が得意で、特に誇る様子がないなら特異だ。
僕は「心の中にある理想完成図」を形にしようと、全力で取り組んでいる。例えばCG。3か月前までは超初心者だったblenderも扱えるようになった。今でも思い通りにならない部分があって苦しいものの、投げ出す気はない。
CG作りは僕にとって「できる」分野ではあるが「得意/特異」とは思っていない。ここで次の言葉が浮かんだ。
「できる」から「とくい」へ化けるには
教育:わかりやすく初心者に教えられる
自動状態:考えなくても体が勝手に動く
悩み解決:相手の悩みに向き合い、解決できる
自動状態が早いほど「得意→特異」に化ける。
3つを出したうえで、次の問いを立てる。
今自分が「できる」ことはどれだけ「とくい」なのか?
僕は数学が得意だ。高校数学に限るなら全部ではないが、いくつかは人に教えられる。
考えなくても問題を観た瞬間、何をしたらいいかが浮かぶ。
そして第三者の悩みにも答えられる。
例:微積がわからない
→教科書を読んで、教科書に書いてある言葉や公式を書き写してみよう。
2週間ほど教科書と向き合ってから、簡単な練習問題を解いてみよう。
一方で確率は無理だ。教えられるが、第三者の悩みには、すぐ答えられない。答えるにしても数日要する。何より自動状態にならない。確率は「できる・教える」状態止まりだ。
あなたはどうだろう。ビジネスでもイラストでも音楽でもCGでも何でもいい。三つの状態をどれだけ持っているか。
三つができる状態だと、ゼロから何かを創るとき、大きな役割を果たす。クリエイターとして、自動状態へ持っていきつつ、きちんと仕組みを教えられる×相手の悩みにも助言を与えられる。
自動状態に加えて教育と助言ができて、応用(=新しい何かを創り出す)がきく。
あなたが今、仕事でどの分野に取り組んでいるか。
「できる」分野において3つ「教育・自動状態・悩み解決」ができる分野なら、新しい世界を創り出せるのかもしれない。
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