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イジメっ子に報復した話
自分は人生で一度だけ、イジメられた経験がある。小学一年生の時だ。
当時、自分は父の仕事の都合で関西に住んでいた。
自分をイジメていたのは、出席番号が1つ前の女の子。自分よりかなり背が高く、舎弟の女子を2名連れている、気の強い子だった。※ちなみに自分は男である。
ここでは彼女をA子さんとしよう。
当時は出席番号順の座席だった為、その子の後ろに自分が座っていた。自分がA子さんから受けていたイジメは、以下のような感じだ。
・座っている椅子を思い切り、後ろにいる自分の机にぶつけられる。
・プリント用紙の回収を無視される。
・容姿をからかわれる。
・自分が座席に戻ると、自分の机の上に給食の残飯が置いてある。
・ゴミ捨て場でゴミを投げつけられる。
語弊はあるが、令和のイジメに比べれば、可愛いものかも知れない。ただ、親にも兄弟にも話せず、当時の自分にとっては相当ストレスだった。
自分が「やめてーや」と言うと、A子さんは「なにをやめんねんや」とケラケラ笑っている。
そんな日がしばらく続いた。
イジメが終わったきっかけは、自分の中でふと、A子さんの事を「殺してやる」と考えた時だった。(今思うと相当ヤバい思考だが、それほど追い詰められていたのだろう)
体育の時間だったと思う。
自分は彼女に報復した。
・A子さんの顔面に、ドッジボールを何度も投げつける(自分はドッジボールがかなり得意だった)
・鉄棒の逆上がりをしているA子さんを蹴飛ばし、地面に転倒させる。
無茶苦茶である。
今だったら間違いなく訴訟になっているだろうし、彼女も大怪我をしていたかも知れない。
ドッジボールの時点でA子さんは鼻血を出していたが、鉄棒の時は地面から動けずに泣いていた。
ドッジボールは偶然を装えるが、鉄棒はそうはいかない。さすがに教師も激高し、自分を何度もグーパンした(これもさすがにアカンと思う…)
すると、次の日から突然、A子さんは学校に来なくなった。
10日ほどして、急に登校してきた彼女は、自分に向けて一言、
「うち学校やめんねんや。沢山ありがとな」
自分からすれば「え?」である。
後日、A子さんは本当に学校を辞めた(担任に聞くと、転校ではなく、本当に「辞めた」との事だった)
それ以来、何故か、A子さんの舎弟の女子2名と仲良くなり、小学校を卒業する時、その片方の女子から告白された。
その時、一年生の時のA子さんの事を聞くと、
「A子にイジメられてたやんな。ごめんな」と言いつつ、A子さんの家の事を教えてくれた。
母親が焼身自殺し、ずっと父子家庭だったらしい。多感な時期に色々あって、ねじ曲がってしまったのかも知れない。
特にオチのない話であるが、今でも頭から離れない、小学校時代の思い出である。
イジメ問題については、また別の時に書きたいと思う。ではまた。