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「不可解な花」を追い続けていきたい ~花譜ファーストワンマンライブ「不可解」~

こんにちは、megaです。

花譜ファーストワンマンライブ「不可解」を終えて記憶が薄れる前にレポを書きたいと思うが、その前に今までの花譜を振り返り諸々を整理したうえで「不可解」に向き合っていくことにする。

前の記事(「花譜」という少女との出会い・時系列を追っていきたい)でCF前まで雑に書いていったので、その続きから追っていきたい。

前の記事とCFについては雑記なので「不可解」レポだけ読みたい人は目次から飛んでほしい。

クラウドファンディングについて

2019年5月17日、花譜ファーストワンマンライブ「不可解」の開催とそれを目指したクラウンファンディングの実施が告知される。待ちに待ったワンマンライブの告知ということで狂ったように喜んだ。それと同時に「このライブで彼女は確実に次のステップへ進むだろう」という確信があり花譜という少女はどこまで行ってしまうのだろうかという恐怖にも似た感情もあったが、なにはともあれファーストライブ嬉しくないはずがない。あと告知と同時にCF各コースの内容も発表され、戦争を確信した。

2019年5月20日、3日待ってついにCF開始日。予想道理というかなんというか特典ににライブのチケットが入ってるコースはほぼ瞬殺でしたね・・・。幸運にも7万円コースを支援することができたのであとは特典の発送、ライブ当日を待つのみという状態に。

開始時の目標金額が500万円にも関わらず、すべてのストレッチゴールを達成し最終的に4000万円超に到達し合計で4000人以上の人間が彼女を支援しているのを見て、改めて彼女はこんなにも多くの人に期待され応援されているのだと実感した。彼女の魅力が世界を打たないはずがないと確信していたがこんなにも早く目に見える形で現れたのは、彼女に秘める力が想像以上のものだったのだろう。

日に日に伸びていく支援額にうろたえる花譜ちゃんはかわいいので永久保存しておきたいね。

そして2019年6月10日、CF終了の翌日に花譜 informationからこのような文書が投稿される。

この文章は花譜を応援している人たちには是非一度は読んでほしい。

要約すると「花譜はバーチャルシンガーとして活動しているが、彼女は紛れもなく15歳の女の子である」、「様々な事情があり本来音楽シーンに登場することはなかったかもしれない少女がVtuberブームから可能性を見出し奇跡的にバーチャルシンガーとして活動している」という内容である。(これは記事のほんの一部に過ぎないので、ぜひ本文を読んで運営さんの情熱・考えを知ってくれ。)

この文章を読んで、私が感じたのはVtuberファンという下地からくる多少の困惑と一観測者また共犯者としての喜びだった。Vtuberを追ってきたものとしていわゆる「魂」の存在を突然公表されることに戸惑いを覚える人がいるのも当然だと思う。しかし、それ以上に私にとって花譜の運営が「花譜」というひとりの少女を何よりも大切にしてくれていることが嬉しかった。それに昨今のVtuber界を考えても企業としてやりたいこと、方向性をはっきり明言してくれたことはファンにとって安心して応援できる大切な要素だと思う。

ファーストワンマンライブ「不可解」レポート

前記事からここまで諸々を振り返ってきてついにライブ当日のレポまでたどり着くことができた。ここからはパンフレット片手に当日、特に開場後のことを書き残していこうと思う。

2019年8月1日、"彼女は産まれる"

花譜ファーストワンマンライブ「不可解」開催

開場後中に入ると、Vtuberのオリジナル曲や歌ってみたが流れていた。流れるだけで草が生える委員長の「Moon!!」や「笹木は嫌われている。」が特に印象に残っている。(カンザキイノリ氏が大きく携わっているこのライブで流すのは流石に笑う)

配信ではVtuberからの応援メッセージが流れていたらしい、周りにも見ている人がちらほらいたがスマホの電池が切れていて見られなかったのでそこだけでも何らかの形で見られるようにしてくれると嬉しい。(これからメッセージを送って入れたVtuber側から上がるのかもしれないが)


――少女降臨――(Opening SE)

そして19時、ついに開園の時間がやってくる。開演と同時にステージの幕が開いて目に入ってくるのはステージと客席を隔てるように設置されている透明スクリーンに映し出される「青」、彼女の美しい声で奏でられる単語の数々、彼女の共犯者たちは想像を絶する美しく神秘的な光景にみな圧倒され息をのんで見つめていた。

「わたしはきょう、ふかかいなはなになる」「きょうからあしたのせかいをかえるよ」「すべてをうたにかえてうたう」

その光景はまさに少女降臨としか言い表せず、このライブが花譜の、またVirtualの転換点になることを確信させるのに十分なものだった。

M1「糸」M2「忘れてしまえ」M3「雛鳥」M4「心臓と絡繰」

彼女のデビュー曲、アップテンポな「糸」から「不可解」は始まった。壮大なOpeningですでに会場のボルテージはMAX、ニコニコ超会議の時とは違いイントロからコールが入り会場は一体となっていた。ステージの造りは奥のステージ上に生バンドと花譜がいる、そして客席とステージを隔てるように一枚透明なスクリーンがありそこに歌詞が表示されていた、正面から見るとステージ中央に立つ花譜を取り囲むように歌詞が表示され、あたかもMVの中の光景が目の前で展開されているような感覚だった。

2曲目3曲目4曲目は「忘れてしまえ」「雛鳥」「心臓と絡繰」と既存オリジナル曲が冒頭4曲連続する形となった。「忘れてしまえ」と「雛鳥」は発表時の状況から是非とも2曲続けて歌ってほしかったので個人的にはこの部分だけでも大満足のセトリである。あとこれは全体に言えることだが生バンドの迫力がすごい、花譜の曲は「イントロから好き!!!」みたいな曲が多いのでその実力を遺憾なく発揮していた。

M5「エリカ」M6「未確認少女進行形」

新曲ラッシュ、「エリカが咲く」のフレーズが頭に残ってる。ちなみにエリカの花言葉は「孤独・寂しさ」らしい、花譜ちゃんの歌声で「孤独・寂しさ」とか歌われたら立っていられないんだよな。

「未確認少女進行形」はとにかく歌詞と振付がめちゃかわいかった!!!!!!!!!!「私宇宙人なんだよ」「私三葉虫なんだよ」みたいな電波な歌詞が続くサビ。かわいい。音源が欲しい新曲No.1。(でもこの曲自体御伽噺の伏線なのでは・・・)

M7「うつくしいひと」M8「五月雨」M9「死神」

わたしがすきなうたをうたうよ。ラッシュ、選曲センスがすごいシリーズ。「五月雨」既存歌ってみたのなかでも気に入っていたので嬉しかった。「うつくしいひと」の歌詞調べてもオノマトペの部分出てこないけどなんて言ってるんだろう。「カッカッカ」?「かふかふかふ」?

そして問題の「死神」、この曲は初めて聞き曲だったのだが圧倒された。歌う前のトークで「曲の造りが特殊で初めて聞いたときは興奮が収まらなかった(かわいい)。」と言っていたがまさにそれで言葉が出なかった。本当に何なんだこの曲。歌いだしから意識を曲に持っていかれて感情がぐちゃぐちゃになる。歌唱に感情を込めるのが上手い彼女がこれ歌うの天才か?となった。あとこの曲のリリック映像も凝ってて良い。

M10「祭壇」M11「魔女」

「祭壇」は魔女の続編にあたる曲らしい。そもそも「魔女」自体が他のオリジナル曲と違い花譜のイメージソングとしてつくられたものなので、その続編であるこの曲も他のオリ曲とは雰囲気の異なるものになっていた。具体的な歌詞は覚えていないが、「魔女」と同じく花譜という存在そのものを歌うと同時に、この曲は「花譜」を誕生させたVtuberシーンへの賛美を歌っていると感じた。「電子が抱きしめてくれている(ハイパーうろ覚え)」みたいな歌詞はインターネットマンには刺さる。

M12「quiz」M13「夜が降り止む前に」M14「夜行バスにて」M15「過去を喰らう」

前2曲も含めてオリ曲ラッシュ、「quiz」はCF特典でDLできた曲なので初見ではなかったがあまり聞きこめてなかったので新鮮な気持ちで聞いていた。正直ここら辺の記憶が飛んでる。「夜が降り止む前に」は大好きな曲なので浸ってた。サビ前の一瞬の無音がしっかり体験できて最高だった。

「夜行バスにて」も記憶が飛んでるシリーズ。カバーだと思って聞いてたらオリジナルだった。「お母さんと夜行バスで出かけてみた景色」みたいな歌だったような?

ここらへんでバンド紹介が入る。各楽器がソロでワンフレーズ演奏してる横でわちゃわちゃしてる花譜ちゃんがかわいかった。かわいい。

そして最高にロックな「過去を喰らう」、花譜ライブで盛り上がる曲ランキングみたいなのがあったら絶対上位に入る。なんだかんだアップテンポな曲はアガるので楽しい。あと手前の透明スクリーンの演出が凄かった。らぷらすが花譜の後ろのモニターと手前のスクリーンの行ったり来たりしてた

ここでいったん終了。ステージの幕が閉じてすぐにアンコールが始まる。

――御伽噺――

アンコール後、突如映画のような重低音が響き渡り客席から皆が黙ってステージを見つめる中それは始まった。ブラウス姿の花譜が現れたのもつかの間、彼女はこちら側に語りかけてくる。

「あのね、じつはね、わたし未来からきたんだ。」

これについての考察は今は置いておく。このパートは会場中を緊張感が包んでいた。花譜の朗読力たるや。いやでもあの花譜動画がこれの伏線だとはだれも思わんでしょ・・・。

M16「神様」M17「命に嫌われている」

御伽噺からそのままの流れで東京ゲゲゲイの「神様」カバー。声に電子音のようなエフェクトがかかっているのも相まって触れたら壊れてしまうような歌声であり、初期に比べて最近はミステリアス感が多少薄くなってきた花譜だが、この曲を歌っていた少女は紛れもなく「御伽噺」で未来からきたといっていた不安定で不思議な少女だった。

ここでMCが入る。カンザキイノリさんについて話してた。彼が最近話していたことは「しんちゃんが面白い」らしい。

そして期待していた人も多いであろうカンザキイオリの「命に嫌われている」、CF特典では通常ver.だったが今回ライブで歌われたのは―Prayer ver.―というものだった。これは「Prayer」の名に相応しく通常よりのスローテンポで祈るように歌い上げていた。花譜とカンザキイオリのタッグを目にした時から聞ける日を楽しみに待っていたので、今回のライブで実現して本当にうれしい。

――誕生星鴉――

「皆さんと約束していたことがあるんですけど、覚えてますか?覚えてます...よね?」

「「「新衣装!!!」」」

という流れから新衣装お披露目。特殊歌唱用形態と銘打たれた「星鴉」はとてもスタイリッシュで幼さが減って歌姫としても一面が強調されたような印象。フーディモンスター(というらしい)である「らぷらす」解放度を1段階上昇させるとこうなりそう。

ちなみに普段来ている衣装は第一形態:「雛鳥」であり、今回の衣装はCFのストレッチゴールという特殊な制作経緯から特殊歌唱用形態となったらしい。ということはこれから正統進化系である第二形態が見られるのだろうか。

M18「不可解」M19「そして花になる」

「星鴉」を身に纏って歌う1曲目はカンザキイオリ氏がこのライブ「不可解」をテーマにして作曲した「不可解」。言葉では言い表せない感情、「不可解」な感情を主題としたこの曲は花譜運営がこのライブを通して伝えたかったもの、表現したかったことそのものだろう。もちろん「不可解」なものがこの曲を聞いたら理解できるわけではない。「不可解」に向き合っていくことこそがこのライブとこの曲なのではないだろうか。

2曲目、これで本当に最後の楽曲となると言って花譜は「そして花になる」を歌う。これはCFのストレッチゴールとして制作された曲で等身大の花譜自身について歌っている。マジでエモい。これはマジ。

「私が歌を歌うのは、歌が好きだったってわけさ」

「好きなものを、好きなことを、好きでいることに理由はいらない」

歌詞が良すぎる。自分の好きなことができるっていいね。

「あなたが知らなくたってどうでもよかった」

「でもあなたがいるから私は私になれる」

運営やクリエイター陣、そして観測者・共犯者にお礼を言っている姿が印象に残っていて、それでいて「あなたが知らなくたってどうでもよかった」って良すぎるでしょ!!!!ライブ終わってからずっとこれ聴いてる。この曲はフリーDLもできるから是非聞いてください。

15歳の女の子が自分の好きなことで頑張ってる姿を観測させていただいて感謝しかないんだよな。

追記:「人生だとか青春だとか、不条理に思うことなんてなかった」

カンザキイオリの楽曲は人間の心の内側にある葛藤を表現することに長けている。その中にはこの人生の不条理、生きにくいこの世界を歌うものも多いだろう。

しかし彼が作ったこの曲で花譜は今までの人生も、今ここにある青春も不条理に思うことなんてなかったと歌っているのだ。こうして歌を歌うのは純粋に歌が好きだったから、それが楽しかったからだと。

これこそが今を生きる等身大の彼女自身。彼女が同じ気持ちでこれからも歌い続ける限り我々はずっと心を動かされ続けるのだろう。

終わりに

花譜ファーストワンマンライブ「不可解」に立ち会えた幸運には本当に感謝です。始まりから終わりまで圧倒されっぱなしで言葉じゃ言い表せないライブだった。これは「不可解」を伝えることを目指したライブの到達点の一つだろう。でもこれ「The end of prologue」なんだよな・・・。カンザキイオリ氏と花譜の組み合わせを初めて見た時、その可能性の底知れなさに恐れおののいたことだが、それにPALOW.氏のイラスト、川サキ氏の映像が合わさり、またライブには他にも素晴らしいクリエイターが多く携わっている。花譜の音楽への愛情も相まっていよいよ「花譜」は果ての見えない存在となったと感じる。彼女はこの先どこまで行ってしまうのだろう。

改めて花譜ちゃんや運営陣の皆さん、観測者・共犯者の皆さんなどこのライブを作り上げてくださった方々、本当にありがとうございました。

今回のライブを経て「不可解な花」となった花譜ちゃんの次の挑戦も観測して行けたらそれ以上嬉しいことはないだろう。

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