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まだ見ぬ世界、まだ見ぬ自分に出会う旅



”旅”との出合い



大学4年生の6月、就職活動を終えた私は焦っていました。

就職先が決まって一安心のはずなのに。

「私に残された時間はあと1年もない」と。




というのも、就職活動で出会う社会人が口をそろえて

「社会人はお金はあるけど時間がない。
 学生のうちに長期の海外旅行をした方がいいよ。」

と言うからです。


海外は好きだったもののサークル活動にのめり込んでいた私は、海外旅行にはほとんど行けていませんでした。

そこですぐに、オーストラリア旅行とアメリカ横断旅を計画しました。



*****


オーストラリア、ケアンズ。


グレートバリアリーフでシュノーケリングをするために2時間ほど船で移動中。
スタッフのお兄さんがスキューバ・ドゥというオプションのアクテビティの勧誘にきました。


スキューバ・ドゥは、水中バイクに乗ってシュノーケリングよりも深くにいけるアクテビティです。


せっかくだから、と申し込み、目的地へ到着するまでの間に注意事項などの説明を受けました。


そして残りの時間で世間話になり、お兄さんがなぜここで働いているのかという話をしてくれました。

日本で数年働いた後、約1年かけて世界一周をしたこと。

世界中の絶景をみて、世界中の海に潜ったこと。

今は1番気に入ったケアンズでワーキングホリデーをしていること。

この先のことは考え中であること。




この時初めて「世界一周」と「バックパッカー」という旅の仕方があることを知りました。


また、次に計画しているアメリカ横断旅について、親に反対されていることを相談すると「やりたいことはやった方がいい」と。


******


アメリカ横断旅を反対されていた理由は、インターネットでメンバーを募集して初対面の8人で行こうとしていたから。


でも、オーストリアのお兄さんのおかげでこの旅を実現することができました。


さらに、偶然にも横断メンバーの中に私と同い年で世界一周している人がいて、

彼から世界一周の話を詳しく聞いて、「世界一周」「バックパッカー」の旅が一気に現実的に感じられ、「私もやってみたい」と強く惹かれていきました。



社会に出たら旅行ができないから、と計画した旅行で偶然にも”旅”を知り、背中を押され、また偶然が重なって”旅”が自分のやりたことになりました。

旅行や旅をすると、普段の生活では出会わない人と出会い、自分の世界がグンと広がる。
そして自分の考え方や行動も、自分の想像を超えてどんどん変わっていきます。




旅をしたいと思った私は、学生最後の春休みに2ヶ月間の旅に出ました。

世界一周をするには短すぎると感じ、ヨーロッパと少しだけアフリカを周ることに。


初めてのひとり旅。

初めてのバックパッカー旅。

初めてのルートを決めない、その日暮らしの旅。


毎日が刺激的でした。


自分の目で見て世界の真実を知る


旅をはじめると、様々な新しいことに出会います。


日本にはない街並み、日本では見られない絶景に出会うこはもちろん、国や地域ごとにルールや常識が異なり、日本の常識は世界の常識ではないと気づきます。


さらには、その国に持っていたイメージや本やインターネットで得た知識でさえも、実際にその地を訪れると全く異なると知ることがあります。



例えば、アフリカ、モロッコのサハラ砂漠に住むベルベル人の生活は、持っていたイメージとは全く異なっていました。


行く前のイメージは、砂漠には電気や水などがなく、料理は砂漠でも調理できる伝統料理を食べている。インターネットは通じない、というもの。


確かに観光客用のキャンプはイメージ通りでした。



しかし、仲良くなったベルベル人に生活用のキャンプに招待してもらうと、そこには衝撃の光景が。



電気と水道があってポテトフライを揚げてくれ、水洗トイレもありました。Wi-Fiも完備していて音楽用スピーカーもあるしインスタグラムもやっている。


そんそんな彼とは今でもインスタグラムでメッセージを送り合っています。



また、日本でもインスタ映えで人気になった青い街、シェフシャウエンでは、

バスを待つ時間に話しかけてくれた男性に街が青い理由を聞きました。


街が青くなったのはここ20年とのこと。


最初は汚れと蚊の対策のために、白かった壁を青く塗った。そうしたら観光客が来るようになったから、いっそのこと青い街にした、というのです。




世界は目まぐるしく変わっています。


自分の目で見ることで、最新の状況や真実を知ることができ、新しい発見があるかもしれません。


同様のことが、人の生き方についても言えるのではないでしょうか。


”旅”を通して出会った世界の人々はとても自由に生きていていました。


日本人でも、旅を仕事にしている人や、旅をしながら仕事をしている人に出会いました。


そして彼らは、どこかイキイキして見えました。




それはきっと、自分自信の幸せの基準を持っていて、自分のやりたいことを実現してるから。




それまで私が日本で見て「現実」だと思ってきた生き方や幸せは単なる固定概念だったと気づきました。

長期の海外旅行は学生のうちしかできない、というのも、日本にいる日本人の考えでしかなかったのです。




私は、色々な世界を知れたことを嬉しく思います。

同時に、人は知っていることの中からしか選択できないから、もっと色々な世界を見てみたい、と思います。




旅にトラブルはつきもの



旅の魅力のひとつに、意思決定の機会が多いことがあります。


普段の生活では自分自身で意思決定できる機会は意外と多くありません。

たとえば、会社では自分の意見を言うことはできても決定権は上司にあったり、プライベートでは一日の生活パターンが決まっていたり。


ところが、旅ではすべての選択が自分次第です。

今日は何を食べて、どこに泊まろう?
明日はどこへ、どうやって行こう?


出会った人の話を聞きながら自分主体で決める機会が多くあり、満足感も高まります。


一方、トラブルにも自分の力で対処する必要があります。


ホテルの場所がわからない、バスが来ない、飛行機が取れていなかった……。
これらはすべてこれまで私が経験したトラブルです。


しかも、重いバックパックを背負って、時には言葉が通じない中で、時にはインターネット環境がない中で。



トラブルが起きた時、途方に暮れて心が折れそうになることが何度もありました。


しかし、悲観していても自分で行動を起こさない限りは誰も助けてくれません。

反対に、行動すれば誰かが助けてくれてどうにかなることを学びました。




例えば、イタリアの小さな村に行った時、宿泊予定のホテルがGoogleマップ上に表示されませんでした。

ホテルに電話すると、対応してくれたおばあさんはイタリア語しか話せない様子。


そこで、近くの広場にいた8人ほどに手当たり次第に声をかけ、英語を話せる人を探しました。

それでも英語が話せる人が見つからず、近くのお店にも何件か声をかけてようやく発見。状況を説明し、私の代わりにホテルのおばあさんと話してもらいました。

するとホテルの場所がわかり、さらにはホテルへ案内までしてくれました。




これ以降、トラブルが起こっても悲観は一瞬にして「この状況を最善にする方法」をすぐに考えるようになりました。

この習慣がついてから、日常生活でも物事に対する判断力と行動力がついたと感じます。


また、自分が成長して行動したからこそ、人の温かさを感じることができたのだとも感じました。

世の中に不満を言うだけではなく、自分の考え方が変わればもともとあった良い面に気づくことができるのかもしれない、と感じたできごとでした。


この写真はこの街に行く目的だった景色です。
苦労して辿り着いた景色は感動が大きく、その景色も出会った人も街もより鮮明に覚えています。



今、私にはやりたいことがたくさんあります。

世界中の絶景を見てみたい。

世界中の海を潜ってみたい。

少数民族のリアルな生活を知りたい。



また、社会人になった私は新しい価値観を得ました。

今旅をしたら、また別の新しい発見があるかも知れません。



私はこれからも旅を続けていきたいです。

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