吾輩は猫である。あの漱石も魅了したニャンコたちを描いた画家〜ルイス・ウェイン〜
8月5日は、猫を擬人化した画家、ルイス・ウェインが生まれた日。(1860年8月5日 - 1939年7月4日)
ロンドンで生まれたウェインは、
ウェスト・ロンドン美術学校を卒業し、
短期間教師として働いた後、
フリーのイラストレーターに。
1884年、妹の友人、エミリー・リチャードソンと結婚し、
幸福な結婚生活を送ったが、
その期間は短く、3年後ガンで亡くしている。
夫妻は白黒の毛並みをしたピーターという猫をこよなく愛し、しばしば絵のモデルとした。
写実的なものが多かった。
が、やがて後ろ足で立ちながら笑顔を浮かべ、
洋服を着こなし、クリスマスを祝ったり、
ゴルフに興じたりと人と同様人生を楽しむ猫となっていった。
ウェインの作品は高い人気を博し、
何冊もの子供向けの本を手がけたり、
ニューヨークに住んでいた時期には新聞の漫画を描いたりもした。
SF作家として有名なH. G. ウェルズも彼のファンであった。
しかし1900年代になると、
ウェインの総合失調症が悪化し、
ロンドン市内の劣悪なスプリングフィールド精神病院に入院。
ウェインが病院に隔離されていることが知られるようになると、
H・G・ウェルズなどの嘆願と
当時の首相スタンリー・ボールドウィンの介入により、
彼の治療環境は改善されるようになった。
ウェインは別の病院へと移され、
続いて1930年には北ロンドンハートフォードシャーの
ナプスバリー病院へと転院した。
この病院には患者たちのために心地よい庭が用意されており、
そこには数匹の猫が飼育されていた。
ウェインは死去するまでの9年間をこの施設で過ごし、
本来の穏やかな性格を少しずつ取り戻していった。
気が向けば以前のように猫の絵に取りかかった。
その作品は原色を多用した色使い、
花を模した抽象的な幾何学模様などで構成されていた。
彼の人生は、昨年映画化されました。
『ルイス・ウェイン生涯愛した妻と猫』
猫好きさんは見たかしら。