読んだ小説の映画を観る
現在、上映中の映画「月の満ち欠け」を観に行きました。
佐藤正午さんの同名小説が原作の映画です。
佐藤正午さんの小説は昨年、「鳩の撃退法」も映画化されました。
あの小説が映画化された時は本当に驚きました。
あんなに時間の流れがや登場人物が複雑に絡み合うしかもかなりの長編をどうやって120分程度の映画に落とし込むのか・・・。
先に小説を読んでしまってから映画を観るのって難しいですよね。
小説を読んでいるときに脳内で映像化されてしまっているので、自分の中で映像化してしまったものと、映画化されたものが一致できないとなんとなく気持ち悪い感じになってしまいます。
なので、これまで、小説を読んだ後に映画を観るのは苦手でした。
小説の読後感で終了させておきたかったからです。
でも鳩の撃退法を観て、小説と映画の違いの面白さをなんとなく実感できました。
鳩の撃退法、小説が本当に面白かったんです。
正直、あの世界観を映画で表現するのはちょっと無理なんじゃないかな、と思いました。
なので、ギリギリまで観るのを躊躇っていました。
しかし、実際に観てみて、制作陣の原作に対するリスペクトとどうしても映画にしたかったという熱意を感じました。
ところどころ佐藤正午の独特の台詞回しやシーンをしっかり入れてくれていて、小説を読んでいる人にとっては「あのシーンだよね!」とニンヤリしてしまう場面が度々。
あの映画はきっと小説を読んでから観た人の方が楽しめたのではないかと思います。
今回の月の満ち欠け読んでからだいぶ経ちますが、読後感と映画を観た後の余韻はなんとなく近かったように思います。
個人的にはキャストも良かったかな、と思います。
昨年から、小説後に映画を観るということがたて続きました。
原田マハさんの「キネマの神様」これは完全に山田洋次監督の作品になってましたね。
それはそれでとても良かったですし、作家冥利にも尽きたのではないかと感じました。
そして同じく原田マハさんの「総理の夫」こちらも原作の良さをしっかりと残した映画になっていたと思います。
そして、中山七里さんの「護られなかった者たちへ」小説では主人公の利根が最後に女装で逃げようとする場面があり、佐藤健さんの女装シーンがみれるのか?と期待しましたが、そこは残念ながら脚本でかえられていました。
自分自身が小説と映画を別物として楽しめるようになったからなのか、どの映画も作品としてとても楽しめました。
小説を読んでいるからこそ、映画の中で何を大事にしたかったのか、ということもなんとなく理解でき、それもより映画を楽しめた要因になったように思います。
苦手意識がだいぶ軽減されただけでなく、映画としてどんなふうに表現されるのかむしろ少し楽しみに感じるようになりました。
最近は、ちょっと小説読む心の余裕がなくて、遠ざかっていますが、小説読んでる時の没入感もまたいいですよね。
映画が続いたので、そろそろ小説の方にもどっぷりとハマりたいですね。
年末年始で何か読んでみようかな。