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庭園墓という新しいかたち——作庭士が描く四季の風景
光善寺の庭園墓は庭園です。もちろんお墓なんですが、庭園として魅力があることが大前提だと考えています。そんな思いを伝えて設計・工事をしてもらうことをお願いしたのが、京都「くるみ庭縁」の上田さんです。とても素敵な庭園墓を作ってくれたおかげで、見学者は増えていますし、利用も決まってきています。
その上田さんはどんな方なのか、どんな思いで庭園墓を作ったか、といったことを質問したときの記録が残っていたので、ここに記しておきます。
「上田さんは庭師ではなく作庭士だと聞きました。」
私は作庭士として仕事をしています。庭園の作家のようなもので、庭園の設計や施工、手入れなどを行う庭師や造園家とは少し違うと考えています。
「上田さんは京都の方ですが、京都あるたくさんの庭の中でどんな庭が好きですか?」
あえていうなら三千院、道中の大原の景色が好きです。緑の苔の中に埋もれているわらべ地蔵が好きですね。
「京都の庭はどんな特徴があるんですか?」
山を移し込む借景が京都の庭造りの基本です。庭造りは何でもありのように見えますが、ちゃんと基本ルールはあります。それは京都の庭も同じではないかと。
「庭園墓にたくさんのモミジが植えられています。京都から持ってきたものも多いと聞いています。京都と島根のモミジは違いがありますか?」
たぶん同じものだと思います。でも、江津のこの地は潮風があたるので、手入れの仕方には違いがあるんじゃないかと思っています。
「光善寺の庭園墓はどのポイントが一番のおすすめですか?」
回遊式の庭になっているので、どこから見てもおもしろくなっています。どのポイントもおすすめです。
「四季を十分に感じられる庭になっているんでしょうか?」
秋にウエイトを置いた作りにはなっていますが、どの季節も楽しめるようにしています。納骨されている方が心地よくお墓参りができるように、夏は木陰ができ、冬は日光をたくさん取り入れられるよう、落葉樹が多くなっています。春には春の、夏には夏の、秋には秋の、冬には冬の、それぞれの良さがあるので、それを楽しんでください。
「庭の木々が落ち着くのは何年後くらいになるんでしょうか?」
5、6年はかかるのではないかと思っています。3年後にだいたいの形ができて、5年後くらいが一番見てもらいたいものになっていると思います。
「石のベンチが置かれていますが、どんな思いで設置したんですか?」
墓参りの後に、そのベンチに座ってゆっくり庭の景色を楽しんでもらいたいという思いからです。
「長期間江津で生活しながらの庭造りでしたが、どんな生活をしていたんですか?江津はどうでしたか?」
島根だけでなく熊本で長期の作業をしたことがあったが、このようなことはそんなに多くはないです。今回は有福に泊まっていたので温泉によく入っていました。食事作りは当番制にして自分たちで作っていたが、メニューを考えるのが大変だったので、いつの間にか作るのはやめていました。
江津はすごく自然が豊かでキレイなところだと思っています。特に海のある景色がいいです。でも風が強いですね。これは今年だけ特別に強いのか、毎年このくらいの風が吹いているんでしょうか?(※いつも風は強いです)