「漫才過剰考察」


令和ロマン・高比良くるまの「漫才過剰考察」を買った。


自分はYouTube等の動画の見過ぎで集中力が低下し、本が読めなくなったのだが、お笑い好きなので「これは買っておこう」と思い、買ったはいいが目を通してみると・・。

「過剰考察」という言葉に嘘偽りは無く、あまりにも凝縮された言葉の数々に疲れてしまい、途中で読むのを断念してしまった。

今年のM-1グランプリ当日までに、流し読みでもいいので目を通すことは出来るのだろうか?


途中までしか読んでないのに感想を書くのは、本を書いた人に失礼だとは思うが、「これは芸人、観客ともに『競技漫才』化された現状に対するマウント行為・・いや、皮肉?それとも高比良くるまなりのボケ?」と言った感想を現時点では抱いている。


本のことはさておくとして。

今年の優勝予想・・なんてものをしても、たぶんあまり意味がない気がする。

M-1は好きで当初から見ていたけど、結局当日の会場の雰囲気に左右されるところが大きいと思うので。

今年の審査員は、三度目の松本人志の不在ということで、テコ入れの意味もあってのことか。これまでの七人の審査員が九人へと増やされた。

松本人志のやったことはさておき、彼の不在は当日の会場に緊張感・・不安感と言ったほうが正確だろうか?

出場する芸人、スタッフ、観客、テレビの視聴者も含め全員が心のどこかで「はたして松っちゃん不在で、M-1盛り上がるの?」といった気持ちを抱きながら、観ることになると思う。

個人的には、令和ロマンの二連覇がドラマとしても盛り上がるし、新世代の台頭という意味でも美しい結果になると思うが、世の中思ったようにいかないのが常だ。


年末でもあるので、個人的に「思ったとおりにいかなかった話」を書きたいと思う。

名前は伏せるが、昨年あるネタでバズったお笑い芸人のことを推していた。

自分は骨の病気を患って、自宅療養をしてた期間。ふと朝の番組で見たその芸人のネタは、あまりにもアホすぎて、腹を抱えて笑った。

逆にいうと、それ以外で笑うことは基本、なかった。

ずっと身体のどこかが痛く、指先は痺れ、ギリ日常の生活は送れるという状態で、ひとりで部屋に居た。

そんな中で、心の底から笑わせてもらったので、そのコンビの動向を追うようになった。


一度だけだがライブにも行った。

自分は関西に住んでるので、東京を拠点とするその芸人が関西まで遠征に来たその時のみ、生でネタを見ることが出来た。

あとはエックスで絡みとかもあって、自分は自分なりの推し方をしてるつもりだった。インスタライブの切り抜きを、了承をもらった上で動画を投稿したりなど。無邪気だった。


あれは今年の春だったと思う。

その芸人が初めてYouTubeライブ配信をやるというので、自分は配信開始の時間を待ち侘びた。

配信が始まると、電波状況が悪く、向こうの会話は途切れ途切れにしか聞こえず、ラグも酷かった。

その状態が10分ほど続き、自分はよかれと思って、初めて赤スパ(一万円以上の投げ銭のこと)を投げてみた。

会話は途切れ途切れだが、スパチャが投げられたことはお互い目で見て分かるので、盛り上がったと思う。

回線状態は一向に治る気配は無く、見てる自分以外のリスナーも盛り上がってるようなので、つい調子に乗って赤スパを連投した。

結果、10万円くらいは投げただろうか。

一応、何の理由もなく投げ銭を連投するのも怖いかな?と思ったので、「自己主張強いオタクなので、認知してもらいたくて投げてます!」と言い訳をつけながら、投げ続けた。

配信時間は一時間だった。

50分を超えたあたりで、最後の赤スパを投げて「盛り上がってくれたかな??」といった具合に思っていた。


が、ここで思いもよらぬことを相手方に言われた。

その芸人が急にこう言い出したのだ。


「待って!わたし、あなたのこと認知してるよ!」

「だってわたし、あなたのインスタブロックしてるもん」


びっくりした。

なんで、わざわざそんなことを言う必要があるの?

しかも投げ銭を投げ終わった後で。


僕は腹に据えかねる思いはあったものの、その場は押し黙った。

自分は悪いことをしたつもりは無かったのだけど、自分の推し方は距離感が近いというか・・熱量が異常というか・・。

今にして思えば「なんか、この人距離感めっちゃ近いじゃん。コメントとかくれてるけど、うざいしブロックしよ」みたいな軽いノリだったのだと思う。


最近、世間では「推しへの愛=課金」という流れが普通になってしまった。

アレは誰かが発明した言葉だと思う。

「よかったらアイテム投げてくださいね」と言うより「推してください!」とか言うほうが耳障りが良いから。

推し活って、そういう世界線だと思って、自分は投げ銭をしたんだけど、まさかそんなことを言われるなんて予想もしてなかった。


でもよく考えた。

これが例えば接客業をしてる人だったら、お金をもらってサービスをするのは当たり前のことだ。

しかし、相手は芸人。

言い方を変えると「表現者」とも呼べると思う。

じゃあ、表現者が自身のやりたいことを邪魔してくるようなファンがいたら、その人に対して塩対応するのは、別に不思議なことじゃない。


これはあくまで、自分がした自己分析なので、当たってるかどうかは分からない。

その芸人にとって、自分は「推し方」が間違ってて、その間違ってる人が自分のことを考察してるんだから。それはキチガイの自己分析と同じようなもので、この話や自分の考えを否定してくれても構わない。


ただ、当事者に配慮しながら伏せる部分は伏せて、事実を書いたつもりではある。

そこも信用できなかったら、もう何も言わないでくれ。


正直、直後はめちゃくちゃ腹立ったし、炎上騒動に持ち込むことも出来たのだけど、当時ラニーノーズのことで世間が炎上した直後だったので、びびってやらなかった。

もう今は何とも思ってないけども、フォローやらを外してしまったから何にもその人の情報は自分の耳に入らなくなったのだけど、その人たちがまた面白いことをしてくれて、世間でバズったりしたら自然と自分の耳にも入って来ると思うし。それでもそのネタで自分が笑えたら、それでいいと思う。


長々と書いたけど、まあまあ自分は面倒臭い人だと思う。

話を無理やり元に戻すけど、そんな面倒臭いと思われても仕方のない思考を持つ自分でも「この熱量は凄い」と感心させられたのが、高比良くるまの「漫才過剰考察」という一冊だ。


明後日の「M-1グランプリ」、結果はどうなるのでしょうか?

それまでにこの本が読めればいいなーと思っております。




いいなと思ったら応援しよう!