「FELISSIMO RECRUITING 2021」リクルートサイトのつくりかた
Webサイトの制作方法を実例でご紹介する「Webサイトのつくりかた」シリーズの第三弾!ということで、今回は「FELISSIMO RECRUITING 2021」リクルートサイトのつくりかたをご紹介します。
01.概要
フェリシモは1965年創業の大手通販会社です。商品のほとんどがフェリシモオリジナルで、便利な日用品から一風変わったキャラクターグッズや手習いキットなど幅広くかつ数多くの商品を取り扱っています。ユニークな商品で度々SNSを盛り上げているのでご存じの方も多いかと思います。
そんなフェリシモから今回はリクルートサイト制作のご依頼を頂きました!
02.はじまり
弊社では長年フェリシモの案件を担当してきました。これまでのやり取りを通し、「依頼内容がフワッとしている相談でもMEFILASだと安心して相談ができる」という評価からぜひリクルートサイトも…ということでこの度ご依頼頂きました!
いや〜…光栄です!
初回のお打ち合わせは先方の担当者さまとフェリシモ案件に数多く携わってきたディレクターの原田の二人で行いました。そのときは主に弊社にご依頼いただいた経緯や、コンセプト、ターゲットなどの話をしました。
ちなみにそのときにいただいたオーダーはというと…
といったものでした。
03.企画
ご提示頂いたオーダーを踏まえ、早速企画に取り掛かります!
今回のリクルートサイトのコンセプトとなっている「10YEARS」。まずはこのコンセプトをどんなコンテンツで表現するのかを考えました。
ターゲットは就職を控えた学生。自分自身が学生だった頃、10年先の未来を想像したことがあっただろうか…そんな風にターゲットの目線になってみて、このコンテンツには何が必要なのかを思案していきます。
10年先をイメージできるように…と色々考えた結果、シンプルに勤続10年以上の社員さんにインタビューを行うことが決まりました。また、サイトの掲載内容を決めていく中で、人物イメージは写真ではなくイラストを採用することも決まりました。
ちなみに今回なぜ写真ではなくイラストを起用したのかというと、個性豊かな先輩社員の方々を表現するにはイラストの方が映えるだろうという点と、ディレクターの原田が抱いていた従来のリクルートサイトに対する考えが反映されています。
その考えとは一体…?
当初より担当者さまとはリクルートサイトにおけるデファクトスタンダード(事実上の標準)を壊したいと話していたので、今回のイラスト案も従来の形を変えるひとつの要素となりました。他にも、企業情報や事業紹介はコーポレートやLINEで見せるなど、とにかくコンセプトがぶっ刺さるコンテンツを考えていきました。
そんな当案件にて重要な役割を担うイラストですが、イラストレーターさんの選定には少しばかり苦労があったようで…。
フェリシモらしさはありつつユニセックスなイラスト…しかも今回もう一つサイトのテーマとして「情熱(パッション)」というキーワードが課せられており、それを引き立てることのできるイラストである必要もありました。
魔法部のときもそうでしたが、イラストの選定には何かと苦労することが多いです。しかしサイトの大事な顔となる要素でもあるので、当然一切の妥協はせず根気よくリサーチを続けました。
そして今回もSNSやPinterestで参考画像を集めていたところ、某ファッションメディアサイトで使用されているイラストで「正に!」というものを発見!その後作者が判明し、連絡を取ることができました。それが今回担当頂いたイラストレーターの林田秀一さんです。
林田さんは、シンプルかつユニセックスなテイストのイラストを描かれる方です。社員さんを撮影した写真とそれぞれの雰囲気をお伝えし、人柄を感じられるイラストを作成していただきました。
イラストのリサーチと並行して、テーマの「情熱(パッション)」をどう表現するかや、サイトの構成をワイヤーでまとめていきました。
こうしてFELISSIMO RECRUITING 2021のコンテンツやサイトの見せ方など大まかな枠組みが定まっていきました!
04.デザイン
デザインはFELISSIMO RECRUITING 2021のメインテーマ、「情熱(10年前から今まで、今から10年先まで変わらない情熱)」と「未来への期待」の2点の表現を重視して作成しました。
シンプルにこの2点だけをみると、いかにもアツくエネルギーに満ち溢れているパワフルな印象を感じますが、今回はオーダーにあった押し売り感をださないように工夫する必要がありました。その辺りの匙加減をどのように行ったのかを、デザイナーの福本に聞いてみました!
初期のデザイン案
初稿では全体のデザインを落ち着かせることで暑苦しさを出さないようにしていたそうです。ですが「もっと!!!」と先方からの指摘があったとのこと。それを踏まえて配色をがらりと思い切ってパンチのあるパッションピンクに変更。それにより全体がエネルギッシュな印象に!
シンプルながら差し色の効果でよりパッションを感じられます!モノトーンで描かれたイラストの効果もあり、キーカラーのパッションピンクがより引き立てられています。
「情熱」と「未来への期待」を表す工夫は他にも…
などなど…様々な要素が盛り込まれています!
その① 勢いのある手書き文字やギザギザアニメーション
→ 企画段階で既に決まっていた「情熱(パッション)」の具現化。そのときはまだなんとな〜くのイメージでしかありませんでした。直接的に「情熱(パッション)」を伝える為にはどんな形が相応しいのか…当初はハートであったり炎であったり、それはもうありとあらゆるパターンを検討したそうです。(何気に一番悩んだ部分だったとか…)
グルグルした動きだと悩んでいるようなモヤモヤした印象になるのでボツになったそうです🌀
形・動き共に試行錯誤を重ね完成したのがサイトのロゴとして使用している躍動感のあるこちらの円となりました!
ギザギザとしたエッジの効いた円が出来上がりました。スタイリッシュでありながらエネルギーを感じる印象ですね!ポイントになっているギザギザの動きはディレクター原田がIllustratorで何十パターンも作ったそうです。
そして林田さんのイラストと合わせたデザインがこちら。
モノトーン調のイラストとのコントラストがよりテーマを引き立てていますね!ギザギザ円は人物の心臓の位置に置いてそれぞれの鼓動に見立て「内に秘めた情熱」を表現しました。
その③ 先輩社員一覧画面と詳細画面で異なるイラストを用意
→先輩社員のbefore・afterが印象的なこの遊び心のあるカラーイラストはどういうところから着想を得たのでしょうか?
「好き=情熱」というのはなんともフェリシモらしい着想です!
と言うのもフェリシモには「フェリシモ猫部」や「魔法部」といった部活があり、それぞれがテーマに特化した部活動を行っており、部活発信の商品も数多く発売しています。好きが高じて形になる…「好き=情熱」は正に「フェリシモらしさ」そのもの!
フェリシモ猫部リーダーの松本さん。猫愛があふれ返っていますね!
beforeからafter(変身部分)の遷移を途切れることなくシームレスにプログラムすることにより、一連の流れ(ストーリー)を乱すこと無く見られるようになっています。
「変身」という表現が上手くハマったおかげで、フェリシモのカラーや先輩社員の個性が伝わる楽しいコンテンツになりました。
言葉だけでは伝えづらいアニメーションのプログラミングを依頼する際は事前にサンプルを作って共有したそうです。
実装依頼時に伝えやすくする為に制作したアニメーションのサンプル動画。
05.プログラミング
プログラミングはいつもお世話になっているフリーランスの堤大洋さんに依頼しました。堤さんは、アニメーションのあるサイト制作を得意とされているので、今回の見どころであるシームレスな演出部分でお力添えいただきました。
after(詳細)ページから左上部ロゴクリックでbefore(社員一覧画面)に戻る際のアニメーション。堤さんオリジナルの演出で更に切れ間のない流動的な仕上がりに!
堤さんに、こだわった点や苦労した点をお伺いしてみました。
限りなく自然かつ心地よく見せる為最後の最後まで微調整を繰り返したアニメーションとなっておりますので、ぜひ注目してご覧ください!
06.公開
こうしてクライアントとパートナー共に作り上げたリクルートサイトが公開されました!
公開後はSNSで話題になったり、Web Designingやブレーンに掲載して頂きました!また、ご依頼時に参考として挙げて頂くことが多く、それだけご評価頂けているようでとても嬉しいです!
肝心のリクルートサイト効果によるフェリシモ採用の目標達成についてですが、リクルート総数が昨年対比で150%!(す、すごい…!)女性の応募の多いフェリシモですが今年は男性応募が昨年対比155%!(ウワーッ!!!👏 )担当者さまからも喜びの声を頂きました!
07.まとめ
今回は「FELISSIMO RECRUITING 2021」の制作を通してリクルートサイトのつくりかたをご紹介しました。
「FELISSIMO RECRUITING 2021」では、応募者の数ではなく「10years」というコンセプトに共感した方からの応募の獲得が目的でしたので、一般的なリクルートサイトの形に囚われずに、コンセプトの伝え方に注力しました。
目的に応じて、当たり前を疑うことは「良いWebサイト」をつくる上で大切であると私たちは考えています。
また今回の実績をご評価いただき、引き続き「FELISSIMO 2022 RECRUITING」も弊社で制作させていただきましたので、興味のある方はぜひご覧ください。
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