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在宅勤務で滞りがちなコミュニケーションをどう解決した? ミツモア流・リモート開発を加速するTips 3

見積もりプラットフォーム「ミツモア」の開発を推進する開発チーム。実は、その9割のメンバーが現在、在宅勤務を行っています。
しかし、在宅勤務の課題は「コミュニケーション」。そのあたりを、開発チームのメンバーはどうやって乗り切っているのでしょうか?
コミュニケーションの課題・そしてペアプログラミングの課題などを解決するために、導入したTipsについて、エンジニアの坂本(@ryusaka)に聞いてきました!

プロフィール:
坂本竜(@ryusaka) プロダクト部 開発3グループ
早稲田大学で情報工学を学び、インターンを経て2019年にミツモアに新卒第一号として入社。Node.js, Reactを用いてフロントエンド、バックエンド共に開発。社内にて既存プロジェクトへのTypescriptの環境構築、普及を行なう。
https://github.com/ryusaka
https://qiita.com/ryusaka

どうしても生まれてしまうリモートでのコミュニケーション課題。どう解決する?

– ミツモアでは、いつから在宅勤務をスタートしているのでしょうか?

最初の緊急事態宣言が発令されて間もない頃にスタートしました。現在、開発チームの在宅勤務割合は90%です。割合は部署ごとに違っていて、電話対応のあるの部署、学生インターンが多い部署などはそれなりに出社もしています。

– 在宅勤務への移行はスムーズでしたか?

Slackでのテキストベースのコミュニケーションと、Google Meetを用いたオンラインミーティングの2ツールで在宅勤務を開始しました。しかし、初めの頃は、コミュニケーションにまつわる課題もよくありましたね。

これまでは、部署をまたいでいても全員オフィスにいるので、様子を伺いながら「ちょっと今いいですか?」とコミュニケーションできていました。しかし、リモートワークだと、同じテンションでメッセージを送っても、そのリアクションが1時間後に来たり…。

また、テキストベースだと、どうしても何かを伝えるのにコストがかかってしまったり、認識違いによる手戻りが起きてしまったりもしていました。そこで、コミュニケーション課題の解決のために、開発チームはTandem(タンデム)というサービスの導入を進めたんです。

横に座っているかのように課題を解決できるツール「Tandem」


– Tandemはどのようなツールですか?

一言で表すと、在宅勤務のためのリモートオフィスツールです。音声チャットをベースとしているので、オフィスにいて話しかけるかのように簡単に通話が可能。画面共有機能も充実しています。

どんな画面を開いていてもショートカットキーを押せばすぐに話しかけることができます。また、画面共有の際も、カーソル位置の共有や相手の画面をクリックしたり、オフィスで働いていた時期とそう変わらない環境でペアプログラミングできたりします。むしろ、オフィスにいるよりもコミュニケーションしやすいかもと感じているくらいです。

またGoogle Meetだと、わざわざ会議用のURLに入ってくる意識があるためか、どうしても気軽さがないと感じていたんですよね。そんな時、開発チームのEugene(ユージーン)という海外出身のエンジニアが「こんなツールがあるよ」とTandemを紹介してくれました。

ミツモアの開発チームではTandemを導入することで、気軽に話しかけたり、ペアプログラミングしながら疑問点の解消をしたりといった使い方で在宅勤務のコミュニケーションロスの課題を解決した

ミツモア開発チームで感じている、Tandemを利用するメリットはこうした点でしょうか。

  • どこの画面にいても手軽にTalkが出来る、また通話 / ミュートの切り替えが簡単

  • 人に話しかける際はWaveで手を振り、それに応答すると気軽に1on1が始められる

  • 画面共有時にカーソル位置がわかりやすい。相手画面を操作でき、クリックや文字入力ができるためペアプログラミングに適している

Tandemの導入によって、コミュニケーションコストが下がった実感があります。全社的な導入にまでは広がりませんでしたが、開発チームでは変わらず高頻度で利用しています。カレンダーで入っているような定期ミーティングはMeetで、開発部の突発的なミーティングはTandemで…と使い分けしています。

また開発チームでは、リモートだとしても隣に要るような環境でコーディングの質問や課題解決ができるといいな、と感じていました。具体的には、画面をシェアするだけではなくて、一緒にエディタを触れるようなツールはないかなと。Tandemは、相手のカーソルの位置や打っている内容が分かり、また操作することも出来るため「ここが動かないんです…!」というヘルプに対して「ちょっと貸して」と、代わりにキーボードをカタカタ打てるようになりました。この点に関しては、リアルに横にいるより効率的に開発できるくらいです。

あとは、具体的なヘルプを受けていない時でも、課題を解決しやすくなりました。リモート環境下で、自分の課題を解消しようと思うと「まず自分で不明点を発見する -> 相手に質問をする -> 返答を待つ -> 受けた回答を入力する -> 解決する / しない」とターン数を踏む必要がありますよね。

コーディング中、実際どこで詰まっているか、自分でも分からないことがあるのですが、こちらから見て「困っていそうかな?」「思ったより進んでいなさそうかな?」というシチュエーションであれば、Tandemで30分程度画面を共有し、作業中の様子を見させてもらうこともあります。そうすると、アウトプットだけではなく、経過も見られるため、本人の自覚していないような課題もこちらからすくい上げて解決してあげられることもあります。本当に机を並べて横でみているような感覚ですね。これは常時ではなく、キャッチアップが必要そうな時にやっています。

Tandem自体もシリコンバレーのスタートアップが開発しており、開発スピードが早く、毎週機能が増えているような点も魅力です。

意外と大事で確保が難しい「雑談タイム」


– その他ツール以外での取り組みについてはどうですか。

オンラインのコーヒーブレイクを始めました。在宅勤務でMTGがないと、ほとんど誰ともしゃべらない日ってありますよね。開発チームでは、朝5分・夜5分のデイリーのミーティングはあったのですが、在宅勤務になってからは、そのミーティング以外で誰とも話さないような状況もよく起こっていたんです。

自分は比較的在籍歴が長いので、これまで積み上げてきたものもあり、声だけで話していても相手の顔や表情が浮かびます。しかし、新しいメンバーはまだ感覚が違う。どういう人がいて、どの部署で、どういう人となりで…という感覚が掴みづらいため、何かしらの施策で改善していきたいなと考えて始めました。

開発チームも人数が増えてきたので、チーム単位にして3〜4人くらいで雑談タイムを設けました。デイリーでカレンダーに入れ、30分程度設定すると、案外盛り上がるようになり、すっかり定着しています。今は特に話題やアジェンダなどは定めず、本当になんでも話せる時間になっています。

開発部は1日1回続けていたのですが、そこから開発に近いチームにも広がりを見せていって、全社でも週1回実施しています。

– コーヒーブレイクの導入はうまくいったのでしょうか?

カジュアルに「なんでも話してくださいね〜」と始めても良かったのですが…。導入時点で失敗すると定着しないだろうな、という思いもあり、最初は「お題ルーレット」を使っていました。例えば「1億円を手に入れたら何しますか?」「来世が人間以外だったら何になりたいですか?」といったトピックを準備。また、オンラインであれば、1つのグループは多くても3−4人くらいまでに設定し、それ以上は人数を増やさないようにしていました。

在宅勤務中心の働き方になってからの試行錯誤として、個人的に一番良かったと感じているのはコーヒーブレイクですね。今では何でも話せる時間として機能していますし、新しいメンバーの「実は」なことが分かるようになりました。

– 今後、改善していきたいことはありますか?

一時に比べて出社する人や、直接話せる人も増えてきました。同時に出社していない人への連絡が漏れてしまうことが起こり始めています。またオンラインミーティング内で、出勤しているメンバーとリモートのメンバーが混在していると、聞こえづらさが発生することもわかってきました。そこで、リモートとオフィスのどちらともスムーズにコミュニケーションが出来るようなやり方は考えてえていきたいですね。また、ミツモアのオフィスは1フロアで業務しているので、何名かが同じ空間で、別のオンラインミーティングをしているような場面もあり、設備面でも改善していけるといいなと考えています。

– その他メッセージがあれば!

ミツモア開発チームでは、海外や東京以外の地方から働いている人も増えてきました!ドイツに住んで時差で働く外国籍のエンジニアや、大阪でリモートワークをするエンジニアもジョインしました。フレキシブルな働き方に興味がある方、ミツモアのサービスに興味がある方、ぜひ一度お話しましょう。
(インタビュー・編集:福岡夏樹    ライティング:伊賀あゆみ)
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