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【ウクライナ情勢】Madmanプーチン

 NHKニュース9に出演した東野篤子・筑波大准教授が「(ロシアによる)核使用はないと思いたいが、限定核使用はあり得なくはないのではないかの見方も出ています」(要旨)と解説していました。

 ウクライナ戦争における核戦力に関するロシアの一連の声明は、軍事戦略論の世界では、劣勢時に限定核攻撃を行って戦闘停止を強要する▽紛争への大国の関与を阻止するために限定核攻撃を行う―という「エスカレーション抑止」と見なされている由。まったくこの通りですな。陣地などの軍事目標に標的を限定したロシア軍の戦術核攻撃はあり得ると思わせる、または実際にそうした戦術核攻撃を行うことで、ウクライナ側に抵抗をやめさせる。甚大な非戦闘員の被害を出す都市攻撃より使用の閾値が低いと懸念されているのが、戦術核による限定核攻撃であります。

 一方で、個人的には「当方が非合理的で不安定だと相手に思わせることで、相手に挑発をためらわせる」という政治理論Madman Theoryにも注目したい。というのは、ロシアの今の戦略決定は、軍とか国家というより、プーチンの個性が強く反映されているように思いますので。「核使うぞ」と威嚇して「こいつならやりかねん」と米欧やウクライナに思わせ、萎縮させるという戦術ですな。


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