迷惑かけないようにって言葉がいやだった。でもそれは大切な人を傷つけないために必要なことだった。
人の目ばかりを気にして生きていたころ、
自分自身のことは全然大切にできていなかったけれど
まわりにはちゃんと迷惑をかけずに生きられていたと思う。
自分の不注意で迷惑かけてしまったときは、自分を責めて責めて自己嫌悪に陥って。だからなるべく迷惑かけないように、
だれにも怒られないようにと生きていた。
人の目ばかりきにして、びくびくしながら行動するのは嫌だった。
そんなわたしは、次第に人の目に鈍感になっていった。
そうすることで自分を守っていたのだと思う。
ラインの返信も好きな時にしたいからマイペースに返すようになったし、
みんながいいというもののあえて反対を選ぶようになった。
けれどもしだいに、「自分と相手は価値観が違うから、私は私のやりたいようにやる」が度を過ぎてしまったのだ。
ひとが自分のせいで怒っていても
自分が悪いと思えなくなってしまった。
期限が間に合わなくても、相手が困っても、
自分が悪いと思えなくなってしまった。
心のない、無礼で傲慢な人間になってしまった。
でもその代わり、相手の返信がいくら遅くても、
期限が遅れても、
全然イライラしなかった。
あなたの行動にとやかく文句を言うつもりはない。わたしには関係ないって思ったから。
いい意味で言うと、相手の様子をうかがうことがなくなって
相手に関心がなくなったことで生きやすくはなったし、
相手にイライラもしなくなった。
強いこだわりを捨てたから。
けれども、あるとき、自分のやっていることは人を傷つけていると気づいた。
いたたまれない気持ちになった。
傲慢になっていた自分は物事をまっすぐに見ることができなくなっていて、
どんなに批判されても屁理屈で自分を正当化することができるようになってしまった。
このままだと、信頼を失うってわかった。
自分が生きやすい考え方は大切だけど、
社会で生きていく以上、人を大切にしなければならないから。
信頼を取りも出すには時間がとてもかかるから。
何を言われても正当化できるほど、自分に自信をもてているのはいいことだ。
それならば、今度は謙虚になることを学んでみよう。とおもう。