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明日は我が身の『子持ち様』~女性VS女性の仁義なき戦い~

世間をにぎわせている『子持ち様』。
個人的な感覚としては、「何をいまさら?」という違和感を覚えている。


まず、『子持ち様』の定義を、
「子どもを持つ働く社会人」という広義ではなく、
「子どもを持つ働く社会人のうち、
子どもを理由に休業したり、自身の業務をカバーしてもらうことを当たり前と考え、
他者への配慮に欠ける者」という狭義として考えていることを大前提として、
これからの考えを深めていくことを記しておきたい。

『子持ち様』、そして身近な『●●様』

さて、これから『子持ち様』と言われてしまうかもしれない私だが、
30代半ばまで独身で、業務時間・業務量ともに自分次第だと融通が利くサイド。
時短社員や子持ち社員の業務をカバーし続けてきた。

ただ、どうしても時間的自由度が高いし、その自覚はあったから、
カバーするのは当たり前だと思っていた。
それに、カバーする対象は、
・コロナで自宅待機になってしまった先輩社員や、
・出先対応からなぜかなかなか戻ってこない同僚の営業スタッフや、
・来客対応が長引いてしまっているのに自分のスケジュールを共有していない上司  など、
他にもわんさといた。
そう、『子持ち様』=『●●様』って、割と”明日は我が身”の立場なのだよ。

だから時短社員・子持ち社員の業務が降ってきたとしても、大きな問題ではなかった。
いや、大きな問題だったかもしれないけど、
大きなヤマの一部だったから、「これだから子持ちは」なんて考えてこともなかった。

思うとすれば、いつかは子どもを持って働こうと思っていたから、
むしろ積極的に時短・子持ちであることを推してほしかった。
時間的制約や急な休業などが発生することを、
職場内に周知するきっかけにしてもらい、
もっと個々の仕事を見える化し、同じ職場の誰もがその仕事を回せるよう、
業務の効率化を図るよう仕向けたかった。

だから、「子持ち様に仕事を押し付けられている」という感覚はなかったし、
この問題に対しては、【管理・マネジメント側の怠慢・無関心】がそもそもの原因だろうと思っている。

Who is『子持ち様』?

ところで、この子持ち様騒動を聞いて、
子持ち様に対して不満を持ち、文句を言っている人は誰だか、想像してみた時、
どんな人が思い浮かぶのだろうか。
・・・その人は、男性?それとも女性?

・・・なんとなく、その姿に”女性”をイメージする人が多いのではないかと。
なんとなく、子持ち様の仕事を負担することに対して、不満を言っている男性は少ないのではないかと。
仮に、男性が働く子持ち女性に対して、文句を言っているとすれば、
それは、「よく休むよな」までで、その先にある”仕事の肩代わり”についてまでではない気がしてならない。
(もちろん、全ての男性がそうとは言わないけれども)

ただ、この『子持ち様』に対する不満投稿やコメントが炎上したおかげで、
『子持ち様』を取り巻く社会環境について、メディアが連日のように報道してくれ、
《働く子持ち》 と 《その負担を請負う人がいるということ》 について、世間が注目するようになった。
企業側としては、「我が社も何かしらの対策を取らねば」という危機感、
そこまでいかないにしても、うちは大丈夫だろうかと、はたと考える機会を持つことになったはず。
『保育園落ちた、日本死ね』投稿から、
“待機児童の解消”をマニフェストに組み込む政治家が増えた時と同じ流れになっていくのではないかと、
この先の流れを予測中だ。

そういう意味では、『子持ち様』の可能性を秘めた私にとってみれば、
より働きやすい環境が整えられてくる第一歩となったのではないかと、
不満投稿をした方に感謝を伝えたいところ。

さあ、ここで気付いたジェンダーバイアス。
そもそも、『子持ち様』って、男性?女性?
・・・うーーん、やっぱりワーキングマザーだけなんじゃない?
だって、ワーキングファーザーが「今日子どもが熱出して、休みます、すみません」なんて言っているところ、
少なくとも私の周りではほとんど聞いたことはないもの。
コロナ禍に数件聞いたくらいよ。
(濃厚接触者になって自宅待機をせざるを得ないからだけれども。)
自分の妻が寝込んでしまったため、看病のために休むという紳士もいたが、極々少数・・・。

結局詰まるところ、昔から繰り広げられていた”女性VS女性の仁義なき戦い”に、
やっとこさ男性諸君が気付いたにすぎない、ただそれだけのことではないだろうか。

そう、だからこの問題は「何をいまさら」なのだ。

『子持ち様』問題を取り上げるメディアにミスリードしてほしくないこの問題の根幹、
そして、この問題に反応する人々が立ち止まって考えたほうがいいことは、
“肩代わりする側への配慮の必要性”ではなく、
“まだまだ、男女が等しく働ける環境が整っていないこと”ではないんだろうか。

・・・という、育休中ワーママ練習生のつぶやきでした。
いつかこの仁義なき戦いが和解し、
「おひとり様」のように「子持ち様」も、市民権を得る日がくることを
望んでやまない。
うむむ、自分も気を引き締めて臨まなければ!

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