マリと開運と私 2023/10/23 マンションの水漏れ

夜、仕事が終わって帰り、マンションのエレベーターを降りると、下の部屋の人とすれ違った。
「こんばんは〜」
と、挨拶。
「あの人も自分の階を間違えたのかな?」

エレベーターに乗り、間違って違う階のボタンを押してしまい、扉が開くと無意識に降りてしまい、玄関のドアに鍵を差し込んで
「えっ?!開かない!」
と、なってから、ドアや周りの景色を見て
「あら?うちじゃない」
と、思ったことが、3回ある。

「あら?でもあの人、荷物とか持ってなかったな。私に用事だった?」
と、振り向くと、ちょうどあちらも
『あ…』と、エレベーターには乗らずに、こちらを見ていた。

この人の息子さんとうちの娘は1つ違いで、登校班も一緒だったから、私の方は《下の部屋の人》という認識があり、エレベーターで一緒になると無言で彼の部屋がある階を押すけれど、彼の方は毎回
『何階ですか?』と、初めて会う人のように聞いてくる。
せめて
『何階でしたっけ?』と言っとけよ…と思うくらい、毎回『初めまして』という感じ。
だから、私とすれ違っても、用事がある本人だと、すぐに気付かなかったようだ。

「うちに用事でした?」
と聞いてみると、
『はい、居間の天井から水がたれていて…』
とのこと。

「えっ?!うち、何か溢れてるの!?」
と、慌てて鍵を開けて、家の中に入り、洗面所やお風呂場や台所を見たけれど、どこも何ともない。
玄関先で待っていてもらった彼にそう言ったのに、何だか納得していない様子なので、
「見てみます?すごく散らかっていますけど」
と、家の中まで上がってもらい、部屋の中を見せた。

「お恥ずかしいんですけど、今は1人暮らしなので、洗濯も2〜3日に1回だし、ご飯もコンビニのものや、カップラーメンなんかで済ませてしまうことが多くて…台所はほとんど使ってないんです」

と、本当に数日使ってないことがハッキリわかるであろう台所を見せた。

『配管か何かですかねぇ…どうしたらいいんでしょう?』と聞かれたけれど
「知らないよ…そんなこと私に聞かれても」と思った。

とりあえず、家の中が何でも無かったことに、ホッとした。


その日の夜中、ドアのインターホンが何回か鳴らされた。
エントランスではなくて、ドアの方のインターホン。
めったに鳴らないのに。

もうグッスリ眠っていたから、飛び起きた。
時計を見ると、ちょうど23時頃だった。

ドアを開けると、また下の部屋の人が立っていた。
『今度は和室から水が滴り落ちて、寝るにも寝れない』と言う。

それは大変で可哀想だけれど、我が家に問題があるわけではないのにそんなことを言われても困る……
さっき見せたのに、夜中にまたやってくるとは、例え大変でも非常識では?と、思ってしまった。
「もう寝ていましたけど……」
と言うと、帰って行った。

2日後、マンションの管理人さんが、業者を連れてやってきた。
うちをあちこち調べて回り、結局のところは、
私の部屋の台所下の配管が、老朽化で駄目になっているとのこと。
(何 が どう なのかはわからない)
そこを修理する工事の日を決めて行った。

「なるべく水は使わないであげて」
と言われたけれど、生きていて生活している以上、全く使わないわけにはいかない。
《ホテル代を出すからしばらくそこにいて》とかなら喜んでそうするけれど…
それに、私は他の人より水は使わない方だと思うし……

管理人さんはまた数日後にやってきて
もう下の部屋の天井が落ちてしまい、
電気も使えなくなってしまった、と言う。
また、水が、その下の部屋まで行ってしまったという。

そして、
配管工事費や、下の部屋の修理費は、うち持ちになるかもしれない、と、恐ろしげなことを言ってきた。

「給湯器の栓閉めたから。今日はもうお湯は使えません」
と、勝手に閉められた。

お風呂は銭湯でも行き、洗濯はコインランドリーでして来い、と言う。

そのお金は自腹ですよね…?

マンションの老朽化が原因なのに、何とも納得がいかない話だ。
「賃貸じゃなくて、所有しているところだから」
とのこと。

これから、このような問題が起きてくるから、そのときどうするか決めなきゃね、と、管理組合の総会で話しながら、取り決めをせずに来てしまったようだ。

決めた工事日より前に工事をしたいから、留守にしてもいいから鍵を預けて行け、と言う。

その工事で、とりあえず水漏れは収まったようだ。

その後は、その工事費用や下の部屋の修繕費用は、誰が負担するかの話。

これまでも、他の部屋で、老朽化による水漏れはあったが、皆さん火災保険に加入していたため、それぞれの保険を使って直したとのこと。
我が家は、火災保険には入っていなかった……

もう年末も近くなってから、何ということになってしまったのだろう……

管理人さんは、マンションの管理組合で加入している保険を使えるかどうか、保険屋に交渉してみるとは言ってくれたけれど、実際どうなるかが、なかなか決まらなかった。


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