ショーン・"ディディ”・コムズ被告勾留続く 恐怖の拘置所「MDC」とは?【限定ニュース記事】
ニューヨーク南部連邦検事局は16日、ミュージシャンで実業家のショーン・コムズ被告を組織的な性的人身売買などの罪で起訴しました。被告は無罪を主張していて、被告代理人は二度にわたって保釈を求めましたが、裁判所はこれを却下。被告は現在、ニューヨーク、ブルックリンにあるメトロポリタン拘置所に収監されています。
メトロポリタン拘置所は、ニューヨーク市で唯一、連邦政府が管轄する留置施設で、刑事裁判の被告や受刑者らおよそ1200人が収監されています。
ミュージシャンのRケリー、仮想通貨交換所FTXの資金不正運用で有罪とされたサム・バンクマンフリード、小児性犯罪者ジェフリー・エプスタインと共謀したギレイン・マクスウェルなど、著名人が収監されたことでも知られています。一方で、不衛生な環境や医療ケアの不備、施設内の暴力行為、職員による汚職など、様々な問題が指摘されていました。
今年6月には施設内の暴力沙汰で収監中の被告が刃物で刺されて死亡したほか、過去3年間に4人の自殺者が出ているとも報じられています。さらに収監が予定された高齢の被告に対し、安全が確保できないとして、裁判所が異例の保釈を命じたケースも相次ぎました。
管理が行き届かない背景には深刻な人手不足があり、AP 通信によりますと、メトロポリタン拘置所では通常の55%の人員で運営を賄っていると言うことです。
コムズ被告については知名度を考慮して、特別な保護を必要とする別棟に収容されていると報じられていますが、弁護側は裁判までの間、ニューヨーク郊外の連邦拘置所に身柄を移すよう求めています。