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ハンター・バイデンのビジネスパートナーが公聴会で語ったこと

ハンター・バイデンのビジネスパートナー、デボン・アーチャー氏が7月31日、米下院監視委員会の公聴会で証言しました。もちろん内容は、ハンターの外国企業とのビジネスについてと、これに父親のジョー・バイデン大統領が関与していたかどうか、です。

アーチャー氏はハンターと投資マネジメント会社「ローズモンド・セネカ」を設立し、疑惑の的であるウクライナのエネルギー会社「ブリスマ」でも共に取締役を務めたり、中国企業とのビジネスでも共に関わった10年来の仕事仲間です。当然、現地への出張も一緒に行っていますし、仕事中のハンターの様子も熟知しています。

そのアーチャー氏の証言は、ざっくりかいつまむとこうです。

ハンターがビジネスディナーの席でスピーカーホンにして父親のバイデン氏と会話したことが20回以上あった」(中国の投資会社CEOとの会食中だったこともあるようです)
「でもその内容はビジネスに関するものではなく、他愛のない日常会話ばかりだった。電話向こうのバイデン氏が、ハンターの周りに誰がいるのか把握していたかも分からない」
「取引先との会話で、ハンターは自分の父親の『権力』を匂わせる話ぶりをしていた

公聴会を主導した共和党の目的は、ハンターの外国でのビジネスにバイデン氏本人が(特に現役の副大統領時代)直接関与した証拠を掘り出すことですが、アーチャー氏の証言からは、確固たる証拠は出ていないと言えるでしょう。もちろん、バイデン氏が普段から主張する「一切関与していない」という証拠もあるわけではありませんが、こういう場合「疑わしきは罰せず」です。

ただ物は捉えようで、アーチャー氏の証言は聴く側の立場によって面白いくらいに食い違ってます。

監視委員会委員長、ジェームズ・コマー下院議員(共和党)のコメント:

アーチャー氏の証言はジョー・バイデンが“息子のビジネスには関与していない”と言って米国民に嘘をついたと証明する物だ。ジョー・バイデンは、彼の息子がバイデン家の利益のために世界中で売り回った“ブランド”なのだ。(中略)バイデンがなぜ国民に対して嘘をついたのかという疑問が、他にも何か隠しているのではとさらなる疑念を生む。

ジェームズ・コマー委員長の声明より

具体的に証言のどの部分を指して「嘘をついたと証明するもの」と言えるのかちょっとわかりませんが・・・

一方こちらは民主党の委員会メンバー、ダン・ゴールドマン下院議員のコメントです。

アーチャー氏の証言はとてもとても一貫して、ビジネスや取引に関わる会話は一切していないことを物語っている

Wall Street Journal

バイデンとハンターの会話の中身はカジュアルな挨拶や天気の話などで、最近どう?というノリのものだ

politico

同じ証言を聞いているはずなのに、どうしたらこうも解釈が食い違うものなんでしょう。。。

でもどうやら今回は、後者の解釈に軍配が上がりそうな気配です。

politicoや米abcニュースなどによると、共和党の委員会メンバー、アンディー・ビッグス下院議員もゴールドマン議員の主張同様、「アーチャー氏の証言では、バイデンはハンターとビジネスに関する会話をしていないということだった」とコメントしたとのこと。委員長がちょっと空回った解釈をしてしまってますが、今回の公聴会は、バイデンの直接関与の証拠は出なかった、と締め括って良さそうです。

ただ個人的に気になったこと。

思いのほか見解が一致したゴールドマン議員とビッグス議員が2人ともハンターについて「取引先に向けて、父親の権力を匂わせる話ぶりをしていたようだ」と、こちらのコメントでも一致した点です。

ゴールドマン議員曰く

アーチャー氏によると、ハンターは父親と接点が作れるという幻想を売り物にしていた。ハンターには一切関係ないことをネタに信頼を得ようとしていた

politico

要は、ハンターは取引先に対して事あるごとに父親の権力自慢をしていた、と言っているわけです。そこ、あえて触れなくても支障なかったんじゃないかなと思うのですが、わざわざ触れたということは、バイデンは守っても息子は知らんということでしょうか・・・。

確かに究極の話で言えば、息子のハンターが仮に有罪になったとしても、バイデン本人が関わっていた、または違法行為を知ってて見逃していたということが証明されなければ、バイデン自身はセーフです。もしかしていざという時にはトカゲの尻尾切りでハンターを切ればいい、という構えなのだとしたら、案外民主党は民主党で追い詰められているのかもしれません。



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