「決めつけられた一年間をふりかえって」 〜 春編 〜
Oオバサンへ
どうしてあなたは、全く確認もせずに、あんな事を小学校へおっしゃったのですか?
一年経った今でも、あなたに対しての怒りがおさまりません。
同じ地域であり、息子と同級生の娘さんと5年生(当時)の息子さんがいるあなた。
あなたの行為に対して、私は、悪意しか感じられません。
過ぎゆく月日が、私を怒りから開放してくれると信じていましたが、どうも無理なようです。
私達があなたに何か悪いことをしたのでしょうか?
もししていたのであれば、教えていただけませんか?
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Oオバサンが小学校へおっしゃった内容。
それは、私の息子が下校中に同じ登校班の5年生R君の手を噛んでツバを吐いて、みんなに迷惑をかけたという内容だった。
Oオバサンが小学校におっしゃった直後、私と息子は家庭訪問を受けた。
只々、息子の行為を責められた。
息子はまだ幼すぎて、どうしてそのような事をしたのか、理由を言うことができなかった。
私は担任からR君の家に謝罪に行くように言われた。
釈然としなかった…。
それは、入学して間もない新一年生の息子が5年生の男子にむかって自分の意思でするとは到底思えなかったから…。
私は、家庭訪問を受けた日の夜に、5年生R君の家に行き、R君とR君の父親に謝罪をした。
R君のご家族は、何もご存知ではなかった。
数日後、担任から電話があった。
息子を登校班全員の前で謝らせたという内容の電話だった。
この時、なにか得体の知れない恐怖を覚えた。
そう…。
その恐怖とは、時が進むにつれて、得体の知れないものから具体化されたものへと変貌をとげていくのである…。
つづく