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真剣な恋愛が、若干怖いというか恋愛の未知数の大半がネガティブなものであるということを知っている。
普通に考えて男女が相思相愛になんてなることができるのか？
まずどちらかが好いて、それで相手も独特の情のようなものが反応して好きになるという縮図が大半で、そこには妥協が共存する。
俺は、強迫体質もあるのか、妥協があまり好きではない。
一気に好きになり勝手に燃え上がり、大概そういう相手は俺のことを好きにならないというパターンが多かった。
その一憂というか千憂というかで恋愛に疲弊した俺は、従来の姿を考えた。
結局、人間における恋愛などというものは後付けで、本来は子孫を残すための本能からくるセックスのみなのだと思う。そこに後付け後付けで、嫉妬心や独占欲などというものが生まれ、互いを固着させるために恋愛という一種のマジックができたんだと思う。
不覚にも免疫を忘れてしまった俺は、1年ほど想いを寄せた人に久々に会いに行った。もちろん勝算などない、一か八かの行動だ。
当たり前だがこの歳で一緒に飯にも行ったことのない相手に告白などしないし、敗北は理解している。ただ、久々に免疫を忘れその人のことを考えていた自分自身を少し賞賛したかった、というか正確には引き際を見切りをつけたかった。連絡先を渡した。理由がある連絡先の渡し方だったから、これで連絡がなければもう全てリセットで永遠の彼方へ葬り去るという潔さが、この歳の男には求められる。
きっと、きっと久々にとても好きになってしまっていた。
けどなんか清々しい。
そして、それだからといって以前にも書いたような生活には戻れない。
一生独りでいることへの覚悟がまた一つ芽生えた清々しい時だった。
どうせ俺の今の強迫状況じゃ、女性と付き合うなどということは難しい。
これは俺の中のハッピーエンドなのだ。