見出し画像

ショートヘアー

髪を切った。
未練を断ち切る為ではない。

髪を、伸ばしていた。
彼がロングの方が好きだと言っていたからだ。哀れな女である。
しかし、さっぱりと切った。私は元々ショートヘアーが好みだったし、ロングが破滅的に似合わなかった。でも、彼が好きだという理由だけで、ただそれだけで伸ばしていたのだ。なんと哀れな女である。
しかし、髪を切ったのは未練を断ち切る為ではない。

自分の好みを変えてまで、彼の期待に応えようと、理想の女性になろうと、自分らしさを押し曲げていたのだ。そう。自分らしさを殺していたのだ。
自分らしさを殺してまで、一緒に居ることに意味なんて無いと、気が付いたのだ。
そんな簡単なことさえ分からなくなる程、恋は盲目なのだと、実感をした。

久しぶりのショートヘアー。
頭も心もすっきりした。塞ぎ込んでいた気持ちも、切られた髪と一緒に無くなっていった。

今日から少しづつ。自分らしさを。
ひとつひとつ取り戻していこう。


いいなと思ったら応援しよう!