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生命科学研究のためのデジタルツール入門

「デジタルツールって、現代人の読み・書き・そろばん だね」と広島大学の坊農秀雅氏がつぶやいたのは、おととしの分子生物学会のこと。
そばにいた小野浩雅氏(当時DBCLS)も続いて、「今どきの大学生は、スマホやiPadの使い方では超達人。でも、パソコンとなるとそうはいかない人もいますね。実験系でも情報系でも、デジタルツールまちがいなく必須なんですけどね」と。

そんなこんなで、生命科学系研究者としての、デジタルツールのお作法を紹介する本を作ろう、ということになりました。そして、この本が今日出来上がってきたのです。

『生命科学研究のためのデジタルツール入門 第2版』(坊農秀雅・小野浩雅監修)

「第2版」とタイトルにあるように、この本は、2018年に出版した『生命科学 データベース・ウェブツール』の改訂版にあたります。でも、全部作り直しました。図解で示すという方針は共通ですが、全ページ新たに書き下ろし、紹介するアプリも新しくしました。研究室に配属された新人が、その日から重宝するような本を目指しましたが、ベテランにもいろいろおもしろい本になったと思います。

どんなツールがとりあげられている?

紹介しているツールは、Gmail、Slack(X)、Googleドキュメント/スプレッドシート/スライド、PubMed、Paperpile、InMeXes,Allie、difff、Grammarly、DeepL、ChatGPT、統合TV、Togo picture gallery、ImageJ、FaDA、Jalview、UCSC Genome Browserなどなど盛りだくさん。
統合TVなどの動画による説明が公開されている場合には、そのURLとQRコードも示しました。

実験系ラボと情報系ラボの新人教育について、2人の先生にお書きいただいたコラムも面白いです。上で示した以外のいろんなツールも満載。Slackでこんなふうに連絡しあっているのか、情報系のラボノートってこんななのか、ラボの様子も覗けて楽しいです。

サンプルデータは本書のウェブサイトからダウンロードできる

デジタルツールを使ううえでのサンプル文章やサンプル画像は、本書のウェブサイトからダウンロードできます。

このウェブサイトはGitHubなので、初めての人にはちょっと見にくいかもしれませんが、サンプルデータが、章(Chapter)やコラム(COLUMN)ごとに収録されています。

初版のImageJのスタンドアローン版を公開

ところで、今回の本で紹介しているImageJの使い方は、おもにウェブブラウザ版です。スタンドアローン版について知りたいという方のために、初版に掲載されたImageJの使い方のPDFを公開する予定です(2〜3日にうちに)。しばしお待ちください。
このPDFは2018年に作成された原稿にもとづいていますので、表示などが現在のバージョンとちょっと異なる点もあるかもしれませんが、基本的な操作はいっしょです。

本書のウェブサイト(サンプルデータなどのダウンロード)
出版社の本書のウェブサイト

2024/6/25 Yoshiko Fujikawa