デザイナーが気になった本の表紙
こんにちは、メドピアでデザイナーをしているきたさんです。
暑さが落ち着いて、過ごしやすい季節になりましたね。
読書の秋を満喫中のわたしですが、みうらじゅんさんのニュースで、古本を買ったら「犯人書いてあった」というのを見て以来、古本を開くたびにドキドキするようになりました。
読書もいろいろな楽しみ方があると思いますが、わたしは読む以外に書店で装丁を眺めるのも好きでついつい通ってしまいます。
バナーなどのビジュアルデザイン時に行き詰まった際も訪れるようにしていて、表紙や帯のデザインを参考にしています。
単純に読書の幅を広げたい場合以外にも、レイアウトのストックや気づきとして装丁を見るのも楽しいのでおすすめです!
ということでわたしが思わず手を伸ばしたくなった表紙の本をご紹介します。
1.淡いイラストとブルーが印象的
ファミリー・レス
奥田 亜希子(著)
透明感のある淡いトーンの作品で有名な網中さんのイラストが印象な表紙です。
深みのあるブルーがあることで、ふわふわした幻想的な世界観だけでなくてどこか現実を感じさせる表紙だなと思います。
魅力的な装丁に共通して感じるのは各要素の一体感なのですが、書体の種類も単調でないのにまとまりがあって、悪目立ちせず溶け込んでいて「おおお」となります。
それでいてタイトルはしっかり読める。すごい。
2.囲まれて暮らしたい
スローターハウス5
Vonnegut, Kurt(著)伊藤 典夫(訳)
和田さん装画ははどれも魅力的なので、囲まれて暮らしたい、、。
スローターハウス5も書き込みが少ないのに映画の主人公そっくりで驚きます。
書体もイラストも配色も全てにこだわりが感じられるのに押し付けがましくなくて、温かい。
時代を感じさせない普遍的なところもまた手元に置いておきたくなる理由の一つです。
(星新一さんのシリーズも素敵なのですが、著作権の問題で掲載できないので検索してみてください!)
映画も観てみたくなりました。
3.一度見たら忘れないほどの存在感
嫌いなら呼ぶなよ
綿矢 りさ(著)
某キャラクターを彷彿させる水玉と、毒々しさを感じる配色で凄まじいパンチ力です。
どの書店に行っても目に付くので、先日気になりすぎてとうとう購入してしまいました。
(ビレバンの店内でも圧倒的な存在感を放っていました)
タイトルが水玉の下に配置されているのですが、自分だったら単純に背景として扱ってしまいそうだなとか。
そうすると物足りなくなって何か付け足したりしてしまうんだろうな、そうなるとこんなに潔いデザインにはならないんだろうな~とかぐるぐる考えてました。
4.シンプルな違和感
龍一語彙 二〇一一年 ‐ 二〇一七年
坂本 龍一(著)
シンプルで洗練されているのが、坂本龍一さんのイメージにぴったりです。
ただ綺麗でおしゃれな感じというより、なんか違和感あるな、、と思ってつい手に取ってしまいました。
著者名などの位置なども気にはなったのですが、タイトルに明朝体とゴシック体が混ざっているところが違和感の正体でした。シンプルなだけに違和感を感じやすくて、こういう表現もあるのだなと勉強になります。
自分ではできないであろう、著者名・出版社名の配置もこの位置がしっくりきていて不思議。
なんとも奥深いです。
余談ですが、古本屋で購入した本の一部に印が付けられていて、「白檀の香り」というワードが忘れられなくなりました。
どんな香りなのでしょう、、。
みうらじゅんさんのエピソードまでとは言いませんが、こういうのも古本ならではで面白いですよね。
近くに書店がないよーって方は、装丁をまとめているサイトもあるようなので、こちらを覗いてみてはいかがでしょうか。
・Bird Graphics Book Store
書店で見つけた素敵なデザインの本を紹介するブログ
・装幀画廊 もなか屋
魅力的な装幀のギャラリーサイト
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