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文系への偏見を書いてみた

 2024年の夏、Xで、あるツイートが物議を醸した。

 おそらく、ツイート主は理系に対する素朴な感想をツイートしたのだろう。ここでは、このツイートの是非については議論しない。このツイートを取り上げたのは、私が日頃から感じている(一部の)文系への偏見の裏返しだったからである。文章にするなら、以下のようになる。

私が文系の研究に不満があるのは、「他人と違うということに価値観を置きすぎる」からである。それじゃ単なる独りよがりだよねと思ってしまう。

 文系に対する私の別の偏見は「人文学系研究者の頭の中:『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』」のnoteで書いた。

 独創性、つまり、その人でしか得らえない表現・意見・着眼点に価値を見いだす事自体は、私も理解できる。芸術などは、よい例だろう。しかし、文系の研究者は「人によって答えが違う」もの(または「自分にしか出せない答え」)にしか価値や興味を見いだせないのだろうか。私には、文系の研究者は歪なオリジナリティ(独創性)の呪縛に囚われているように見える。

 本来、文系と理系は学問の両輪のはずである。古来、学問とはリベラル・アーツであった。しかし、明治維新以降、日本の理系と文系はたもとを分かってしまった。「絶対的な一つ(同じものが世に2つとない)」を求める文系研究に対して「普遍的な一つ(誰がやっても同じ結果)」を求める理系研究は、原理的に相容れないのかもしれない。

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