コンサルティング先で説明をしているペルソナづくりのポイントなど
「ペルソナ」については、「どう作ればいいんですか?」とか「どういう役割があるんですか?」という話をよく聞きます。そりゃそうですよね、ネットで検索したら色んな人が色んなことを言ってますから。
あと、「ペルソナ」や「バイヤージャーニー」といったものについて実践的に学べる専門機関が見当たらないので、体系化した学びを得ることは難しいかもしれないし。
私自身は、米国で「ペルソナ」と「バイヤージャーニー」に特化した、Buyer Persona Institute の数週間のプログラムを受講したことがあるので、もしかすると他の方々よりかはそれらについて体系的な学びを得られたかもしれません。また、以前は社会学の勉強をしたり、今はマーケティングやサービスデザインを研究していたり教えたり、近接領域の心理学・人類学・教育学も多少学びがあるので(「ペルソナ」はもともと心理学や人類学etcで使われている)、いわゆるコンテンツマーケティングやマーケティングオートメーションがブームになる以前から、その概念について慣れ親しんでいたというのもあります。
そういう背景もあり、「ペルソナ」というキーワードについてはちょくちょく書いていたり、セミナーで話すことも多いのですが、例えば以下のようなことを書いていたりします。
ここ数週間の間でとある複数の客先で「ペルソナ」をどうつくればいいか?について質問があり、その説明をする機会があったので、その中からいくつかを上記に追記する感じでここにメモしておきたいと思います。
Q1)そもそも「ペルソナ」って何?
A1)ビジネスにおいて使用する「ペルソナ」というのは、マーケティングやサービス開発・事業開発を行う際に「ヒアリング」を行う「仮想の相手(お客さん像)」のこと。例えば従来的な4PやSWOTといったフレームワークが「市場」のことを考えるための”羅針盤”や”地図”だとすると、「人」の単位でのそれにあたるのが「ペルソナ」。
Q2)どういった人を「ペルソナ」として作るべきか混乱してます。
A2)作るべき「ペルソナ」は、自分たちが事業やサービス・商品提供の対象とした人の像。なので、”すでにいるお客さん”の像でも、”今後取りに行きたい層のお客さん””の像もどちらもあり(これについては上記の2つのリンクも参考に)
Q3)「ペルソナ」を作るときの留意点はなんですか?
A3)”リアリティ”を持っている像であること(≠自分たちにとっての”理想的な顧客像”ではない)。自分たちがマーケティングや商品開発や顧客対応についての仮想的な「ヒアリング先」にできること。
”リアリティ”を持たせるために、顧客対応している部署(営業やサポート)へのヒアリングや、一度作った後もアンケートやその他のデータ群でより洗練させていく。「ペルソナ」は作ったら終わり、ではありません。
Q4)「ペルソナ」ではどういった項目が描ければいい?
・よくあるのは、年齢、性別、居住地域、家族構成などのデモグラフィックとサイコグラフィックなものの組み合わせ。でもそれだけでなく・・・
・一言でいうとどういう人? 一行プロフィール。
例えば)
・”金銭的にもゆとりがあり、仕事にも自身がある、30後半の共働き女性”、”都市部に生活をしている、中堅メーカーに勤める30代前半の単身世帯の性”、”子育てから解放されて10年経つ、地方都市在住の50代後半の地方大手企業の会社役員”etc
・ライフスタイルについて詳細に描いたほうがいい。
例えば)
・・・どんな仕事をしている人?(仕事内容や関わる人なども)
・・・どんな仕事感を持っている?
・・・家族との関係は?(家族構成だけでなく)
・・・趣味・教養はどんなもの?(単に趣味などを書くだけでなく姿勢も)
・・・買い物は)どんなものを選ぶ傾向がある?
・・・買い物するときにどんなことを気にかける?
・・・オフの過ごし方は?
・・・どんなメディアを利用している?
・・・仕事における普段の情報源は?
・・・興味関心における普段の情報源は?
・・・服装の志向は?
・・・全般的な生活志向は?
・・・などなど、”リアリティのある人物設定”にすること。
今後もあらたな質問があれば追記してまいります。