「商店街は可能性に溢れている」と言える理由をまとめてみた
夕方5時、最寄駅を出て少し歩いた場所にある見慣れたアーケード。それをくぐれば様々な商店や飲食店が立ち並ぶ。八百屋には地元で採れた季節の食材が並び、それを見ながら今日の夕飯を考える。
店先では店主と近所の奥さんが世間話に花を咲かせている。
この文章を読んで、あなたはどう感じたでしょうか。
なかには、「昭和」「一昔前」のことだと感じた人も多いかもしれません。
八百屋と精肉店が別々になっていたり、お店の人とお客さんとの距離が近かったり…昔懐かしく感じる部分があるのではないかと思います。
しかし、私は「商店街は可能性に溢れている」と言える理由が冒頭の4文につまっているのではないかと思います。
そう考える3つの理由を記事にまとめてみました。
(知識不足で主観的な部分もあるかもしれませんが、あくまで一ブログとしてお読みいただけると幸いです…!)
(ライター:ちひろ)
理由① そこにしかない「個性」がある
観光地化する商店街と、画一化する都市
「商店街」をテーマに放送したケロケロ見聞録5月放送。
「商店街のNEOデザイン〜Z世代が求める理想の"まち"とは〜」と題し、福岡県庁の方に商店街の実状についてうかがったり、実際にまちづくりに取り組む大学生にインタビューをしたりと商店街への知見を深めつつ、それを受けて「Z世代目線」で商店街について議論を深めました。
放送内では、「Z世代は商店街をどう捉えているのか?」について話す場面がありました。
めい「Instagramで『#商店街』で調べると、『昭和レトロ』という言葉が一緒に書かれていて。Z世代にとって、商店街は『非日常』を感じる場所なのかなと思った。」
りさ「たしかに。商店街の『身近ではない』というところが、商店街について考える出発点としてあるよね。若者の中には、商店街の魅力を再発見したり、初めて魅力を知るという人がいたりすると思う」
めい「触れてみると魅力を感じられるというか、『興味はあるけどなかなか接点がない』場なのかもしれない!」
確かに、「商店街が身近にある」という若者は比較的少数派で、多くにとっては「非日常」だと言えるかもしれません。
日常にはない目新しさを感じられる商店街は、チェーン店がひしめき合う都会とは違った良さがあります。
これはあくまで私の感覚なのですが、いわゆる「大都市」はどこも同じような街の雰囲気をしていると感じることがあります。
誰もが知っているコーヒーショップ、複数のアパレルブランドが入った商業施設、大手チェーンのスーパーが地下に入った駅ビル、などなど。(勿論これらも大好きではある)
もちろん、その土地に根付いた文化があるなど、それぞれ異なる部分はあるとは思います。
けれどもやはり、良くも悪くも「何だか似ているなあ」と感じてしまうことがあるのです。
だからこそ、逆に商店街のような「個性」ある場所をより魅力的に感じるのかもしれません。
また、今回の放送のために福岡県糸島市の前原地区にある商店街に足を運んだめいとりさ。2人はそこで、これまで見たことのない魚が売られているのを目にしたそう。
これを受けてめいは放送内で、「スーパーと違って、売られているものが固定ではないのが新鮮でいいなと感じた」と話しています。
商店街の八百屋や魚屋には、その季節ごとの旬の食材が並んでいることが多いですよね。
このことも、商店街のもつ立派な「個性」であると思います。
そして、その個性は、何でもそろったスーパーマーケットに慣れた現代の私たちにとって、「新鮮で面白い」と感じる部分であると言えます。
これは、商店街に人を呼び込むためのフック、すなわち可能性であると言えるのではないでしょうか。
理由② 地理的・空間的問題をクリアしている
商店街は駅に近いことが多い
商店街は駅に近い場所にあることが多いと思います。
例えば、福岡の西新商店街、リトルアジア、前原の商店街も駅にほど近い場所にあります。
駅に近いということは、それだけ人を呼び込みやすいということ。
イベントの企画者や、店の経営者が「お客さんに来てほしい!」と思ったときに、アクセスの悪さが障壁とならないことは非常に重要です。
商店街は、この点をクリアしている場合が多いのではないでしょうか。
他にはない空間作りができる
地理的な条件に加えて、空間的な観点からも商店街は優れていると感じます。
店舗のなかで空間的な統一性を持たせるなど、何か一つの空間コンセプトを創り出すことは人を呼び込む上で重要だと思います。
若い女性が訪れるお洒落なカフェをはじめとして、ディズニーリゾートのようなテーマパークや、昨今若者を中心に人気の喫茶店なども、「空間コンセプト」を売りにしているでしょう。そして、実際そのことが集客につながっていると感じます。
このように、空間にコンセプトをもたせる場合に、カフェや喫茶店といった一つの店舗内で完結させるにとどまらず、複数の店舗を巻き込んでコンセプトを実現できることが商店街の強みかつ、可能性であると私は思います。
より広い空間で一つのコンセプトを共有することで、訪れる人に非日常を体験してもらいやすくなるでしょう。
例えば、福岡の吉塚市場リトルアジアマーケット(吉塚商店街)はこのことを体現する事例だと思います。
地理的・空間的観点において優れていると言える商店街は、「可能性がある」と言えると思います。
理由③ 人と人とのつながりがある
お店の人とお客さんの距離の近さ
商店街では、お店の人とお客さんがとてもフランクに話している様子を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
商品のことから他愛もない話まで話せる、くだけた関係性がそこにあると感じます。
商店街活性化のために、複数人で物事に取り組むときには、「人と人とのつながり」、すなわち人々が協働することが必要不可欠です。
しかしながら、この人と人とのつながりは、一朝一夕で生まれるものではありません。
日々のちょっとしたコミュニケーションの積み重ねが、盤石な人と人とのつながりを生むのではないでしょうか。
理由②にも通ずることですが、活性化のための「基盤」を考えたとき、商店街は既にこれを備えていると言えそうです。
このことは「商店街には可能性がある」と言える理由の一つではないでしょうか。
商店街は世代間交流の場になりうる?
また、商店街は「人と人とのつながり」が基盤にあることから、「世代間交流」をしやすいと考えます。
「人と人とのつながり」が希薄な場所では、一からそれを生み出そうとするとハードルが高い。しかし、商店街にはそれが元々備わっている。
であれば、あとはそこに若者が入っていけばいいだけではないでしょうか。
シニアも中高年世代も若者も、普段同じような年齢の人に囲まれて過ごしていると、ものの見方や考え方が偏りがちです。
そんなとき、自分とは異なるバックグラウンドを持つ人と話すことは、とてもいい刺激になるはずです。
若者にとっては、「人生の先輩」からいろいろなことを学ぶきっかけにもなるでしょう。
新たなインパクトを起こすきっかけは、いつも「異」との出会い。そういった場所を提供してくれるという意味でも、商店街は非常に可能性にあふれていると言えます。
まとめ
今回のケロケロ見聞録放送後記事では、放送内で出た「商店街の可能性」という観点から、それを立証する3つの理由をあげてみました。
主観的で知識不足な部分もあったかもしれませんが、確実に言えるのは「商店街をこのまま放っておくにはあまりにも勿体ない」ということ。
では、実際に商店街を活性化していくにはどうすれば良いのか。そのきっかけとして若者を商店街に呼び込むにはどうすれば良いのか。
ケロケロ見聞録5月放送では、そんな具体的な部分まで掘り下げて話しています。
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