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【九大生の自由研究】九大の真の最寄り駅は学研都市?周船寺?


1.研究の動機

 私は九州大学の2年生、medien-lienというメディアクリエイティブチームに属す、こーすけというものだ。九州大学とは皆様もある程度ご存じの通り福岡県福岡市に3つのキャンパスを有する総合大学であり、中でも最も新しい伊都キャンパスは全国有数の広さを誇る。
 が、立地が悪い。余りにも悪い。中心街・天神まではどんなに頑張っても1時間はかかる。さらに言えばキャンパスから最寄り駅であるJR九大学研都市駅まではバスで15分、直線距離にして5km超という驚愕の遠さである。福岡の都会度が高い故の事象とはいえ苦しいものがある。
 そんな最中、私はTwitter(現X)でまことしやかに囁かれる噂を入手した。


 「九大センターゾーンからだと学研都市駅より周船寺駅が近い」


九州大学の位置関係。学研都市駅が最寄り駅のように記載されている。


周船寺駅とは学研都市駅から唐津方面へ一駅の場所にある。つまり天神からさらに遠い駅だ。そんなはずはないだろう。しかし、これが事実なのであれば九大生の駅利用率が大幅に変わるどころか、九大周辺の都市開発計画を根本から揺るがす大きな事態に発展する可能性が万が一にもあるかもしれない、多分。こうした知的好奇心のもと今回の研究を行う。

2.研究の手法

今回調査するのは、いわゆる「~駅まで徒歩○分」というものである。つまり、九大ー駅間を実際に歩き、その経過時間を調査する。
ここで不確定要素が3つ生じる。
1つ目は時間帯の問題である。信号のタイミングなどが異なれば所要時間も変わる。今回は2022年9月20,21の休日午後6時スタートに固定し、同一性を担保するものとする。
2つ目は歩幅の問題である。歩幅がころころ変わればこれも信用に値するデータとは言えない。そこでまず歩行者の資質を確認する。私は中高と陸上部に所属しており、一定の歩幅で歩行することに関しては常人よりも長けているという自信がある。ただこれだけでは信頼度が低いため、点字ブロックを目安に、点字ブロック一つ分を歩幅として歩くことにする。もちろん上ではなくその横を歩き妨害行為に当たらない配慮を行う。
3つ目はペースの問題である。いくら歩幅を合わせたとしても、早歩きをしては何の意味もない。そこで、スマートフォンにて水前寺清子さんの名曲、365歩のマーチをループ再生することにした。おそらく皆さんご存じのこの曲は名前の通りマーチであり、ペースを合わせるのには最適な楽曲である。

今回はその他にも、同じ重さのリュック、同じ靴を使用し試行を行う。
実際に歩いての検証となるため疲労も一つの不確定要素だが、若さで乗り切るものとする。

3.検証の結果

DAY1 9/20 18:00(九大センターゾーン→九大学研都市駅)

検証初日、天候は薄曇り。
スタート地点は九大センターゾーンの石碑正面、色が一つだけ変わった点字ブロックの横からとする。

写真右下にある色の変わった点字ブロックがスタート地点。

いよいよスタートした。普通に気が遠い。ここからは撮った写真と共に道中をダイジェストで紹介する。

1.5km進んだ先にあるのが九大に一番近い麓の学生街、九大新町の交差点。このあたりで365歩のマーチが2周している。ここから先、民家が一気に少なくなるので、私はここを結界と呼んでいる。

運命の分かれ道。

太郎丸交差点。ここが今回辿る最速ルートの分岐点だ。今日はここを直進する。

横にはバス。乗せていってほしい。

中間地点、中華料理屋、シャンシャン付近に到着。だんだんと365歩のマーチでノイローゼになりかけてきた。

ふらふらしながら歩いていくと、遠くに灯りが…!駅だ!駅があるぞ!

そしてついに到着。この文字で泣きそうになるとは。

DAY2 9/21 18:00(九大センターゾーン→周船寺駅)


検証2日目、天候は曇りで昨日よりやや蒸し暑い?

今日もこの場所からスタート。ではダイジェストでご覧いただこう。

一日ぶりの太郎丸交差点。今日はここを右折する。

道中にはのどかな景色が広がる。この周辺には保育園もある。
ぬこに遭遇。お前もくるかい?

気づけば周船寺北の交差点に到着。ここでかなり長い時間赤信号を待った。帰宅ラッシュということもあり、202号線から来る交通量も多い時間帯だ。

というわけでゴール。謎の達成感を友人にLINEして私は夜ご飯を求めて周船寺の街へ….

さて、大事なのは記録である。一体どちらの駅の方が早く着くのだろうか。

2日目、17:59出発となっているのはバグのため、若干2日目ルートが早い。

 画像参照だと、学研都市ルートが5.4kmで50分超、大して周船寺ルートが49分程度。….僅差ではあるものの、周船寺駅ルートの方が早いという結果となった。驚きを隠せない。今まで天神に行くために頑張って漕いでいたあの自転車道は無駄だったというのだろうか…!

3.考察

では一体なぜこうした差が生まれたのだろうか。
前提として、九大学研都市と周船寺へのそれぞれの道の距離の差が存在する。そう、検証するまでもなく、距離からして周船寺の方が近かったのだ。
しかし歩いてみて分かったこともある。周船寺はかなり昔からバス通りが確定されていて、沿道に店や民家が多く立ち並んでいた。こうした状況から、九大向けの開発を行うことは難しかったことが推察される。

周船寺駅前の交差点。2車線道路である上に、築年数の古い建物が多い。

また、信号機の数は周船寺方面の方が少なかったものの、2つほど待ち時間の長い信号機が存在し、大きなタイムロスにつながった。住宅密集地に通る幹線道路に阻まれて大きな差がつかなかったのだろう。

4.結果

結果、九大学研都市駅よりも周船寺駅の方がより最寄りといえるが、距離の差ほどには所要時間は変わらないことが分かった。Google Mapだけが、twitterだけが全てではない。ぜひ記事を読んでいるあなたも自分の足で何かを確かめる挑戦に挑んでみてほしい。季節はまもなく、運動の秋である。



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