ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#23
この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
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※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。
今週の個人的注目トピックは
弘前大学、岩木健診のデータを活用した共同研究を活発に実施。COIではNEC・シスメックス他多くの企業との共同研究講座を設置。
NTTデータ、匿名加工した医用画像データの提供開始。
厚労省、医療機器の臨床研究に関する相談窓口を設置((公)医療機器センターが運営)。
中小企業・ベンチャー・スタートアップでの医療機器の特許戦略はどうあるべきか?材料・創薬との違いから。
です。
・医療AI
脂肪肝の病理画像から発がんリスクを予測するAIモデル | MIT Technology Review (2024.06.02)
志望生還疾患患者の肝生検標本画像から作成した深層学習モデル。
また説明可能AI技術で分析した結果、高リスク例でどの部分の特徴を認識しているかという暗黙知を明らかに。
東大のプレスリリースは
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2024/05/23/release_20240523_1.pdf
論文は
Deep learning and digital pathology powers prediction of HCC development in steatotic liver disease
https://journals.lww.com/hep/abstract/9900/deep_learning_and_digital_pathology_powers.884.aspx
AI技術を活用した内視鏡診断支援機能「CAD EYE(キャド アイ)」が診療報酬の加算対象に 大腸ポリープや粘膜の切除の際に加算 | 富士フイルム (2024.06.04)
早期胃がん検出サポート・病院の経営改善貢献…医療で広がるAI活用 | ニュースイッチ (2024.06.03)
AIMのgastroAI™ model-G、GEヘルスケアジャパンのコマンドセンターの紹介。
15秒でカルテ作成、「ヘルスケアGPT」開発 陽明交通大学(台湾) | SciencePortal Asia Pacific (2024.06.06)
・手術支援ロボット
競争激化!!手術支援ロボット開発 米Intuitive社「ダビンチ」独占も技術特許切れ(スポニチアネックス) Yahooニュース (2024.06.03)
The University of Texas MD Anderson Cancer Centerの小西毅先生インタビュー。
個人的注目はナビゲーション(ICG・MRI/CTとAI)の進化。
あとはSPの登場でSILSやNOTESの進化が進むかどうか。
“こんな場所も手が届く”手術ロボットなどで活用を目指す椿本の極小チェーン:FOOMA JAPAN 2024 - MONOist (2024.06.07)
「手術支援ロボットのハンド部分での活用」についてはプレ給油と洗浄性・滅菌性の部分がクリアできれば。食品系で出してるからある程度は期待できそう。強度と滑らかで正確な動きはすごい魅力。
どうやって手に入れる?人生100年時代に耐える”カラダ”ロボットの支援で進化する精密手術|静岡新聞アットエス (2024.06.08)
整形外科・人工膝関節手術のロボット手術。
StrykerのMakoの紹介。
・SaMD・DTx
2024年4月、慈恵医大が産学連携講座「がんサバイバーシップ・デジタル医療学講座」を新設 ~6月2日に講座開設後初の共同研究成果を米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表~ (2024.06.06)
サスメドも参加の連携講座。
・医療DX
順天堂大学と富士通Japan、デジタル技術の活用によるレジリエントな災害医療体制の構築に向けた共同研究講座を開始 | 富士通Japan (2024.06.03)
(1) 災害医療に必要な情報のリアルタイムな収集・共有の効率化検討
(2) 被災地における医療資源の可視化、適切な配置調整
(3) 病院内の各情報を自治体や国、地域の医療機関へ適切に情報提供できる仕組みの検討
の研究に取り組む「医療デジタルレジリエンス研究講座」。
日本の病院経営、欧州勢が効率化 医療ビッグデータ活用:日本経済新聞 (2024.06.06)
ゲティンゲのTorin、フィリップスのeICU。
ゲティンゲはデジタル手術台Maquet Corinも販売開始(6/4)。
未来の医療を見据えた手術台「Maquet Corin」の販売を開始 | ゲティンゲグループ・ジャパン (2024.06.04)
メモリ機能によるワークフロー効率化、オンライン接続に衝突検知機能・過負荷検知機能・転倒防止機能などの予防安全機能もついた「初めてのコネクテッド手術台」。
デジタルバイオマーカー開発のテックドクター、国際的なデジタル医療組織(DiMe)のプロジェクトに日本のスタートアップ企業として初めて参加 (2024.06.07)
プロジェクトテーマは"Building the Business Case for Digital Endpoints"
インテック、東京大学医学部附属病院のデジタルパソロジー導入を支援 ~病理ガラス標本の全デジタル化で研究・教育分野の質向上と病理医の業務効率化を実現~ (2024.06.07)
病理データの全デジタル化で病理医の負荷軽減・蓄積されたデータの活用・標本の品質維持を実現。
・医療VR/XR
医療VRのジョリーグッド、健康・医療AIのExaMDと業務提携 AI×ゲームによる新ヘルスケアサービスを共同開発 (2024.06.03)
ジョリーグッド × ExaMDによるコンシューマー向けヘルスケアプラットフォーム「バーチャルファミリー」。
医療機器ソフトウェア開発を行うHoloeyes「イメージングアシストサービス」を開始 (2024.06.04)
データは現代の油田or原油。
貴重な資源だが、精製して初めて使える。
・ニューロ・リハビリテーション
【九州初】手指のマヒ残る患者の助けに 鹿児島市の病院に最新リハビリ機器 通称「医療用BMI」 | 鹿児島読売テレビ (2024.06.06)
慶應義塾大学発ベンチャーLIFESCAPESの「医療用MBI(手指タイプ)」が九州初導入。来週から患者への使用開始。
・大学・研究
東北大、針なし注射の新技術を開発 注入量倍増と小型化を実現 | MIT Technology Review (2024.05.31)
負電荷を帯びたPAMPSを析出させたマイクロニードルと、正電荷を帯びたPAPTACを析出させたマイクロニードルの2種類をそれぞれ陽極と陰極に搭載し両極から薬液を細胞に注入できる注射器を作成。
東北大のプレスリリースは
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20240524_03web_ion.pdf
論文は
Bilaterally Aligned Electroosmotic Flow Generated by Porous Microneedle Device for Dual-Mode Delivery
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adhm.202401181
高齢者の転倒も呼吸も分かるWi-Fiセンシング、10年越しの実用化への道 | MIT Technology Review (2024.06.07)
こんな技術もあるのか…
レーダーチップを使わないどこにでもあるWiFi電波を使ったモニタリングは記事内にあるようなプライバシーの問題が怖くもある…
医療機器の臨床研究に関する相談窓口 | 厚生労働省/(公)医療機器センター (2024.06.06)
医療機器の臨床研究を検討されているアカデミアやベンチャー企業などを対象。臨床研究法への該当性・手続き・実施体制、医療機器該当性などに対応。
アルツハイマー治療薬、血液脳関門を突破するイノベーション | MIT Technology Review (2024.06.05)
集束超音波、ブレインシャトルに抗体、ウイルスベクター、ナノ粒子など、BBBを超えて薬剤を到達させる様々な研究。
脳を防護する役割を遮断する試みでもあり、集束超音波のような時空間的に制限された開放以外の方法では副作用もあるんじゃないかと心配になる。
日本初、次世代医療基盤法に基づく医用画像データの提供開始 ~医師の診断をサポートするプログラム医療機器等の研究開発を支援~ | NTTデータ (2024.06.07)
仮名加工への対応も(将来的に)含まれる? 医用画像でのユースケース(研究)では必要ないのかな。
AIで疾病リスク推定へ/弘大とNEC新講座 | 陸奥新報 (2024.06.08)
「ヘルスケアAIシステム学講座」を開設。
弘前大のプレスリリースは
岩木健診で思い出したが、弘前大はシスメックスとも岩木健診でのデータを活用する共同研究講座を設立している。
弘大とシスメックスが健康講座 認知症など主眼 (2024.01.25)
これだけではなく弘前大学COIではかなりの数の共同研究講座を設置。
・スタートアップ・起業
「学生ベンチャー」が1200社近くまで増加 東大生「学生にとって『起業』は当然の選択肢」 | AERAdot. (2024.06.02)
どんな大企業・老舗だって必ず誰かが起業創業したもの。小粒という批判の声もあるが量質転化までこの勢いが続くことを祈る。
起業するのに年齢は関係ないけど残り時間が多くある人の方が投資はうまくいく。
岩手から発信する医療ベンチャー集団がファンドを組成して第2ステージへ | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.06.03)
東北ライフサイエンス機器クラスター(TOLIC)設立10年。
世界初、歯周病治療機器が医療機器承認を取得 | Luke株式会社 (2024.06.03)
東北大学発ベンチャーLuke社。
口腔ケア行動変容アプリ「ペリミル」もリリース。こちらは現在のところ非医療機器の行動記録・コミュニケーションヘルスケアアプリと見られる。
論文は
Adjunctive antimicrobial chemotherapy based on hydrogen peroxide photolysis for non-surgical treatment of moderate to severe periodontitis: a randomized controlled trial
「誰に何を聞くか」しだいで人生は大きく変わる | 東洋経済オンライン (2024.06.05)
AIメディカルサービス多田智裕CEOが先日上梓された著書より。
開業するにあたって誰に相談するか、で得た知見について。
起業家として成功するために大切な3つのポイント|BUSINESS INSIDER (2024.06.07)
好きなことを小さく始めること・やり遂げる気持ちを持つこと・人を頼ること。
パワード義足「Bio Leg®」が米国において医療保険適用承認を取得 | BionicM (2024.06.06)
すごい。
・企業・マーケット
富士フイルム、X線用フィルム時代から続くメディカル事業をITとAI技術でコト化を図る - DIGITAL X(デジタルクロス) (2024.06.07)
ロート製薬<4527>、オーストリア医薬品・医療機器メーカーのモノケムファームを子会社化 | M&A Online (2024.06.06)
個人的にグローバルに活動が活発な印象のロート製薬。
Mono Chemは点眼薬等の無菌/非滅菌製品と容器のメーカーの様。
・技術経営
特許でMoatは作れるか? | 廣田 翔平・Universe編集部 (2024.06.04)
医療機器の特許戦略で、材料・創薬と違って弱いんだから一個の特許にこだわっても何も守れない(ので時には特許無視してスピードを重視せよ)、という話は自分も良くするのですが、じゃあ機器はどうやって特許戦略を考えたらよいか、というところが明確に説明されている記事です。
はすごくよく分かる。
・イベント
子どもたちが医療現場の機器に触れることができる催し 福島市 | NHK 福島 NEWS WEB (2024.06.03)
同様のイベントは夏休みに各地で開催されますのでご感心のある方は探してみましょう。〆切は近いと思います。
都市課題解決に向けたアジア最大規模のスタートアップイベント「SusHi Tech Tokyo 2024 Global Startup Program」レポート | M&A Online (2024.06.03)
先週初めて行ったTokyo Innovation Base、JR高架と首都高と交通会館や有楽町ビックカメラに囲まれた昭和の東京感あふれる場所でなかなか不思議な感じだった。未来感はあまりない。こういうのにフィットする場所ってどこだろうか。
MEDISOセミナーシリーズ~医療系ベンチャーの壁を超える~ vol.10.規制編:AI医療機器開発における法規制 | LinkJ (2024.06.04)
6月17日(月) 17:00-18:15 オンライン開催。
第40回日本医工ものづくりコモンズシンポジウム「アカデミアからの医工連携」2024/6/26 (2024.06.04)
小泉憲裕先生ご登壇。医デジ化・超音波診断治療ロボット等かな?
HVC KYOTO 2024 海外市場へ挑む採択スタートアップ25社発表 日本最大級のヘルスケア特化型ピッチ 参加者募集|7月9日開催 | 京都リサーチパーク(KRP) (2024.06.07)
JETRO・KRP・京都府・京都市によるヘルスケア領域の国境を越えたビジネス展開を支援するイノベーションプラットフォーム「HVC KYOTO 2024」のDemo Dayを開催。
スパクロが入ってますね。
AIRS Inc.は同門の後輩が起業した会社。