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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#46
この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。
今週の個人的注目トピックは
今週はロボット・DX多め。ファーウェイやamazon などプラットフォーマーと大学病院の連携。
シーメンスが医療機器サブスク開始。21億円/14年で機器導入支援・アフターサービスのフルパッケージ?
外保連による2024年度診療報酬改定の検証結果報告。ロボット支援手術の新規・改定は半分以下の採用。増点は0。また依然赤字手術の改善は見られず(人件費が診療報酬点数を超える手術は9割超、償還不可材料費が診療報酬点数を超える手術は横ばいの13%台)。
です。
・医療AI
外科医すら見落とす脳腫瘍を10秒で判別。AIモデル「FastGlioma」をミシガン大学らが開発 | Gadget Gate (2024.11.15)
確かに正確だし早いだろうけど検体の病理画像評価とMRIナビや5-ALAでの腫瘍検出を比較するのは違うような…補完し合うモダリティだと思うけど…
論文は
Foundation models for fast, label-free detection of glioma infiltration
・手術支援ロボット
MicroPort surgical robot completes first telesurgery procedures in Africa|THE ROBOT REPORT (2024.10.29)
MicroPort(微创机器人)のToumaiシステムでの遠隔前立腺提出術 in アンゴラ。サハラ以南では初めての遠隔手術とのこと。
MicroPortのリリース
Kansas hospital begins robotic heart program with Stereotaxis surgical robot | THE ROBOT REPORT (2024.11.11)
Stereotaxis社の磁気ビゲーションロボットGenesisによる心臓カテーテルアブレーション治療のFirst-in-Humanに成功。動画あり。
Korea University Medicine shares single-port robotic thymectomy comparative results | THE ROBOT REPORT (2024.11.10)
Robotic SPSとVATSの周術期成績の比較・分析。
マルチポートへのコンバージョンは0で胸腔チューブ留置期間および入院期間は短縮と好成績。
論文は
Subxiphoid Single-Port Robotic Thymectomy Using the Single-Port Robotic System versus VATS: A Multi-Institutional, Retrospective, and Propensity Score-Matched Study
Robot that watched surgery videos performs with skill of human doctor|Johns Hopkins University (2024.11.11)
手術ビデオのビッグデータとImitation Learningによって労せずに自動手術が可能となる?
「Added Krieger: "The model is so good learning things we haven't taught it. Like if it drops the needle, it will automatically pick it up and continue. This isn't something I taught it do."」
直腸癌に対するロボット手術と腹腔鏡手術後の男性性機能障害発生率を調査する多施設共同前向き観察研究|横浜市立大学 (2024.11.15)
「ロボット手術が射精機能および性交機能に対して有益であることが明らかになったのは世界初の成果」
論文は
Prospective Multicenter Comprehensive Survey on Male Sexual Dysfunction following Laparoscopic, Robotic, and Transanal Approaches for Rectal Cancer (the LANDMARC Study)
・医療DX
聖マリアンナ医科大学が先進的な医療環境と研究環境の充実を目指しTriNetXネットワークに加入|TriNetX (2024.11.11)
「世界210以上の病院グループが参加する大規模医療データのグローバルネットワークTriNetXに参加」
「HIPAA(米国)、GDPR(欧州)、LGPD(ブラジル)、そして個人情報保護法(日本)に準拠したセルフサービスのEHRデータセット連携プラットフォームとコンサルティングパートナーシップを通じて、TriNetXはプロトコールデザインの改善、試験運用の合理化、安全性シグナルの精緻化、実臨床でのエビデンス作成の充実をグローバルコミュニティに提供しています。」
【国内初】医師・看護師の文章作成業務を生成AIが支援するオンプレミスLLM搭載サービス「OPTiM AI ホスピタル」販売開始 |オプティム (2024.11.07)
「販売開始時には、「退院時看護サマリー」および「医師サマリー(診療情報提供書)」の作成支援に対応」
実証実験(2024年4月~10月@織田病院)では退院時看護サマリー作成にかかる時間が54.2%削減。
自治医科大学とDeepEyeVision、LMM(大規模マルチモーダルモデル)による眼底読影所見の自動生成機能を構築 (2024.11.12)
「複数の種類の情報を処理出来るLMMの特性を生かし、眼底画像のほか、電子カルテに記載された受診者の年齢や性別、既往歴等の問診情報などを同時に取り込み、適切な検査所見案をテキストとして出力し、それを参考にして、読影を担う眼科専門医が所見を作成するワークフローを構築」
「読影にかかる時間が、従来に比べて70%~90%近く削減」
サン・パウ病院とファーウェイの提携でヘルスケアのデジタル・トランスフォーメーションを加速-PR Newswire APAC (2024.11.13)
スペインでファーウェイによる病院DXサービス導入支援。
「ファーウェイは2020年以降、最先端のストレージ・システムを提供するサン・パウの重要な戦略的パートナーです。ファーウェイは、サン・パウにオールフラッシュ・ストレージ・ソリューションを提供し、医療スタッフが必要なときに患者データにほぼ瞬時にアクセスできるようにしました。」
AWS と国立大学法人浜松医科大学、スマートヘルスケアの実現に向け連携 (2024.11.15)
「浜松医科大学が AWS のクラウド技術を活用することで、安全性の高い医療データ管理基盤の構築や医療機関間のデータ共有、連携の効率化を実現し、限られた医療資源を最適化することができるよう AWS ジャパンは支援します」
「本連携により、AWS ジャパンと浜松医科大学が市民・県民向けに医療サービスのデジタル化を推進します」
「本連携の第 1 ステップとして、浜松医科大学は 2024 年 4 月施行の医療従事者の働き方改革に対応するため、医療現場における生成 AI 活用プロジェクトを実施します」
AIによるスポットバイトの完全自動マッチングシステムをリリース|株式会社オンコール (2024.11.12)
こんなところにもAI活用。
「医療従事者と医療機関をつなぐマッチングのすべての工程をAIが担う」
「AIによる完全自動化により、勤務者のスキル、過去の評価、勤務希望時間、地域などの多様な要素をリアルタイムで解析し、最適なマッチングを瞬時に行います」
・医療VR・XR
看護教育の全実習科目を網羅した「臨地実習VRパッケージ」発表! |株式会社ジョリーグッド (2024.11.14)
看護師養成機関の学生が臨地実習で必要な看護技術の全てをVRで体験学習できる「看護臨地実習VRパッケージ」。
・看護教育向けVRコンテンツ100本とその実習授業をサポートする「進行ガイド」のパッケージ
・基本的な手順を学ぶ「タスクベース実習」・実際にそれを行う場面や多様な患者さんの視点など体験する「シチュエーションベース実習」を VRでリアルに体験可能
・ウェアラブル
バイタル情報を無線でリアルタイム送信できる柔軟なセンサーパッチを開発:医療機器ニュース - MONOist (2024.11.13)
ここでエッジAI活用は興味深い。
クラウドに接続しなくても常時解析結果が閲覧できる。
「心電図、呼吸、皮膚の温湿度を常時連続計測できる、ばんそうこうのように柔らかい無線型のフレキシブルマルチモーダルセンサーパッチを開発」
「エッジAI(人工知能)型のセンサーパッチとなっており、インターネットへの接続なしで解析結果を常時表示」
北大のプレスリリースは
論文は
Real-time personal healthcare data analysis using edge computing for multimodal wearable sensors
https://www.cell.com/device/fulltext/S2666-9986(24)00543-X
血圧を「手首」で測ればこんなに変わる スイス発スタートアップのAktiia|TECHBLITZ (2024.09.24)
日本では先日大正製薬×Arblet×マクニカのAlysis-001が承認されたとのニュースがあったが海外はどういう状況だろうか。
・フェムテック
欧州フェムテックが過去最高の資金調達額|木村 恵 - フェムテックや健康経営の社会情勢やビジネスモデル|NewsPicks (2024.11.17)
2024年に欧州で大型資金調達を実施したフェムテックスタートアップを紹介。基礎体温ベースの避妊アプリと月経管理アプリ。
・ものづくり
魔改造の夜 第13回「恐竜ちゃん 缶蹴り」|NHK (2024.11.14)
5ヶ月ぶりの新作は11月28日(木)19:30から。
Hルトップ・Tレ・S津製作所が登場。
・大学・学術研究
名大、MRIやCT内で悪影響なく利用できる「球状歯車型空圧モータ-」を開発 | TECH+(テックプラス) (2024.11.11)
参加できなかった9日のJSCAS一般発表。
空気圧駆動の樹脂製3軸アクチュエータ。過去に見たことある技術(空気圧ラチェット駆動と球状歯車)を組み合わせた面白いアクチュエータ。
MRI下は超音波モータでも良さそうだけど何か他に使い道ありそうかな。
【採択情報】令和6年度 「革新的医療技術研究開発推進事業(産学官共同型)」(四次公募)の採択課題が決定しました|AMED (2024.11.12)
アカデミアタイプ・スタートアップタイプ7件。
スタートアップタイプに村垣先生の「AI Robotic Surgeryを実現するDX Platformの開発」
若手に研究専念の時間確保…筑波大学が新設、高等研究院の中身 | ニュースイッチ (2024.11.12)
国研と大学との違いは学生の有無。
次の若手研究者を産むエコシステム維持のためにも学生(研究者)教育のエフォートだけは必ず残してほしい。
優秀な若手であるほど学生への刺激は貴重。
産総研:「吊るさない点滴」が医療機器に (2024.11.13)
市販の加圧バッグ(こういう血圧計のカフみたいなの https://www.mcmed.co.jp/cms/product/42301/)との違いは無電源での吐出流量の制御性?市販のは「吊るさない」まではいかないのかな。
第33回日本コンピュータ外科学会大会で若手研究者を表彰するCAS Young Investigator Awardを発表|innavinet (2024.11.12)
猪俣博さんの寄付によりYIA(旧日立メディコ賞)が維持されることに。(私は第4回(2006年度)にいただきました)
【岡山大学】岡山大学病院新医療研究開発センターと東北大学臨床研究推進センターが医療系シーズ支援に関する連携会議を開催しました (2024.11.17)
「医療系シーズ相互支援ならびに橋渡し研究・臨床研究に係る人材交流を図る目的で、第1回連携会議を開催」
「両拠点の経験・ノウハウ・人材・システム等を活用し、医療機器・体外診断・医薬品・再生医療シーズの開発支援全般について相互支援を行うこと、また、各拠点における橋渡し研究・臨床研究に従事する者の相互交流やOn the job training(OJT)等で実務経験の機会を提供するという目的を共有」
・スタートアップ・起業
AMIとディーブイエックス株式会社が販売パートナー契約を締結 (2024.11.11)
超聴診器のAMI × 循環器系に強みを持つ販売会社のDVx社。
未来を変える命の技術 チェンマイ全公立病院で導入、医療格差に挑む|THAIBIZ (2024.11.11)
モバイル分娩監視装置iCTGのメロディ・インターナショナル。JICA事業を通じてタイ北部の病院にてiCTGを活用。
サスメド---1Q売上微減、DTxプラットフォーム事業の収益は安定的に推移 | おすすめ銘柄 | 企業情報FISCO (2024.11.11)
マネタイズまでの時間がかかるDTxプロダクトの開発を支えるDTxプラットフォーム事業。
「汎用臨床試験システムの提供に関しては、アキュリスファーマとの間で締結した、治験実施に関する契約に基づき、企業治験としては世界初となるブロックチェーン技術を活用した治験を実施している。その他、SUSMED SourceDataSync(R)を活用した臨床試験の実施に関する提案活動を積極的に展開している。機械学習自動分析システムの提供に関する活動については、継続利用に支えられ、収益は安定的に推移している。」
小野瀨隆一:尿検査で「がん早期発見」のエコシステムを作る起業家|MIT Technology Review (2024.11.14)
重要な視点だが、医療全体のエコシステム・ワークフローの中でその価値を考えないと困難に直面することもあろうかと。患者と医療従事者双方の便益最適化のもとで頑張ってほしい。
「例えば検査の精度が60%だとしても、他に検査方法がないすい臓がんや卵巣がんを発見する目的なら『やる価値がある』と判断する医師もいるかもしれない。利用者にとっての便益がリスクを上回るなら、サービスとして提供できる。その見極めや設計が重要だと考えています」。
・マーケット・企業・製品
医療機器環境のアウトソーシングモデルを活用し、高度な医療の提供による地域への貢献を目指す|社会医療法人緑泉会/シーメンスヘルスケア株式会社 (2024.11.12)
「契約期間中、定額で米盛病院の医療機器導入・整備を受託し、中長期の医療機器の導入・更新計画の作成支援を行います」
自走式モバイル 3D Cアーム装置 「CIARTIC Move」も国内初導入。
追加ニュース:金額は14年間で21億円。
14年間で21億円 サブスクで最新の医療機器を導入 椎間板ヘルニア手術など(MBC南日本放送) (2024.11.14)
オリンパス、中国で内視鏡組み立て 現地生産優遇に対応 - 日本経済新聞 (2024.11.14)
EVなどで問題になっている格差部分でもある。
(中国で売るには国内で作らなきゃいけない(時に合弁で技術供与もする)一方で日本で売るのに日本国内での生産は必要とされない)
「中国の医療機関では国内生産品を優先して購入する動きが強まっており、組み立て工程を移管して対応する。」
朝日インテック、中国に医療機器新工場 現地生産優遇で - 日本経済新聞 (2024.11.14)
オリンパスと同じく。
「中国の医療機関では国内で生産した製品を優先して購入する動きが強まっており、成長市場の中国で足場を固める。」
日本を代表する医療・ヘルスケア事業者業界団体、日本医療ベンチャー協会が過去の実施イベント・勉強会動画を法人会員限定公開サービススタート (2024.11.15)
なお年会費は法人会員5万円・個人会員5千円。
「これまでの活動の中で、会員企業向けに有識者や関係団体と実施した各種シンポジウム・分科会/勉強会(生成AI、、官民データ連携、オンライン診療、SaMD、医療機器、PHR、ゲノム、海外事業展開、資金調達、他)などを記録した動画や資料(過去日本医療ベンチャー協会が発出した政策提言や分科会・勉強会で投影された資料)が閲覧できる会員特典となる会員用WEBサイトを11月8日(金)より公開いたします。」
日本が次世代の医薬品設計、ヘルスケア ロボット、デジタル ヘルス プラットフォームを開発|NVIDIA (2024.11.13)
妙に読みにくくて頭に入ってこない(機械翻訳?)。後でもう一度独解する。
ヘルスケア ロボット用の NVIDIA HoloscanはAI メディカルサービス (AIM)、アナウト、iMed Technologies 、Jmeesなどで活用。
・キャリア
リスキリングでも年収による教育格差 | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.11.14)
リスキリングしてもどうせキャリアップに繋がらないと諦めてしまっている面もあるのでは。
「年収が多い人は自身のキャリアを通じて自己研鑽の効果や重要性を認識していて、「さらなるキャリアアップのために学び続ける動機づけが強い」とフォーイットは分析している」
・行政・規制
ロボット支援手術の増点は1件も認められず | 医学ニュース | Medical Tribune (2024.11.13)
病院潰すのが目的なんじゃないかと思うような状況
「人件費が診療報酬点数を超える手術は、前回から0.6ポイント減少するもいまだ90.4%を占めていた。さらに償還不可材料費が診療報酬点数を超える手術は前回とほぼ同じ13%台と改善が得られず、50%以下に抑制できた手術は減っていた(68.0%→65.1%)。」
「渡邊氏は「問題なのは、医業利益が赤字にならざるをえない診療報酬体系である」と強く訴えた。また近年の消費者物価総合指数は2020年から9%上昇しており、「前回改定から今回改定の伸び率(1.3%)が物価上昇に追い付いておらず、病院経営の厳しい現実につながっている」と指摘した。」
・イベント
【矢野経済研究所 ワッツセミナーVol.196】11月21日(木)「政府の医療DX施策と電子カルテ市場」(2024.11.11)
医工連携セミナー|AI医療機器開発の最前線~概論編~|東京都医工連携HUB機構 (2024.11.15)
12月11日(水) 16:00-17:30 オンライン開催。