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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#43

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • 大正製薬×Arblet×マクニカでついにカフレスのスマートウォッチで血圧が持続的に計測できる技術が誕生。大正製薬はスマートリング(SOXAI RING)も展開し、ウェアラブルによるヘルスケア方面へ積極的な展開。

  • 国立がん研究センター(AMED優れた医療機器の創出に係る産業振興拠点強化事業)・三菱総研(厚生労働省委託医療系ベンチャー海外ネットワーク形成促進事業)がSU海外展開支援事業を開始。METIとあわせ行政のスタートアップ支援は今年度からグローバル展開に軸足。

  • 日本メドトロニックが血管外に留置するICDの薬事承認取得。血管損傷や閉塞などのリスクのない画期的なシステムに驚き。

です。


・医療AI

株式会社Jmees は、米国Mayo Clinicとの連携プログラムであるジェトロ主催の「HealthTech Gateway “AI Medical in the US”」に選出されました (2024.10.21)

採択は16社。
Ubie、アイリス、CureApp始め錚々たる陣容。

AI医療機器開発のアイリス 生成AIによる口腔画像の高画質化に関する研究成果を発表 (2024.10.22)

不自然なノイズの生成を独自の損失関数で低減したより自然な口腔画像鮮明化技術。

論文は
A practical framework for unsupervised structure preservation medical image enhancement

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1746809424009765

レナサイエンス、維持血液透析患者における総除水量予測する人工知能(AI)の臨床性能試験開始のお知らせ (2024.10.21)

透析中にリアルタイムで患者の 透析中血圧低下を予測し適切かつ安全な除水量を決定するAI。NEC・NEC ソリューションイノベータとの共同開発。

スキルシステムズ、AIで希少がん早期発見 画像診断、ウェブ基盤提供 | 日刊工業新聞 電子版 (2024.10.21)

「成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)の早期発見に向けた人工知能」
経産省Go-Tech事業(令和4年度)に採択。

identifeye HEALTH – 網膜撮像AIプラットフォーム「identifeye Camera」を発表|The Medical AI Times (2024.10.22)

網膜スクリーニング用モバイル眼科検診器。
糖尿病のスクリーニングにも。

GE HealthCare announces time-saving AI tool for doctors who treat cancer|CNBC (2024.10.21)

"CareIntellect for Oncology"
病歴要約、治療計画管理、関連臨床試験検索などの機能を備え腫瘍内科医の業務負担軽減を図るアプリケーション。

救急外来でのChatGPT診断、1万件の受診サンプルで検証した結果は?-米研究|QLifePro (2024.10.22)

「AIモデルは医学試験の質問に答えたり臨床記録の作成を手助けしたりすることはできるが、現時点では、EDのような複数の要素を考慮する必要がある状況に対処できるようには設計されていない」

論文は
Evaluating the use of large language models to provide clinical recommendations in the Emergency Department

AI医療機器開発のアイリスとアサヒグループジャパン介護・看護事業者向け口腔状態評価アプリの実証実験を開始 (2024.10.23)

インフルエンザ検査から今度は口腔チェックへ。
石井さんのGenicsと相性良さそう。

アサヒグループのプレスリリースは
介護・看護事業者向け口腔状態評価アプリ『クチミル』
実証実験を11月から開始 〜高齢者の良好な口腔状態維持と介護職員の業務負荷軽減に貢献

AI対応ウェアラブルカメラで投薬ミスを検出 – 米ワシントン大学|The Medical AI Times (2024.10.25)

こういう監視カメラ(事後検証)でないセルフチェック支援での映像活用(リアルタイム回避)がAI技術により本流となりそうなのは医療者にとっても良い方向。

論文は
Detecting clinical medication errors with AI enabled wearable cameras

乳房撮影術AI映像分析ソリューション「ルニットインサイトMMG」の乳がん早期発見および医療スタッフ業務軽減効果について論文発表|毎日経済(韓) (2024.10.24)

「AIが乳がん発生を最大6年前から予測できる可能性を確認」

「AIが最初の医師に代わって判読する場合、医師の判読量を48.8%減らしながらも癌発見精度を維持」

毎日経済(韓) (2024.10.24)

健診結果からがんや脳卒中リスクをAI予測 MDVや住友生命など|日経ビジネス (2024.10.25)

・数年内の疾患リスクをAI予測するサービスが続々登場
・複数企業で健康・医療データを集める動き
・ヘルスケア産業の市場規模は2050年に約60兆円に拡大

日経ビジネス (2024.10.25)

関連:
疾患発症リスクをAI予測、5000万人医療データで MDV - 日本経済新聞

ソニー、PHRシステムの「未来予測レポート」にAI予測分析ツールを用いて34疾患の発症確率予測が可能に

PHR「カルテコ」、未来予測を10月31日から機能拡大 健診結果を基にAIが34疾患の発症リスク予測


・手術支援ロボット

ロボット手術で腎臓がんを切除した57歳男性 予定手術時間が2倍になったワケ | Hint-Pot (2024.10.21)

BMI低い人も注意。

日本人は…?「世界の女性起業家支援プログラム」でみた「3つのすごさ」 - Cartier Women’s Initiative 前編|FRaU (2024.10.25)

こちらで紹介されているシンガポールのDr. Lynne LimのスタートアップNousQは滲出性中耳炎治療用ロボット式自動センサー制御ハンドヘルド アプリケーターCLiKXを開発。
手術でなく診療室で鼓膜にベンチレーションイヤーチューブをワンクリックで設置できるデバイス。

NousQ CLiKX(日本語あり)


・救急DX

医療支援プラットフォームのTXP Medical、24.6億円をシリーズC調達——医療データ利活用事業が前年比400%成長|BRIDGE (2024.10.24)

既存事業の拡大、新規事業への投資、採用拡大・組織強化のための資金調達。


・ウェアラブル

血圧の長時間記録を使用目的・効果とする「Arblet 血圧演算プログラム Alysis-001」製造販売承認取得|(株)Arblet (2024.10.21)

大正製薬×Arblet×マクニカ。
ついにカフレスのスマートウォッチで血圧が持続的に計測できる技術が誕生。ほしい。

「本製品は、カフを使用しない(カフレス式)ブレスレット型ウェアラブルデバイスを利用し、光・電位・加速度・角速度センサから得たデータを基に血圧演算アルゴリズムにて血圧値を表示することができる医療機器 プログラム」

(株)Arblet (2024.10.21)

「AirPods Pro 2」に医療機器グレードの聴覚補助機能が追加。アップデート内容をひと足先に体験|PHILEWEB (2024.10.21)

「ヒアリングチェック」と「ヒアリング補助」機能。

関連:「AirPods Pro 2」の新機能「ヒアリングチェック」、登場直後からすぐ日本でも使えるようになった理由とは - ケータイ Watch (2024.10.11)


・トレーニング・教育

外科医の7割以上が「手術教育に十分な時間を取れない」と回答|OPExPARK (2024.10.24)

いわゆる自己研鑽頼みの技術確保。
勤務時間内にトレーニングが出来る日は来るのだろうか。


・大学・学術研究

ムール貝からヒントを得た医療用水中接着剤を開発 東北大|NEWS SALT (2024.10.21)

温度変化で接着力が1000倍変化するハイドロゲル。

東北大のプレスリリースは

論文は
Mussel-Inspired Thermo-Switchable Underwater Adhesive based on a Janus Hydrogel

点滴ラインの絡まりを防ぎ簡単に長さを調節できるデバイスを開発:医療機器ニュース - MONOist (2024.10.21)

「カラフルラインホルダーは、東北大学未来型医療創造卓越型大学院プログラムの大学院生が、医療現場の観察を通じて入院患者の点滴ライン整理に時間がかかるという課題を発見し、解決のために開発」

MONOist (2024.10.21)

北海道大学、2025年度から「医療AI」の講義を学部生向けに開始:日経メディカル (2024.10.23)

北大CLAPの活動を学部教育まで拡大。

「スタンディングデスク」はそれほど健康に良いわけではない…最新の研究で明らかに|BUSINESS INSIDER (2024.10.22)

まあ立ちっぱなしになればそれは…
ぜひarchelis使って立ったり座ったり歩いたりしてください。

「この研究では、2時間立ちっぱなしでいると、起立性循環器疾患のリスクが高くなり、30分ごとに11%上昇することが分かっている」

BUSINESS INSIDER (2024.10.22)

論文は
Device-measured stationary behaviour and cardiovascular and orthostatic circulatory disease incidence

アイレットと理研、Google CloudのAI 技術を活用した医科学研究向けデータ駆動型解析基盤を構築 (2024.10.23)

データ処理・利用・管理に関わる研究者の負担とセキュリティリスクが減りそう。


・スタートアップ・起業

「HealthTech Gateway “AI Medical in the US”」参加スタートアップ16社が決定! ー米国Mayo Clinic Platform_Accelerateと連携し、ヘルスケアスタートアップの米国市場参入を支援ー | 記者発表 - お知らせ・記者発表 - ジェトロ (2024.20.16)

アイリス・ayumo・BiPSEE・Boston Medical Science・Cure App・I.W.G・Jmees・クアドリティクス・Reboost Partners・Smart Opinion・SMILE CURVE・サウスウッド・Splink・Ubie・YStory・Yuimedi。

Kicker Venturesが基礎プログラムに協力。

JLKの脳卒中ソリューション、日本・厚生労働省の許認可取得|KORIT (2024.10.22)

米FDA承認に続き。

「JLK-CTPは、脳CT灌流画像を分析し、脳の灌流低下領域と脳損傷の程度を迅速に把握する人工知能(AI)ソリューション」

KORIT (2024.10.22)

JLKは韓国の医療AI企業。

https://www.jlkgroup.com/jp/about/

国立がん研究センター、医療機器スタートアップの国際展開に向けた新たな支援を始動し、日本の医療機器産業のグローバル化を促進します (2024.10.22)

「国際展開のための人材育成プログラム、グローバル開発における薬事戦略相談プログラム、米国展開ハンズオン支援プログラムの3種類を提供」

「今年度はスタートアップ3社を選定し具体的な支援活動を展開」

国立がん研究センター プレスリリース (2024.10.22)

コロナ禍を経てAI時代へ、スタートアップ投資市場の「これまで」と「これから」 - TECHBLITZ (2024.10.04)

AIの市場へのインパクトは大きいものの新たな業界を生み出すまでではなくEXITは停滞状況。投資家は本格投資への機会を伺っている

先端医療機器アクセラレーションプロジェクト支援対象3者を決定しました!|東京都 (2024.10.24)

スパクロ(椎骨インプラント)、PSTメディカル(メンタルヘルス診断SaMD)、フィジオロガス・テクノロジーズ(在宅血液透析器)。

三菱総合研究所、医療系スタートアップの海外展開促進プログラムを開始 (2024.10.24)

厚生労働省委託医療系ベンチャー海外ネットワーク形成促進事業 「Direct Flight」Medical Startups Global Acceleration Program powered by MEDISO (長い)

「本プログラムでは、世界トップクラスの4つのライフサイエンスエコシステム「Boston」、「Philadelphia」、「San Diego」、「London」を熟知するパートナー機関と連携し、日本の医療系スタートアップ等の海外展開を強力に支援します。」


・マーケット・企業・製品

コニカミノルタ、超音波診断装置の新機種 AIで神経検出 - 日本経済新聞 (2024.10.21)

本体価格5150万円(税抜)!

コニカミノルタの超音波診断装置事業は松下電器のヘルスケア事業がルーツらしいけどどちらもあまり見たこと無いなあ。

オリンパス社員による過敏性腸症候群と大腸ポリープの体験談を取り上げた新たな「True to Life ストーリー」を公開 (2024.10.21)

「オリンパスは2021年12月より「True to Life」というグローバルブランドメッセージの発信を開始し、グローバル・メドテックカンパニーとしてのブランド認知向上に向けた様々な施策を展開しており、この活動の一環として「True to Life ストーリー」を定期的に公開しています。」

オリンパス (2024.10.21)

Dr.Balaこと大村先生も。

血管撮影システム向け音声認識機能「SMART Voice」を開発 カテーテル治療の効率化に貢献|島津製作所 (2024.10.23)

「治療で頻繁に利用される「StentView(ステント強調処理)」「透視保存」「画像操作」など13種類の機能をモニタ懸垂器に取り付けられたマイクに向かって発声するだけで操作可能」

「本機能は、1人で処理できる業務の拡大と検査効率の向上を通じて医師の労働時間を短縮します」

島津製作所 プレスリリース (2024.10.23)

freeeが「介護業界向け統合パッケージプラン」の提供を開始 介護業界のデジタル化とバックオフィス業務をサポート (2024.10.23)

「2023年からは、医療福祉事業部を組成して、介護業界の「統合」体験を実現すべく、業界に特化したサービスや機能の提供を開始してきました。」

「今回提供を開始する「介護業界向け統合パッケージプラン」は、freeeのプロダクトから各事業者において必要なfreeeプロダクトを任意で組み合わせていただき、複数プロダクトを同時に導入いただきやすい統合パッケージとして提供します。」

freee プレスリリース (2024.10.23)

日本メドトロニック 血管外に留置する植込み型除細動器「Aurora EV ICD™ MRI デバイス」「Epsila™ EV MRIリード」の薬事承認を取得 (2024.10.24)

そんな事出来たんだ…画期的。

「Aurora EV ICDは、胸骨下にICDリードを留置するこれまでにない画期的なシステムで、血管内にリードを留置する必要がないため、従来の経静脈ICDと比べて低侵襲な植込み機器です」

「Epsila EV MRIリードは、心臓や静脈血管の外側に留置されるため、これまで経静脈ICDで課題とされていた血管損傷や血管閉塞(静脈の狭窄、閉塞、圧迫)などの合併症を避けることができます」

日本メドトロニック プレスリリース (2024.10.24)

【タウンニュース茅ヶ崎・寒川版】医療課題解決の芽 育てる (2024.10.25)

テルモ株式会社湘南センターの紹介。

「緑豊かで、晴れた日には富士山やスカイツリー、海を臨むことができるロケーションに、「開発には生みの苦しみが伴う。ふとした時に見えた景色にほっと癒される時もあった」と窓の外に目を細める。コーポレートカラーでもある緑にちなみ「ここは種を撒いて芽を出して育てる場所。アソシエイト(社員)には自由な発想で医療に貢献してもらいたい」と話す。」

タウンニュース茅ヶ崎・寒川版 (2024.10.25) 


・行政・法規制

英政府、医療機器の市販後調査に関する規制強化へ法案提出(英国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ (2024.10.23)

日本や米国・EUとの法規制の違いについて知識がないのであれだが、国内のPMS法規に影響あるだろうか。

厚生労働省予算分析を踏まえたヘルスケア市場の動向について|Deloitte Japan (2024.10)

人手不足対応と医療・介護DX。
なお経産省は今年から特にグローバル展開重視。

【注意喚起】PMDA役職員を装った不審なメール・電話にご注意ください(2024年10月25日)|医薬品医療機器総合機構

どういう詐欺?健康被害救済詐欺とか?


・イベント

「安心安全な医療を届ける仕事を見てほしい」 下関市で医療体験イベント|日テレNEWS NNN (2024.10.21)

かなりの大規模イベント。素晴らしい。
内視鏡手術体験やda Vinci、緊急車両の展示なども。

「人工関節手術のデモンストレーションや食事の栄養計算など、およそ20の体験ブース」

日テレNEWS NNN (2024.10.21)

第14回がん新薬開発合同シンポジウム&第8回医療機器開発シンポジウム|国立がん研究センター (2024.10.20)

受付開始。医療機器開発シンポのテーマは「MedTech エコシステム拠点のあり方」

日本外科学会 令和6年度市民公開講座 オペスル -ほんもので学ぼう!触れる手術室- (2024.10.25)

11月17日(日)@日本科学未来館。触れる手術室、医療体験コーナー、トークイベントなど。
事前参加登録は10月28日(月)より(当日参加可能)。

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