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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#36

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • 9月9日は救急の日です。最近は毎週TXPの話題を目にします。そして話題の雑誌「幼稚園」のおまけのリアルなAEDキット(協力:日本光電)も。

  • The Medical AI TimesがBio Engineering Capital傘下に。

  • TSMC第3工場は熊本外へ。誘致魅力のあるシリコンバレー候補は?

  • DTxの国内普及は道半ば。ユーザ(医師・患者)の理解に加え、大規模な開発・販売環境を先導する大企業の戦略と保険制度下でのマネタイズがキーか?

です。


・医療AI

島原佑基・医療AI推進機構 機構長が語る「人生の転機」とは? |財界オンライン (2024.09.01)

「21世紀は人工生物や臓器を作るような生物をエンジニアリングする時代が来る」

「便利なAIというテクノロジーをうまく活用していくことで、医療の世界も新たなステージに入ることができるのではないかと考えた」

財界オンライン (2024.09.01)

Googleが患者の咳を分析して結核を検出できる生体音響ヘルスケアAIモデル「HeAR」を開発 - GIGAZINE (2024.09.02)

インドのAIスタートアップ・Salcit Technologiesと提携して開発。さらにSalcit Technologiesが開発した「Swaasa」を組み合わせ結核の早期診断へ。

関連:呼気診断による結核検出
DiagNoze: a device that uses smell to detect diseases and change healthcare|City Magazine (2024.08.25)

【特許出願中】ARI、横浜市立大学医学部麻酔科学教室及び医療法人横浜未来ヘルスケアシステム戸塚共立第2病院と医療AI分野において共同研究開始 (2024.09.03)

全身麻酔患者状態のAI予測およびナレッジ共有システムの共同研究。
麻酔管理システムPrescient® OR(富士フィルムメディカル)からのリアルタイムデータを活用予定。

Bio Engineering Capital、医療AIメディア「The Medical AI Times」を買収 (2024.09.04)

なんと!さらなる充実に期待。

超音波診断支援AIの実臨床応用-胎児心臓超音波スクリーニング支援システムの薬事承認-|国立がん研究センター (2024.09.06)

理研・昭和大との共同研究成果。
正常胎児の所見から逸脱した場合に異常検知しアラートを行うAI。非熟練医の正常以上判定精度を有意に向上させる研究結果。

胆管癌、肝細胞癌を検出・鑑別する超音波AI|The Medical AI Times (2024.09.07)

肝臓の局所病変(FLLs)を検出し分類するAI。

「胆管癌の検出率が92.2%と最も高く、次いで限局性脂肪非蓄積が89.7%、肝細胞癌が82.3%」

The Medical AI Times (2024.09.07)

論文は
Artificial intelligence for ultrasonographic detection and diagnosis of hepatocellular carcinoma and cholangiocarcinoma

オリンパスグループ、初のクラウド型AI内視鏡画像診断支援システムが米国FDAの認可を取得|オリンパス (2024.09.06)

内視鏡AIが活況。CADDIEは初のクラウドベース大腸内視鏡AI。国内への導入はいつ頃か。


・手術支援ロボット

メディカロイド、マレーシアで手術支援ロボの販売承認取得 海外で2カ国|神戸経済ニュース (2024.09.04)

シンガポールに続いて2カ国目のhinotori海外承認。

https://www.medicaroid.com/release/pdf/240904_ja.pdf

特集「キャッチ」【世界初】「低軌道衛星」を使った遠隔ロボット手術 成長する宇宙産業は医療の分野にも 福岡で操作して福島で手術|日テレNEWS NNN (2024.09.07)

Saroa × Starlinkでの遠隔手術実験。

「この日は、九州北部地方に線状降水帯が発生しました。天候の影響やロボットの設定の不具合が原因とみられる、通信の遅れがありました。」(天候に影響)
「今回の遠隔手術でかかった通信コストは、アンテナの費用なども含めておよそ96万円です。」(安い)

日テレNEWS NNN (2024.09.07)

が興味深い。タイムラグは問題なしとのこと。

手術支援ロボット「Hugo」を北関東で初導入 群馬・桐生厚生総合病院 患者負担を軽く|上毛新聞 (2024.09.07)

大学病院より先なんですね。
Hugoの国内の導入動向は気になるところ。


・SaMD・DTx

受信した心電図をリアルタイムに表示可能、医療機器プログラム「hitoe®心電図アプリ」販売開始|NTTテクノクロス (2024.09.05)

NTTグループからのSaMD。

「「hitoe®心電図アプリ」は、「心電送信装置 HMTX1」を取り付けた「hitoe®メディカルベルト電極」を胸部に装着することで、スマートフォンで心電図をリアルタイムに表示・保存ができるアプリケーションソフトウェアです。」

NTTテクノクロス プレスリリース (2024.09.05)

医療現場、進まぬアプリ活用 普及は高血圧1製品のみ Inside Out - 日本経済新聞 (2024.09.08)

正直ビジネスとして国内ではまだ勢いのついている分野ではない様な気がする一方でSaMD産学官連携フォーラム・サブフォーラムの活況に毎度驚く。そんなにプレーヤー・投資家いるんだろうか?様子見?
今回登壇者もいらっしゃったが、特にDTxは大手・グローバル企業の動向に期待。


・医療DX

日本初の医療施設DXシステム「eye MIRU」を導入| 社会医療法人誠光会 (2024.09.04)

先日の清水建設のプレスリリースに続き。

「見える化されたデータを見て、コマンダーが指示を出すだけでなく、全職員が考え、動ける組織になるためには、2つのことが重要であると考えています。」

「一つ目は、「少し先の状況を全員が把握すること」です。」
「2つ目は「仕切り値を決めること」です。」

社会医療法人誠光会 プレスリリース (2024.09.04)

TOPPANデジタル、開封検知機能付きデュアルICタグラベルを開発 〜UHFとNFCの2種類に対応した開封検知を実現 医療医薬業界を中心に、在庫・物流管理や商品情報の閲覧が可能に〜 (2024.09.05)

興味深い。断線によるデータ変化で開封検知。
自動認識総合展(9/11-13@ビッグサイト)にて展示。


・救急DX

TXP Medical開発「NEXT Stage ER」がアストラゼネカ実施の急性期領域リアルワールドデータ研究で活用されます (2024.09.03)

「本研究では、RWDを活用して救急診療で取り扱う急性期病態に関する診療の実態を明確化することを目指しています。」

TXP Medical プレスリリース(2024.09.03) 

幼児雑誌の付録に本物そっくりな“AED” 医療機器メーカーとコラボ 担当者を取材【9月9日は救急の日】|日テレNEWS NNN (2024.09.09)

自分の周辺でもクオリティの高さが評判。
AEDの認知度向上に。


・フェムテック

テクダイヤ、医療機器の量産体制確立 メロディ社“分娩監視装置iCTG”の世界シェア拡大をサポート (2024.09.03)

メロディ・インターナショナルの分娩監視装置iCTGをフィリピン・セブ島の生産工場で量産。
セブ工場内のクリニックでもiCTGによる妊婦健診を準備中。

急成長!海外フェムテックのユニコーン企業における共通点と勝ち筋|木村 恵 - フェムテックや健康経営の社会情勢やビジネスモデル|NewsPicks (2024.09.08)

若い世代の妊活サポート、企業向け包括的福利厚生プラットフォーム、月経管理アプリの3社を紹介。

広い年齢層/包括性・アクセス性・専門家連携が共通点とのこと。重要な視点。
長く広く使われるエビデンスベースのサービスとなることが必要か。


・ニューロモデュレーション

ジャパンバイオデザイン発のニューロテック医療機器ベンチャーINOPASEが資金調達を実施 (2024.09.03)

東大バイオデザイン発、クローズドループニューロモデュレーションによる難治性過活動膀胱・難治性てんかんの治療デバイスの開発。調達資金により臨床PoCスタディを推進。


・心臓リハビリテーション

心血管疾患の患者に対して、皮膚に貼るだけで汗の乳酸値を測定できるバイオセンサを用いた新しい運動評価法の開発-医師主導治験で有効性を確認|慶應義塾大学病院・株式会社グレースイメージング (2024.09.02)

汗中乳酸値の測定から得られた汗乳酸性代謝閾値(sLT)で AT (嫌気性代謝閾値)を推定できる ことが示され有効性を確認。
簡便なモニタリング法の導入により、より適切な心臓リハビリテーション・運動療法の普及へ。

論文は
Sweat lactate sensor for detecting anaerobic threshold in heart failure: a prospective clinical trial (LacS-001)


・大学・研究

令和6年度コニカミノルタ画像科学奨励賞募集(〆切9/30)

40歳以下の研究者/大学院生対象の「光と画像」に関わる研究への助成です。〆切9/30。

頂いたのももう15年くらい前。歳を取りました。

「上腕脈派伝播速度」で心血管疾患リスク検出の可能性、従来指標より判別能が優れることを実証 産総研ら|m3 .com AI Lab (2024.08.28)

https://medicalai.m3.com/news/240828-news-medittech

10年以上にわたる企業健診の追跡データを用い、hbPWV(上腕脈派伝播速度)と年齢ならびにCVDリスクとの関連性を評価。

・hbPWVによって評価される動脈スティフネスは30歳代から一貫して増大し続ける
・hbPWVがbaPWV(上腕-足首脈波伝播速度)よりもCVDリスクの有無を判別する能力が有意に高い

との結果。
将来的に家庭用血圧計でhbPWVによる心血管系疾患リスク評価ができる可能性も。

論文は
Cross-Sectional and Longitudinal Evaluation of Heart-to-Brachium Pulse Wave Velocity for Cardiovascular Disease Risk
https://www.nature.com/articles/s41440-024-01805-5

産総研のプレスリリースは
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2024/pr20240801/pr20240801.html

体の柔軟性低下は死亡リスク、女性では4.8倍 複数関節の総合スコアで評価|Medical Tribune (2024.09.05)

面白い研究。
女性の方が柔軟性高いが柔軟性最高群vs最低群の死亡ハザード比は男性で2倍弱に対し女性ではなんと5倍弱。
日常トレーニング大事。

論文は
Reduced Body Flexibility Is Associated With Poor Survival in Middle-Aged Men and Women: A Prospective Cohort Study

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/ftr/10.1111/sms.14708

「国際卓越大」再申請の柱に…東京科学大が新設、3研究院の中身|ニュースイッチ (2024.09.09)

生材研は未来産業技術研究所などと同じ科学技術創成研究院に。

日本の半導体業界の焦点「TSMC第3工場」は熊本以外へ|会社四季報オンライン (2024.09.06)

「台湾の半導体政策関係者は、こう指摘する。「第3工場が必要とするのは、大学の研究者レベルの人材だ。だから立地は、理系の名門大学が近くにあることが重視される」。」

会社四季報オンライン (2024.09.06)

熊大ですら駄目でそれより上位となると旧帝・師範系で土地がありそうな場所に限られる。
学術的には東北大・名大が強いと思うが記事内の候補以外だとあとは広島大(東広島)くらい?
核の大学以外の私学と企業も強いのは京都?

Newly named Stanford Mussallem Center for Biodesign broadens its goals|Stanford Medicine (2024.09.06)

Stanford Byers Center for Biodesignの名称がStanford Mussallem Center for Biodesignに変わります。

・スタートアップ・起業

モビリティやWeb3が牽引、21社の国内スタートアップ資金調達振り返り(8月26~30日) |BRIDGE (2024.09.02)

医療・ヘルスケアではシリーズAで4.5億調達したMTUが紹介。
医療機関向けセキュリティクラウド「Mowl 」、歯科医院向け AI デンタルサービス「BEAUTEETH 」など。

CRIETO支援モニター募集のご案内|東北大学病院 (2024.08.24)

医療機器開発早期段階の伴走支援体験モニターの募集。
スタートアップ(設立3年未満)or起業予定研究者対象。
〆切9/17。

【線虫がん検査】「的中」1%。全国調査でも低い精度あらわ|NewsPicks (2024.09.02)

久々のN-NOSEの話題。先の連載は第4回調査報道大賞奨励賞を受賞。
7月にリリースされた臨床試験に関する論文について。

全国スタートアップエコシステムポータルサイト『スタートマップ』

すごい、こんなサイトがあったんだ。
自治体エコシステムカオスマップなども。

豪メドテック、グラングリーン大阪に医療新興支援拠点 AI診察など視野 - 日本経済新聞 (2024.09.04)

MTAは6月には広島でスタートアップとの面談も。

Spectral AI社、火傷創傷デバイスで85万ドル超を獲得|Investing .com (2024.09.05)

資金を投入する携帯型火傷創傷治癒予測装置DeepView SnapShot M®は戦地医療用。
日本では出来ない米国のメドテック開発。

医療スタートアップのメドリング、医療MaaSを活用したスマート在宅医療の実証実験をインドネシアで開始 (2024.09.05)

国内医療MaaSベンダーの目指す主要マーケットは国内かアジアASEANか。


・マーケット・企業

サムスンメディソン、フランスのスタートアップ買収…AIソリューションポートフォリオの拡張始動|亜州日報 (2024.09.02)

「超音波診断レポーティングおよびAI診断補助機能を開発したフランススタートアップ「Sonio」」を買収。

カーディナル・ヘルス、持続可能な医療機器再処理プログラムを強化|ESG Journal (2024.09.03)

医療廃棄物に関わるESG対策だけでなくコスト削減とサプライチェーンの強化も目指す取り組み。

M&A総合研究所、『上場企業M&A動向調査レポート(医療・介護業界版)』を発表 (2024.09.02)

2018年1月~2023年12月の6年間で医療サービス企業のM&A(東証の適時開示)は43件。

モニタリング技術を統合した、スマートウェアアラブルの新システムを発表:医療機器ニュース - MONOist (2024.09.05)

HUAWEIの新ブランド「HUAWEI TruSence」。

「測定項目は60項目以上で、複数の健康モニタリングに対応」
「心拍数、血中酸素レベル、血圧などのモニタリングにおける業界認証を取得」

MONOist (2024.09.05)

プレスリリースはこちら。
「「HUAWEI TruSense」を搭載した新しいウェアラブル製品を、今秋リリースする予定」

脳神経外科手術用ナビゲーションユニットが一部自主回収 日本メドトロニック「ステルスステーションS8」 | m3 .com 臨床ニュース (2024.09.06)

「スパインの手技中に、ナビゲーションの方向やポップアップメッセージに不具合が発生する可能性が判明」

m3 .com 臨床ニュース (2024.09.06)

キヤノン系、スマホ連携の超音波診断装置 在宅医療に的 - 日本経済新聞 (2024.09.06)

この分野はGE VSCANを始め大手が牽引する方向?
いくつかある中小・ベンチャーの動向は?


・行政・規制

「近未来健康活躍社会戦略」を公表します|厚生労働省 (2024.08.30)

医療機器・ヘルステック関連では医療・介護DXに加え、
・ウェアラブルデバイスの活用促進
・MEDISOの介護版CARISOの立ち上げ
・保険外併用療養費制度の見直し
など。

新規作成・改訂すべき「医療機器開発ガイダンス」に関するご意見募集(令和6年度)(2024.08.30)

医療機器開発ガイダンスのテーマ募集。10月15日まで。

ガイダンス/ガイドラインの概要についてはこちらを。


・イベント

耳鼻咽喉科手術の未来を担う|次世代の医師への教育プログラム実現へ|北海道大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科 (2024.09.01)

耳科の教育プログラム実施費用のクラウドファンディング。目標金額300万円。10月31日まで。

ブラック・ジャック セミナー2024開催|国立国際医療研究センター(2024.08.01)

10月27日開催。中学生対象(定員28名)。
縫合、内視鏡トレーニング、超音波メス、自動吻合器の体験など。〆切9/27。

2024年度次世代医療機器開発人材育成プログラム 医療機器開発コース 受講生募集のお知らせ|岡山大学病院 (2024.09.05)

10/24〜来年3/13の全6回のオンラインセミナー。各回300名。
テーマは開発体制・知財・審査・保険関係など。

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