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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#44

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • 国内最大級のスタートアップインキュベーション施設Station Aiがグランドオープン。

  • スタートアップ業界でのセクハラ問題。NHKの報道・ジャフコでの告発からようやく注目され始めたこの重大な問題に対しての早急な対策は可能か?

  • 岡大病院アプリ登録者1万人突破。診療現場でのCX向上に資する技術に期待するがその事業性は明るいか?

  • Science Tokyoでシンクタンク「Think & Do Tank」設立構想。大学の知の社会実装と実践の新たなアプローチ。

です。


・医療AI

網膜スキャンで心疾患などの予測をするMediwhaleがシリーズA2資金調達で17億円を確保。FDAのDe Novo承認を目指す|Advanced Technology X (2024.10.28)

「主力製品であるReti-CVDは、網膜をスキャンして心臓病や心血管疾患リスク(CVD)を評価するAI診断ソリューションで、心臓CTスキャンから得られる冠動脈カルシウムスコアと同等の高精度な結果を残している。」

「2024年6月には、MediwhaleがJohnson & Johnson Innovationのインキュベーションプラットフォーム「JLABS」の支援対象に選ばれた。」

Advanced Technology X (2024.10.28)

スマートフォンを使った貧血予測AI開発 - 東大病院との共同研究成果 -|エルピクセル株式会社 (2024.10.29)

「今回開発したAIモデルは、スマートフォンで撮影した眼瞼結膜の写真からヘモグロビン値を予測するもの」

エルピクセル株式会社 note

論文は
Machine/deep learning-assisted hemoglobin level prediction using palpebral conjunctival images

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/bjh.19621

Craif、尿中マイクロRNA等によるすい臓がん診断補助医療機器プログラムの多施設共同臨床試験を開始|日経バイオテク (2024.10.31)

「2026年の医療機器承認申請を目指す」


・手術支援ロボット

がん治療におけるロボット手術の“バリュー”とは 早期回復を実現&コスト削減― スポニチ Sponichi Annex 社会 (2024.10.28)

日本と米国の病院経営の違いに注意。
米国ではロボット導入コスト<<入院期間・再入院減少により削減されるコスト。

「日本では「1日あたりの入院費」というシステムにより早期退院が病院の収入減となるケースがありますが、米国では「1入院あたりの定額制」が主流で、病院にとってロボット手術への投資は経営面からもメリットがあるのです。」

スポニチ Sponichi Annex 社会 (2024.10.28)

Doctor describes first robotic high intensity ultrasound procedures with Focal One, Unfold AI | THE ROBOT REPORT (2024.10.29)

Avenda HealthのUnfold AI技術を導入したHIFUロボットFocal One。MRI、PSA値、生検位置、グリソンスコアのデータを組み合わせて詳細な3Dマップを作成し治療計画を実行。

医療×中小企業のものづくり! ロボット心臓手術のサポート器機を開発|大阪公立大学 (2024.10.31)

「医学研究科心臓血管外科学の柴田 利彦教授、高橋 洋介准教授らの研究グループは、医療機器への使用が可能なプラスチック素材を用いた術野展開プレートを、中小企業との連携により開発」

「本プレートにより、助手の技量に左右されないロボット心臓手術の実現や、口腔外科や耳鼻咽喉科など、他分野での外科手術への応用も期待されます」

大阪公立大学ニュースリリース (2024.10.31)

論文は
Self-adjusting Atrial and Subvulvular Exposure System for Robotic Surgery

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/15569845241287769

上部消化管癌に対するロボット支援下手術の工夫|Medical Tribune (2024.11.01)

JDDW2024特集。パネル6の演題紹介。
教育システム、手技的工夫、手術成績などの最新情報。

膵癌に対するロボット支援下手術|Medical Tribune (2024.11.01)

JDDW2024特集。シンポ10の演題紹介。
RPDとRDPの手技、有用性、安全性、未来についてhigh volume centerが報告。

世界初の早期喉頭がんに対する経口的ロボット手術が上海で成功 術中出血量1ミリリットル未満|CRI Online(中国) (2024.11.01)

こちらの記事によるとこの中国国産手術ロボットはda Vinci SPではなく博恩思医学机器人有限公司(BORNS Medical Robotics)のTransoral Robotic Surgery System(TORSS®)


・医療DX

【岡山大学】岡大病院アプリ「HOPE Life Mark-コンシェルジュ」のアプリ登録者が1万人を超えました (2024.10.27)

予約・診察リマインドとか再診時自動チェックインとか自動会計とかすごく便利だと思うんだけど、他の病院でもこういったアプリ・サービスって普及しつつあるんだろうか。

THE PHAGE、保健医療分野のAI開発によるデータヘルス・医療DXの推進に向けた連携で事業会社4社と個別に基本合意書を締結 (2024.10.30)

明治、TOPPAN、メディヴァ、+もう1社。
・データヘルスの推進
・医療DXの推進
・保健医療分野におけるAI研究の推進
・研究開発を通じたデータセット構築
へむけた連携。

病理分野向けクラウドソリューションの販売開始【メドメイン株式会社】 (2024.10.31)

PSPのクラウド型PACS「NOBORI」に病理分野向けバージョン。

【事例】認証医療機器の睡眠脳波計を提供するスリープウェル、成果物生成AI搭載 IT/DXプロジェクト管理ツールSolvifAIを導入 (2024.10.31)

「成果物生成AI」って言葉は変な誤解を受けそうだけど専門性の高い進捗レポート・報告書など(QMSまわりも?)の作成を自動化してくれるサービスは価値が高い。

医療DXが切り開く消化器診療の未来|Medical Tribune (2024.11.02)

JDDW2024特集。統合プログラム6の演題紹介。
AI開発、ビッグデータ活用法、業務効率化など12演題。


・フェムテック

国内フェムテック投資最前線:注目VC・CVC特集|木村 恵 - フェムテックや健康経営の社会情勢やビジネスモデル|NewsPicks (2024.10.27)

VC6社、CVC4社の紹介。

起業家・投資家共にジェンダーギャップが大きい。なんとなく女性キャピタリストは意外と多い印象があったけどどうやら15%程度とまだまだ。

展示会 2024-#14 Fem+2024 - Femtech Tokyo & 女性のウェルビーイング推進EXPO|中村亮一 | MEDIELITE LLC (2024.10.28)

フェムテック展示会も3回目。
ジェンダードイノベーションEXPOと合わせ、ヘルステックはまだまだですが地道にキャッチアップを。

政府・自治体・地方のフェムテック最前線|木村 恵 - フェムテックや健康経営の社会情勢やビジネスモデル|NewsPicks (2024.11.03)

政府と東京都・愛知県・静岡県・堺市・北海道・福岡市の取り組みなど。

「地方自治体の担当者と議論させていただく中で感じるのは、「まず最初は女性の健康課題について知ってもらうこと」だと感じている。女性の健康課題は、男性はもちろん、女性本人であっても知る機会はそこまで多くない。」


・ウェアラブルデバイス

灼熱の収穫現場、熱中症から農家の命を守るセンサー|MIT Technology Review (2024.11.01)

エモリー大学のThe Girasoles (Sunflower) Research Program。

日本でも猛暑対策エリアでは空冷・水冷服に加え労働者モニタリングウェアラブルデバイスの開発が盛ん。


・健康経営

ココロミルの「ホーム心臓ドック®」によって、健康状態の検査と共に、ニチバン社員の健康に対する意識と行動が向上したことを確認|株式会社ココロミル (2024.10.29)

意識向上も一つの重要な効果だが、次はウェルネス・健康や労働・生産に関わる直接的なKPIが見たい。


・大学・学術研究

新薬開発におけるオープンイノベーションと規制上の課題: 抗体医薬品の開発における開発・製造受託機関の重要な役割 (2024.10.28)

・CDMOとの提携は、製造技術だけでなく、抗体医薬品候補の探索や構造最適化技術にまで能力を拡大する機会となる
・開発中期以降は、これらの能力に基づく技術プラットフォームを確立し、メガファーマを含む既存の製薬会社とのパートナーシップの開発・確立に貢献する

興味深い研究。

医療機器の場合でもCDMOとの連携はシーズ実装・構造設計から能力を高められるか?

東京科学大学田町キャンパス土地活用事業 2024年度シンポジウム (2024.10.31)

11月22日(金)17〜19時 オンライン開催

我が学び舎Science Tokyo 田町CICと東京科学大学附属科学技術高等学校を含む田町駅前エリア再開発に関連したシンポジウムです。辻本先生ご登壇。

【滋賀や山梨】高専、設立の機運 地域の新産業・人材育成に期待 日経グローカル「霞が関 底流伏流」 - 日本経済新聞 (2024.11.01)

新規事業開発やらイノベーションやらの界隈の1部はエンジニアリングを舐めている。

AIエンジニア・データサイエンティストの流行に囚われず、デジタル人材だけでなく広くエンジニアの養成を。足りないのは電気電子系・機械系。情報系は大学での学部乱立の揺り戻しが必ず来る。

医科学を越えて医工学を育てることに力を入れなければならない:ポガ研究院キム·ワンウク研究院長|毎日経済(韓) (2024.10.31)

「画期的な医療機器といっても、1つや2つの試作品に過ぎないと意味がありません。 単純な研究よりは『商用化』に重点を置いた医工学を育成しなければなりません」

「医工学の最大の強みは、機器開発と現場適用を同時に推進できるということだ。 キム院長は「カトリック大学医療院がポガ研究院の協力機関であるため、ここでは工学者が頭の中にだけ描いてきた機器を患者にすぐに適用してみて、どんな点が障害物なのか、克服方法は何なのか早く分かる」とし「特にソウル聖母病院は許可に必要なすべての臨床試験手続きをプロトコル化したところで、商用化速度を引くことができるノウハウを持っている」と話した」

毎日経済(韓) (2024.10.31)

「お口の健康」から考える、口腔環境とウェルビーイングの関係性とは?[後編]|陽だまり (2024.10.11.01)

東京科学大学高齢者歯科学金澤教授インタビュー。

医歯理工連携で重要な領域。

金澤教授は口腔筋機能トレーニング支援アプリケーションの開発や、熟練の歯科医師手技をデータ化し、施術時の手の動きや角度をアシストできるAIシステムの開発などに従事。

「医科と歯科の枠を超えた診療情報の共有プラットフォームは、現状では書面でのやり取りが主流で、発展の余地が大きいと感じています。私自身、より良いシステムの構築に向けて試行錯誤を重ねていますが、現在、導入が進められているパーソナルヘルスレコードの浸透に期待しています」

陽だまり (2024.10.11.01)

研究者が主体、東京科学大がシンクタンクを設立する狙い | ニュースイッチ (2024.11.01)

「研究者が構成員となるため、調査分析にとどまらず自ら実験・検証して発信し社会実装へつなげられるのが特徴」

ニュースイッチ (2024.11.01)

p5とp7にシンクタンク(Think & Do Tank)構想。

令和6年度国立大学改革・研究基盤強化推進補助金 計画調書 (国立大学経営改革促進事業)「科学の力の社会への還元強化を目指した知的資産経営基盤に 基づく好循環システムの実現」

https://www.mext.go.jp/content/20241016-mxt_hojinka-000038470_4.pdf


・スタートアップ・起業

医療機器の世界シェアを増やすために必要なこと|経産省・スタートアップ・VC対談|Beyond Next Bentures (2024.10.28)

エコシステムはエゴシステムであり縁故システム。

「もう一つの提案は、「販売の確実度合いを高める」施策です。例えば海外では、ある財閥のトップを押さえると、一気に商圏が広がることがあります。そこに入り込めるかどうかが事業成功の鍵だったりします。」

「海外展開に成功しているスタートアップは、インナーサークルの中に入り込んで、キーパーソンと会った瞬間に一気に商圏が広がるケースは多い」

Beyond Next Bentures (2024.10.28)

Smart Opinion、“世界一の病院”Mayo Clinicの医療技術スタートアップ支援プログラムに選出 (2024.10.29)

AI乳がん検診のスマオピ。
Mayo Clinic Platform_Accerelateには16社が採択。

https://newsnetwork.mayoclinic.org/discussion/mayo-clinic-platform_accelerate-and-jetro-japan-join-forces-with-u-s-healthcare-immersion-program/

「スタートアップはセクハラが常態化」女性起業家が改善訴える。投資家から自宅に呼び出しも|BUSINESS INSIDER (2024.10.31)

大学や議会などでも下駄を履かせてでも女性比率を上げる必要があるのはこの重大な問題への対策の面も。

「そもそも起業家もスタートアップ業界も、男性のほうが圧倒的に数が多い。「黄金の3割(クリティカル・マス)」と言い、組織を変えるためにはマイノリティが30%以上いる必要があるとされるが、業界の集まりに行くと、3割を超えるほど女性がいることは稀で、居心地の悪さを感じることもしばしばあった。」

BUSINESS INSIDER (2024.10.31)

具体的な行動のための準備も重要。

「アクティブ・バイスタンダーとは、ハラスメントや暴力、差別が発生した際、傍観せずに積極的に行動し、被害を軽減する第三者の役割を果たす人のことを指す。
セクハラの現場に居合わせた時、知人から性被害について相談された時、とっさに行動することができるだろうか?
災害に備えて防災訓練をするのと同じで、性被害に対して行動できるようになるにも訓練が必要だと言われている。」

BUSINESS INSIDER (2024.10.31)

スタートアップの創出から成長へ「兵庫県」の支援事業について聞いた|M&A Online (2024.11.01)

「起業プラザひょうごは、三井住友銀行のオープンイノベーション拠点「hoops link kobe」と一体運営」

「兵庫県は他の都道府県に比べて製造業の割合が高い水準にあります。全国的にスタートアップは、サービス系が多いですが、兵庫県ではモノ作りのスタートアップの支援を強化することで、県内の製造業企業と、スタートアップが一緒に成長していけるような形を築いていきたいと思っています。」

M&A Online (2024.11.01)

日本最大規模、スタートアップハブ「STATION Ai」がオープン——スタートアップ500社、パートナー200社が参画|BRIDGE (2024.10.31)

STATION Ai(名古屋)がグランドオープン。

「グランドオープン時点で、スタートアップ約500社とパートナー企業約200社が参画し、国内外のスタートアップ支援機関・大学との連携を通じ、幅広い支援サービスを提供。スタートアップの創出・育成とオープンイノベーション促進を目指す」

BRIDGE (2024.10.31)


・マーケット・企業・製品

自社製肝癌治療用ラジオ波焼灼システムの販売提携に関するお知らせ|日本ライフライン株式会社 (2024.10.31)

https://pdf.irpocket.com/C7575/n85z/Jcy0/LYrS.pdf

肝癌治療用ラジオ波焼灼システム「arfa」についてテルモと5年間の国内独占販売契約を締結。

キヤノンメディカルシステムズ、医療画像解析ソフト新製品 AIで臓器抽出 - 日本経済新聞 (2024.10.31)

「例えば頭部の画像から、頭蓋骨や脳動脈、脳静脈など見たい箇所だけを短時間で色分け表示する。従来は診断装置で複数部分を撮影し、画像上で臓器どうしを分離するなど作業が煩雑だった」

日本経済新聞 (2024.10.31)

キヤノンメディカルシステムズのプレスリリース

「従来は、手動またはセミオートで行っていた3D画像における骨(頭頚部・体幹部・下肢)や脳動脈/脳静脈の分離抽出をワンクリックで可能にする「Auto Extract」や、冠動脈芯線を自動でトラッキングする「CT細血管解析」といったAIを活用した自動化技術を搭載し、画像解析ワークフローの簡略化に貢献します。」

キヤノンメディカルシステムズ プレスリリース(2024.10.31)

iPhoneでがんを発見、新型エコーのブレークスルー|MIT Technology Review (2017.11.01)

7年前の記事。
大手を中心にハンドヘルドエコー市場は拡大している模様だがButterfly Networkは…

アニマルヘルスにAI活用 ペットや家畜の診断・治療など - 日本経済新聞 (2024.11.01)

CBインサイツのレポート。
トレンドとして獣医向け診断プラットフォーム、免疫療法や幹細胞治療などの先進医療、家畜のメタン排出削減策、AI診断・モニタリング、病気の予防・治療など。

楽天メディカル、頭頸部アルミノックス治療(光免疫療法)に用いる 医療機器「BioBlade®レーザ WR」と 「BioBlade®サイドファイヤーディフューザー」の販売を開始 (2024.11.01)

頭頸部アルミノックス治療において狭い領域にできる頭頸部がんに対する適正照射が可能に。

MDPROリサーチレポート「日本の医療機器産業の現状と今後の発展に向けた考察」|医機連 (2024.10.25)

https://www.jfmda.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2024/10/journal127_MDPROResearch.pdf

各国・各医療機器の市場規模の現状と過去と見通し。
世界の成長に日本がついていくための戦略は?
少子高齢化の「課題先進国」として実際何か先行者利益を得ているか?


・イベント

手術ロボット「ダヴィンチ」見学、筑波大病院で医科コース生…江戸取 : 読売新聞オンライン (2024.10.29)

HAL体験や救急救命見学(ER・ICU・ドクターヘリポート)も。

詳細:えどとりNOW! (2024.10.13)

「第1回医療機器開発シンポジウム」開催のお知らせ|がん研有明病院 (2024.10.17)

11月27日(水)午後開催@吉田富三記念講堂。
NCC東病院から伊藤先生・竹下先生が登壇。特別モデレーターに池野文昭先生

TIB OPEN INNOVATION DAY アカデミアカンファレンス (2024.11.25)

11/25(月) 16時〜20時30分。
東京都大学発スタートアップ創出支援事業関連。

「本イベントでは、産学官の事業連携や大学発スタートアップ創出に向けた取組の共有などを通じて大学とスタートアップ関係者のつながりを構築し、オープンイノベーションの輪を広げます。」

TIB OPEN INNOVATION DAY アカデミアカンファレンス (2024.11.25)

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