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展示会 2024-#13 CEATEC2024 & Japan Mobility Show Bizweek2024

日本最大の電機製品・技術展示会CEATEC。情報技術の発展によりIT・ICT・IoTからAIなどが中心の展示会となってきました。

さらに自動車のIT化・電動化に伴い、2023年にJapan Mobility Showへと名称を変更した東京モーターショー、隔年開催の裏年に当たる今年はついにCEATECと併催となるBizweekが設置。時代に変遷を強く感じます。

ただしJapan Mobility Showはこのサイズ

先週のメディカルジャパン&農業Weekと同じく1-8ホール全体を歩き回ってきました。


CEATEC General Exhibits

大手はAI中心から人手不足・働き方改革に対応した労働効率・労働環境改善支援の技術が中心の印象。
その中で注目したのは村田製作所とシャープにあったフェムテック関連

村田製作所:ウェルネス領域

ウェルネス領域でセンサ技術が2つ。

一つは女性の健康課題を解決するソリューションとして、クリップ型連続温度測定器を参考出品。下着につけて寝るだけで月経周期の温度変化(低温期高温期の二相性)を把握することが出来ます。更年期、妊活中の方へのソリューション。

もう一つは高感度の「曲げ」「ねじり」「押し圧」「振動」が検知可能なフレキシブルで薄型の有機圧電フィルムセンサ「Picoleaf™」。脈拍や呼吸も計測でき、水中でも使えることからウェアラブルデバイスでの生体信号計測に応用可能。ポリ乳酸で出来ていてカーボンニュートラルにも貢献するそう。

(11/5追記:村田製作所CEATEC展示紹介記事では上記で紹介したウェルネス関連技術が取り上げられていました)

シャープ:生理用ナプキンIoTディスペンサー

自治体の公共施設や学校に設置する生理用ナプキンディスペンサー。生理用品の公共配布は大きな意義のある取り組みですが、逆に在庫切れでのがっかり体験のインパクトも大きいので、IoTで在庫状況を管理しています。また手かざしで1枚だけ取り出せる衛生面配慮、大量持ち去りを制限する時間での制限などが特徴です。

使用する生理用品は自治体の災害用備蓄品を利用し、使用期限の迫ったものをこのディスペンサーで無償提供することで無駄な廃棄のない「ローリングストック」を実現する役割も担います。

おまけ:シャープの屋外対応A0サイズePosterは経産大臣賞受賞。

ePosterとは思えないくらいの自然な発色と輝度

個人的高インパクトは嗅覚・アロマ関連

匂いのセンシングと香りのディスプレイといった嗅覚に関連するデバイスの展示が私が見たところで4件ありました。

アロマビット

組込型匂い可視化センサ5C-SSMや分析機器、ニオイデータクラウドAromalyzerなど、ニオイの測定とデータベース化のソリューションを開発。

Aryballe/サンワテクノス

シリコンフォトニクスと機械学習を用いたにおいセンサ。

「複合臭の検知を得意とし、湿度補正ができる点が特徴」
「特定の成分に限らず、人が嗅げる全てのにおいを可視化・データ化し、においの比較マッピングや照合が可能」

とのこと。

アロマジョイン

こちらはNICT発ベンチャー。香りのディスプレイ「アロマシューター」を開発しています。

実際体験させていただきましたが、イメージとしてはパーソナル空間でTDSのソアリン・ファンタスティック・フライトを体験しているような感覚、というのが香り体験の感覚としては(ソアリン体験者なら)想像しやすいと思います。

なかなか楽しいし、香りが残らないというのもいいですね。コンテンツ次第と思いますが結構いいんじゃないかと。僕は好きです。そのコンテンツが難しいのかな…

サントリーシステムテクノロジー

こちらは新技術の参考出展でWebに情報はありませんが、IoTアロマディフューザ「KaoRe:」を展示。

スマホと接続して2種類の香りを予約した時間に噴霧するデバイス。ウェルネス方面の効果を狙ったものです。

ブースにいらっしゃった開発者の福島さんは現在社会人大学院生として北海道大学の博士課程にも所属して自然言語処理の研究に取り組みながら、会社ではIoTデバイスでの新規事業開発に取り組んでおられるそうです。

https://www.suntory.co.jp/recruit/fresh/interviews/fukushima/

自分と割と近い分野かつ意欲的な若手エンジニアでお話してても楽しかったです。この場では特にIoT新規事業開発でのアーリーアダプターとマジョリティの許容度の違いを事業戦略でどう考えるかなどの雑談をしました。許容されるデジタル操作の捉え方の違いなど、面白い議論ができたような気がします。

あと見逃してましたけどCEATECの出展情報で見つけたものもありました。

三洋化成工業

今まで学会や展示会で嗅覚・香り系の新規技術・事業(Odor-TechかAroma-Techか)はアロマ以外のテクノロジー→事業開発部分ではそれほど目に入ってませんでしたが、今回集中して展示が見られたのは意外な発見でした。

ヘルスケアという癒やしの場の事業開発において、直接的なヘルスケアに加え環境的な調整として音と香りのデザインは重要なファクターと思っています。引き続きこれらの実用的な基盤技術についてキャッチアップしていきたいところです。


CEATEC Next Generation Parkに活気

アロマジョインさん、サントリーシステムテクノロジーさんもこちらにありましたが、大学やベンチャーが揃うネクストジェネレーションパークは意欲的な様々の取り組みが一同に介していて活気がありました。

ロボセンサー技研

古巣の女子医大FATSに寄った時にご紹介いただいた協働先のロボセンサー技研さん。高感度で周波数帯域の広いピエゾ電線センサを開発されています。

こちらを用いた手袋型触感グローブでは、低帯域だけでなく超音波領域に至る変位を低ノイズで計測することが出来るため、脈波による振動から様々な情報を得ることが出来るのでは、という挑戦をされておられるようです。(CEATEC2023の出展情報です↓)

慶應義塾大学ハプティクス研究センター

同じく触覚関連でロボット×ハプティクスといえば、の大西公平先生のハプティクス研究センター。

今回は医療系のハプティクス応用技術の展示はありませんでしたが、医工連携セミナーのご案内がありました。

BiPSEE

VRによるうつ病の認知行動療法システムなどを開発されているBiPSEE社。今年4月には製販を取得されるとともにうつ病治療システムがプログラム医療機器に係る優先的な審査等の対象品目に選定されています。

WhiteLab

こちらではバッテリーレスで太陽電池で動くスマートリング「ソーラーリング」コンセプトモデルを参考展示。


その他

リーグソリューションズ

地元千葉県ブースでは3D計測用マーカのリーグソリューションズ社を見学。手持ちの産業用カメラをモノカメラ3D計測器に出来る高精度マーカ・キャリブレーションボード・SDKの開発をされています。マーカは一つ数千円程度、SDKは50万/年の契約(初年度100万)。SDKはそれなりのお値段とはいえ、産業カメラ+安価なマーカで長距離高精度計測が可能で多数のカメラ・マーカを設置する環境ならばお手頃ではないかと。もちろん開発機能を廃した実行用ライブラリは別途お安く提供。

ブレインテック関連2社 トータルブレインケア・VIE

日本旅行ブースには認知機能チェック&トレーニングサービスのトータルブレインケア。

東京都政策企画局・SusHi Tech Tokyoブースには脳波計測アプリVIE Streamer。

レカネマブ登場後、ブレインテック関連は更に活況に。


Japan Mobility Show Bizweek 2024

車好きですが東京モーターショーに行ったことがなかったので、この場でモーターショーの一角を見られるのを楽しみにしてましたが、サプライヤーとスタートアップ、EV技術が中心の小規模展示会でした。

サプライチェーン・リスクマネジメント2社 Spectee・Resilire

その中で見てきたのは以前他の展示会でも見たSpectee SCRのSpectee社とResilire社。

Spectee SCRはSNS情報・災害情報とサプライヤー情報を下にサプライチェーンに迫る機器情報をリアルタイムに収集して生産への影響を把握するシステム。

Resilireも国内外の災害情報をリアルタイムに収集し、影響を受けた可能性のある拠点への自動状況確認機能を有しています。グローバルリスク検知機能付きのサプライチェーン構造化・可視化クラウドサービスです。

今回資料は自動車産業向けに作成されていましたが、導入企業には小野薬品・小林製薬。富士製薬工業・アリナミン製薬など大手医薬品メーカも名を連ねており、ヘルスケア系のこちらの分野でも導入が進んでいるのかも。

医療機器も多くの技術・部材に支えられた技術集約機器であり、サプライチェーンリスクに常にさらされている業界であると思います。先日のメディクリのセミナーでもこの課題の話題がいくつか出ていましたが、この様な情報システムによるリスクマネジメントも重要な要素と感じています。

こちらでもブレインテック

こちらにもトータルブレインケアブース。そしてCyberneX。CyberneXは他の展示会でもよく見ます。

自動車も運転者の心理状態、覚醒状態など安全と快適性に関わる部分でブレインテックが活用されている分野です。

実車展示はEV関連のみ

乗用車では国産のBEV・PHEV・バイオ燃料車・水素電池車のフラッグシップ。BEV(日産アリア)は撮り忘れました。商用車もEV展示です。

アウトランダーPHEVは国産PHEVの頂点
奥ではモーリー・ロバートソンさんがトークイベント
CX-80は国産プレミアムSUVですがいくつか見た試乗レビューでは
乗り心地にCX-60からの雑味が残ってるとか。デザインはいいのに。
ホンダのフラッグシップSUVは水素電池のリース専用のみ。
近年のアコード・ステップワゴン・CIVICと同様のシンプルでスリークなデザインは自分好み。
いすゞのEVバスはフラットフロアが特徴。
入ると違和感を感じるほどフラット。
トラックも電動化。航続距離が問題にならない事業領域ではいいんじゃないでしょうか。
ヤマトも佐川も日本郵便もラストワンマイルはEV中心になってきましたよね。
こちらはCEATECのSonyブース。Vision-Sの「Safety Cocoon」。
自動車はセンサの塊。

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