統計学 3
とある検査を受けた人は4種類に分けられる。
① 陽性で罹患している人
② 陽性だが罹患していない人
③ 陰性だが罹患している人
④ 陰性で罹患していない人
このとき、以下の二つを定義する
罹患している人のうち陽性の割合を感度
罹患していない人の内陰性である人を特異度
式でいうと 感度=①/(①+③) 特異度=④/(②+④)
感度、特異度は検査の性能を示す
しかし、医療において知りたいのは罹患しているかどうかである。
陽性の人のうち罹患している人の割合を
陽性的中率
陰性の人のうち罹患していない人の割合を
陰性的中率
と呼ぶことにする。感度と陽性的中率、特異度と陰性的中率は別のものである。
陽性的中率=①/(①+②) 陰性的中率=④/(③+④)
しかし、この陽性的中率、陰性的中率は
「感度」「特異度」「有病率」
から求めることができる。
ベイズの定理だ。
陽性的中率=P(有/陽)で表す。
右に書かれている方が条件を表す。
P(有/陽)=P(陽∩有)/P(陽)
陽性の人に罹患している人、罹患していない人がそれぞれいるので。
P(陽)=P(陽∩有)+P(陽∩無)
P(陽∩有)とP(陽∩無)のみで表すことができる。
陽性かつ罹患している人の確率は
有病率(①+③)に感度をかけたものになる。
陽性かつ罹患していない人の確率は
「1-有病率(②+④)に(1-特異度)をかけたものになる。
検査において、陽性的中率という指標はあまり使われない。なぜなら、病気ごとに有病率が異なるからである。
感度、特異度が99%だとしても、10000人に1人の病気ならば陽性的中率は低い。実際に計算してみると、わずか0.98%しかない。
また検査において、感度を高くすると特異度が低くなり、感度低くすると特異度が高くなる。
マンモグラフィーなど早期発見のための検査では見逃しを防ぐため感度を低く、特異度を高くしている。陽性となっても偽陽性あることは珍しくない。
縦軸に感度、横軸に偽陰性度を表した曲線をROC曲線ということも覚えておきたい。