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登壇セッションの裏番組に“強い”エンジニアさんが来たときの企画術 #プロヒス2024

2024年11月30日(土)に開催される「PRODUCT HISTORY CONFERENCE 2024」。プロダクト開発の「ヒストリー」を開発者が語る本イベントに、エムスリー株式会社のVPoE・河合さんとメディカルフォースCTO畠中がともに登壇します。

同時に、本セッションと同じタイムテーブル・別ステージでは株式会社IVRyのPrincipal Engineer・成田さん、MOSH株式会社の取締役CTO・村井さんも登壇。河合さんをはじめ、成田さんや村井さんなど、“強い”エンジニアと同じ時間帯で話をするときの企画術について、河合さんと畠中が対談しました。

話者プロフィール

エムスリー株式会社 VPoE 河合俊典
Sansan株式会社やYahoo!JAPANでのリーダー経験を経て、エムスリー株式会社に入社。AI・機械学習分野でのOSS活動や技術顧問を通じて、国内有数のGoogle Cloud Champion Innovator(AI/ML)に認定。機械学習エンジニアとしてのキャリアの後、Vice President of Engineeringに就任。エンジニア組織のマネジメントに従事。@vaaaaanquish

株式会社メディカルフォース CEO / CTO 畠中 翔一
学生時代からインフラの構築やWebアプリの立ち上げを多数こなす。2020年11月に株式会社メディカルフォースを設立し、現在のmedicalforceをフルスクラッチで開発する。開発の傍ら、深層学習を用いた研究が国際学会に採択されるなど、機械学習(AI)や最先端の技術にも精通する。@punk_punx

ーー今回、YOUTRUSTさんからのイベント企画や打診を受けたときの心境からお伺いできますか?

河合さん(以下、河合):YOUTRUSTさんから話をいただいた時点では、対談相手も裏番組も未定の状態でした。ただ、過去にYOUTRUSTさんが主催したイベント「CAREER & TEAM BUILDING FES 2024」に登壇したとき、一緒に登壇された方々とも面白い話をできたことが印象的でした。この経験から、YOUTRUSTさんのイベントは面白い方々と話せそうという期待があり、今回の「PRODUCT HISTORY CONFERENCE 2024」で対談候補としてあげていただいていた方たちも魅力的で、お受けした次第です。

畠中さん(以下、畠中):僕は正直登壇が苦手なので、登壇の話が来たときは「何を話そう」と思いました(笑)。
ただ、一緒に登壇されるのが河合さんとのことで、これは是が非でも、と。機械学習界隈での知名度の高さは言わずもがなですが、普段から河合さんのTwitter(現:X)をよく拝見していたこともあり、またとない機会だと思いました。

河合:畠中さん、登壇苦手だったんですか。今年のデブサミにも出ていたので慣れているイメージがありました。

畠中:苦手です(笑)。あとは…そうですね、楽しみだけど「やらかせないな」と、ある種のプレッシャーもありました。

ーー先日は運営のYOUTRUSTさんと三者で打ち合わせをおこないました。その際、同じタイムテーブルの別会場では株式会社IVRyのPrincipal Engineer・成田さん、MOSH株式会社の取締役CTO・村井さんが登壇されることを知りましたが、当時の率直な感想をお伺いできますでしょうか。

河合:正直「厳しっ!」と思いました(笑)。インターネット黎明期を生きていた私達世代にとって、成田さんといえば憧れのエンジニアの1人です。だから、タイムテーブルは被っているけど、むしろ自分が成田さんの話を聞きたいと思ったことを覚えています(笑)。さらに、私自身MOSHさんのサービスを利用したことがあり、裏側が気になっていました。IVRyとMOSHというその組み合わせ自体も気になる気持ちが膨らんでいて「その時間に裏で私がトークするんか」と。

畠中:確かに、IVRyさんとMOSHさんが一緒に話すとなるとどんな話が展開されるのかはすごく気になりますよね。

河合:事業ドメインに潜む大企業の参入可能性やスタートアップの優位性、ビジネスモデルの特殊性など、興味深いです。

ーーIVRyさんとMOSHさんは異なるドメインでの事業を展開されていますが、それぞれのドメイン課題とスタートアップ企業という特性を軸に話されるようですね。一方、メディカルフォースとエムスリーさんは「医療」という近いドメインで展開しています。

河合:そうですね。医療ドメインといえば、社会の高度化や高齢化が進むなかで需要が増加していくドメインです。ただ、ありがちな「ドメイン知識って難しいよね」的な話だけでは面白くないよねとも思ってます。

畠中:僕達の方は、ストレートに企画してしまうと話す内容が容易に想像できてしまって、聴講予定者の期待感を醸成しにくいですね。

河合:そう、だからそれを超える必要があるなと。ドメインの話よりも、あえて技術の話や技術組織のあり方などを考えていく方がよいなと考えました。

ーーあえて、ですか。

河合:来場者には何かを持って帰ってもらいたいなと第一に思ってます。医療ドメインに携わるエンジニアがまだまだ多くはない現状も鑑みて、多くの人に刺さるテーマにしたいと思いました。あと「このふたりが集まって、医療ドメインを語らない」というのは意外性もありますからね(笑)。だからこそ、狭いドメインに対して向き合うエンジニア組織にフォーカスしていく、という1つ抽象度を高めた形にしました。

畠中:「医療って大変ですよね」というテーマをただ話すだけでは来場者の人が持って帰れるものは少ないと思っていて、もっと面白い話はしたいですね。なので、医療だけに限定せず、バーティカルな領域の抽象的な話がしたいなと思いました。例えば、バーティカルな領域でドメインの制約とどう戦うか、のような話など。

河合:制約の話もいいし、もしくはマルチプロダクトに向き合っていく組織の話もいいですよね。エムスリーもメディカルフォースも、複数のプロダクトを展開しています。複数プロダクトの開発に挑戦しているスタートアップは増えてきましたが、その裏側の情報はまだ多く世に出ていない。情報における需要と供給にギャップがあるとも考えていました。

畠中:エムスリーさんの開発体制、ずっと気になっていました。僕達メディカルフォースの開発部ではドメインとチームが紐づいていますが、エムスリーさんは、プロダクトがチームごとに割り振られているみたいな体制ですよね。組織スタイルがだいぶ異なると思っていて。

河合:どの体勢を組んでも、メリット・デメリットを加味した取捨選択かと思います。また、その前提には目的がある。さらに考えていくと、一つとして同じ会社がないなかで、組織としての意思決定、畠中さんの組織人として達成すべきこと、さらには個人としてやりたいこと、思想や技術者として生きていく意義…とかまで話せるかもしれませんね。

企画を考えるメタ的思考

ーーここから、登壇するテーマ企画を考える思考の仕方、についてお伺いしたいです。まずは登壇に興味を持ってもらうような「フック」について、どう考えるとよいでしょうか。

河合:ひとつは、世の中の流れを捉えることだと思います。先ほどの話にもあったような、マルチプロダクトが盛り上がってきているなという機運と、情報量が足りてないことからニーズを探します。

畠中:今回のイベントのテーマが「プロダクトヒストリー」であることからも、今存在するすべてのプロダクト、開発組織は何かしらの「ヒストリー」があって現在の形になったはず。ヒストリーには成功譚だけではなく、失敗したことや懸念したことなども共有する方が、聴講者の満足度を上げられるのかなと考えています。

ーー他に、登壇時に意識しているようなことはありますか?

河合:ターゲットを絞ることだと思います。今回のカンファレンスに来る方の属性・ポジションは多様かと思いますが、現場でコードと向き合っているテックリードや、そこを目指している「これから」の人も多そう。大事なのは会場座席数に対する動員率100%を目指さず、たとえ聴講者数が少なかったとしても「学び」となるようなものをきちんと届けられることかなと思っています。そんなセッションを目指せたらいいですね。

畠中:同じ時間帯におこなっているセッションとは異なるターゲットになりそうなのは、利点ですね。

河合:はい。今回同じ時間帯にいるIVRyさんやMOSHさんは、それぞれ事業ドメインが異なります。そのふたつのかけ合わせによる「意外性」でテーマを展開されるんじゃないかと予想をしているので、そことは被らないテーマにしたいですね。あとは、このインタビューみたいに「こういうのやりますよ」と、自ら発信していくことではないでしょうか(笑)。少し内容をチラ見せしておくとか。

ーーそれは大事ですね。では、河合さん、畠中さんのセッションではどのような話をされますか?

河合:マルチプロダクトみたいな話ですよね。組織体制としてもマイクロサービス的チームか…。

畠中:「モノリス」…ですかね。

河合:「モノリシック的チーム」か「マイクロサービス的チーム」か、マルチプロダクトを制するのはどっちだ、という徹底討論ですね。笑

畠中:あとは、バーティカルというところで、業界に対してどのような気持ちで向き合っているのかについても話せると思います。

河合:ドメインと向き合うということは、ドメインに付帯する“制約”と向き合うことでもある。では、制約と向き合うための組織はどうあるべきか、さらには、組織にいる我々個人はどうあるべきか、むしろ、なぜそうやるのか、といった思想の部分について話しても面白いと思います。

ーーいいですね。それでは最後に、セッションの聴講者に届けたい情報はありますか?

河合:具体的な話ではないのですが「おっしゃ、これから帰って仕事するか」という気持ちになってもらいたいと思っています。

畠中:いい言葉ですね。僕らは業界に向き合うことを事業としていますが、僕達の世代だけでできることはある程度限られていると思っています。なので、同じように、ドメインに向き合うような人たちが増えてほしいですね。

ーーありがとうございました!

最後に宣伝です

このような思いのもと登壇する「PRODUCT HISTORY CONFERENCE 2024」。当日はエムスリー・河合さんやメディカルフォース・畠中のほか、多くのエンジニアやプロダクトに関わる人々が登壇し、様々な裏話を語ります。

気になった人はぜひ、以下より参加のお申し込みをしてみてはいかがでしょうか?

イベント概要
名称:プロダクトヒストリーカンファレンス2024
イベント特設サイト:https://lp-a.youtrust.jp/phc2024/
日時:2024年11月30日(土) 10:00-20:00  ※時間は前後する場合がございます。
開催形式:オフライン会場+オンライン配信
会場:TODA HALL & CONFERENCE TOKYO  〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 4階
主催:株式会社YOUTRUST
参加費用:無料
参加お申し込み:https://lp-a.youtrust.jp/phc2024/

イベント当日はメディカルフォースエンジニアとも話ができます!
興味のある方は以下よりご連絡ください🙌

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