ユークリッド空間をカゲベンする
陰の勉強家こと、カゲベンです。学生の頃に勉強しなかった分、今頑張っている者です。
今日は、ユークリッド空間について勉強します。
$${d}$$-次元ユークリッド空間 $${\mathbb{R}^d}$$ について考えます。
その要素は、点やベクトルと呼ばれ、長さが$${d}$$の実数の列で表されます。
原点は$${(0, \cdots, 0)}$$です。
ベクトルの足し算は、各々を足し合わせます。すなわち、
$${x + y = (x_1 + y_1, \cdots, x_d + y_d)}$$
ただし、$${x, y \in \mathbb{R}^d}$$
スカラー倍については、各々に掛けます。すなわち、
$${\lambda x = (\lambda x_1 , \cdots, \lambda x_d )}$$
ただし、$${\lambda \in \mathbb{R}, x \in \mathbb{R}^d}$$
標準基底は、$${e_1 = (1, 0, 0, \cdots, 0, 0), e_2 = (0, 1, 0, \cdots, 0, 0), \cdots, e_d = (0, 0, 0, \cdots, 0, 1)}$$という$${d}$$個のベクトルで構成されます。
この標準基底を使うと、任意の要素について、$${d}$$個の成分に分解することが出来ます。例えば、$${x = \sum_{i=1}^{d}x_i e_i}$$というような形です。
ベクトル同士の足し算、つまり要素同士の足し算が定義されたおかげで、空集合でない集合$${A, B}$$の和も考えられるようです。
$${A+B = \{a + b, a \in A, b \in B\}}$$
これを$${A}$$と$${B}$$のミンコフスキー和と言います。
同様に、集合にスカラーをかけることも出来ます。
$${\lambda A = \{\lambda a , a \in A \} }$$
ここで、もしも$${A=-A}$$なら、対称的 symmetric と言います。
ユークリッド空間には、内積が定義されています。
$${\langle x, y \rangle = \sum_{i=1}^{d}x_i y_i}$$
ただし、$${x, y \in \mathbb{R}^d}$$
ところで、$${\langle x, x \rangle \geq 0}$$であり、$${x=0}$$であるときのみ、この値は$$0$$となる。
また、$${\sqrt{\langle x+y, x+y \rangle} \leq \sqrt{\langle x, x \rangle} + \sqrt{\langle y, y \rangle}}$$である。(これを三角不等式と言う。Cauchy Schwarzの不等式が関係している。)スカラー倍についても、$${\sqrt{\langle \lambda x, \lambda x \rangle}= | \lambda | \sqrt{\langle x, x \rangle} }$$を満たす。
これらはノルムの定義を満たすため、$${|x| = \sqrt{ \langle x, x, \rangle}}$$をユークリッドノルムという。
このノルムを用いて、距離を定義することが出来る。すなわち、
$${d(x,y) = |x - y|}$$が、ユークリッド計量を定める。
最後に、関連する定理を書いておく。
定理 $${x, y \in \mathbb{R}}$$ならば、$${|\langle x, y \rangle | \leq |x| \cdot |y|}$$である。等号成立はある実数$${\lambda}$$を用いて、$${x = \lambda y}$$または$${y = \lambda x}$$と表されるときに限る。
証明は簡単で、$${\langle x - ty, x - ty \rangle = t^2 |y|^2 - 2\langle x, y \rangle t + |x|^2 }$$の判別式が非負であるということを用いる。
感想:ユークリッド空間について、なんとなくしか理解していなかったので、大変ためになった。最後の定理の証明方法は面白かった。