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病理医の平均年収は?他の科よりも少ない?仕事内容や高い収入を得る方法を解説

病理医は、患者と直接接する機会は少ないものの、「疾患の最終診断」を行い、臨床現場に大きく貢献できるのが特徴です。治療の方向性を決定する上で重要な存在で、新しい治療方法の確立にも大きな影響を与えます。

当直や緊急時の処置対応がほとんどなく、比較的規則正しい勤務サイクルなので、子育てや介護などライフワークバランスを取りやすい診療科としても知られています。

本記事では病理医の平均年収や仕事内容、さらに高収入を得る方法について紹介します。

病理医の平均年収は1,000万〜1,500万円

病理医常勤医師の平均年収は1,000万〜1,500万円とされることが多いです。厚生労働省「job tag」によると内科医・外科医を含む医師の平均年収は1428.9万円なので、病理医と比べて同等であることが把握できます。

20代では1,000万円以下とやや低いことが多いですが、50〜60代になると2,000万円以上になることもあります。今後病理医としてのキャリアを積むことで、年齢とともに報酬面での評価が高まる傾向にあるでしょう。

病理診断は非常に専門的な知識と技術を要するため、経験が豊富になるほどその価値が高まるといえます。

なお、アルバイト(非常勤)の場合は平均日給が80,000円とかなり高額です。そのため副業として病理科のアルバイトを行っている方も多いです。

病理科は当直やオンコールがないため、手術や緊急処置の必要な診療科と比較して給料がやや高めになります。

病理医の働き方とは?主な3つの仕事内容

病理医は、医療機関や研究機関、大学などで働くことが多く、その働き方は多岐にわたります。病理医は主に病理診断を行い、臨床医と連携して患者の診断や治療方針の決定に貢献するのが特徴です。

①病理解剖(剖検)

病理解剖は剖検(ぼうけん)とも呼ばれ、亡くなった患者の遺体を解剖することにより死因の明確化、病変の性質や範囲、治療の効果や有効性を検証する仕事です。

病理解剖によって得られる情報は、遺族に対する説明や将来の医療の向上に役立ちます。また、病気の真実を解明し、それを基にした医療の質の向上にもつながるでしょう。

②組織診断(生検および手術材料)

組織診断は、病気の診断や治療方針を決定するのに不可欠です。生検は病変部から小さな組織サンプルを採取し、顕微鏡で検査することにより、がんなどの疾患を診断する一般的な病理検査です。

特に進行性が早いがんなどの重篤な疾患においては、早期発見と正確な診断が患者の治療に大きく影響します

③細胞診断

胞診断は、体の粘膜や粘液、痰、甲状腺、乳腺などの部位から採取した検体を顕微鏡で観察し、状態を判断する検査です。この検査は、がんなどの疾患の早期発見や診断、治療効果の評価に役立ちます。

これらの細胞を特殊な液で染色し、正常なサンプルと比較して検査します。細胞診断は、細胞検査士および日本臨床細胞学会認定の専門技師と共同で行うのが基本です

病理医のやりがいや魅力

病理医は、患者から採取した組織や細胞を分析し、疾患の確定診断を行う医師です。病理医になることで、多くのやりがいを見出します。ここではどのような魅力があるのかを詳しく紹介しているので、参考にしてください。

患者の治療や回復に直結する

病理医は、正確な診断を通じて患者の治療計画の策定に貢献します。そのため、患者の回復に直接的な影響を与えることが可能です。

組織や細胞の検査を経て迅速な診断結果を提供することは、患者の早期治療に不可欠です。病理医は早期治療に中心的な役割を果たします。
病理医の仕事は、患者と接する機会は少ないかもしれませんが、その診断が患者の治療や回復に直結するため大きなやりがいを感じられるでしょう。

最先端の医学研究への貢献が可能

病理医は疾患の診断だけでなく、医学研究の最前線で重要な診療科です。病理学は、疾患のデータ分析やメカニズムを理解し、新しい治療法や診断法の開発に貢献できる分野です。

病理医は、他の医療従事者や研究者と連携し、総合的な医療提供するため、新しい病気の発見や治療法の開発につながります。

病理医は、疾患の診断データから治療法の開発、さらには予防法の研究に至るまで、医学研究のあらゆる段階で役立つ業務です。

常に新しい知識を学べる

病理医の専門的なトレーニングでは、腫瘍、変性、炎症など、すべての臓器のさまざまな病変に関連する幅広い知識を習得します。さらに日常的に開催されるカンファレンスに参加することで、新しい知識を習得することが可能です。

また、各分野の専門家による月例の病理診断講義を通じて、常に知識をアップデートできる機会も得られます。

日本では数が少ない

日本では、小児科医、産婦人科医、麻酔医の不足が問題となっていますが、病理医の数は男性女性ともに医師よりもさらに少ないのが現状です。

全国に存在する病理専門医は2200名程度で、全体の人口に対する病理専門医の割合は0.0016%に過ぎません。

病理医の育成と待遇改善に向けた取り組みが急務であることが明らかです。そのため、今後も病理医の育成と待遇改善に向けた取り組みが進められることが期待されます。

病理医になるまでの流れやキャリアアップ、収入を上げるには?

医療現場に欠かせない重要な「病理医」ですが、どのようにしてなることができるのか、キャリアアップしていくにはどういった方法があるのか、将来的に年収を上げていくにはどうすればいいのか。

病理医により興味を持った方は、ぜひ以下の記事をご覧ください

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