出版未来日記 20150916
出版未来日記(テスト版)橘川幸夫
20150916
◇「知的生産の技術の研究会」(知研)という40年以上続く梅棹忠夫さんの流れを組む勉強会があって、そこでのセミナーの記録テープを見せてもらった。お宝の山である。特に1970年代の、こういう勉強会のレベルはとても高い。昨今のなんちゃってセミナーとは違う(笑)。テープを見ると、岡本太郎、竹内好、加藤秀俊、堀江謙一、若き立花隆など、聞いてみたくなるものばかり。数百本ある。特に感激したのは、戦後メディアの骨格を作った小谷正一さんの講演録があった。聞いてみたら、まあ、素晴らしい。
◇著作権の問題がクリアーしたら、何かしらアーカイブにしたい。特に70年代のものを中心に。そのへんまでは、一般の読者とはケタハズレにレベルの高い知識人というのがいたのだと思うな。ちなみに、僕が初めて単行本「企画書」を出したのは1981年だけど、その時に知研に呼ばれて講演した。その時のテープは残念ながらみつからなかった。この講演で知り合ったのが、現在の多摩大学副学長の久恒啓一さんで、昨年、30年ぶりに福岡空港で再会した。
◇小谷さんには、よくご飯をごちそうになって、おしゃべりした。僕は、小谷さんに、何か依頼したり相談したりしたことはなかった。ただ、自分がやっていることを報告しにいくだけだった。小谷さんは、いつも笑顔で面白がってくれた。そういう自分のことを聞いてくれる先輩がいるということは、人生で、とても大事なことだと思う。
◇小谷さんの伝記本はいろいろ出ているが、どれも一面的で、小谷さんの本当の素晴らしさ、革命性は伝えられていない気がする。まずは、講演録をなんとか、公開出来るようにしたい。本日、小谷さんの秘書みたいな仕事をしていた大熊さんに会って、相談してきます。