〆切が、来る。
[ああ〆切、あなたはどうして〆切なの]
実はちゃんとシェイクスピアとか読んだことないけどそこだけは知っている。
いや、あの、「どうして」って言われても……〆切は〆切なわけだし、ロミオはロミオなわけだし、こんなことを考えていられないなぜなら現在進行形でこの記事の〆切もあと1時間を切っているのである。
時間は有限なので、〆切までの時間を有用に使う必要があるのはわかっている。
わかっているけれども、文章を順番に組み立てるのが苦手な自分にとってやっぱり読みやすいものを書こうとするとなかなか手が動かない。
逆に余裕のない〆切1時間前は、「時間がなかった」という言い訳が通用する(※しない)ので、どんどん関係ないことを書いてしまう。今もそう。
こういうときKATーTUNの「ギリギリでいつも生きていたいから〜」(←歌っぽい字)が脳内に流れる。
できるなら余裕を持って生きていきたいといつも思っている。でも〆切というものは、気がつくとスっと背後に現れていて、気づかないうちに課題の命が失われていることも多々ある。儚い。
思えば給食で、1番最初に好きなものを食べ、嫌いなおかずを昼休みが終わって掃除の時間になるまで食べないような子供だった私は、ずっと苦手なことを後回しにして生きてきた。
ある意味、〆切という時間の壁がないと、苦手なものに立ち向かうこともできないのである。
ただし案外、やってみると太刀打ちできることもあるという経験が増えて、成長してきたと思う。
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今までで1番全力で戦った〆切は、2021年の秋学期。PBLの課題だった。
そのときは同時に2本の作品を作っていた。
グループで短編映画を、個人でアニメーションMVを制作していて、まずグループ作業+複数同時並行の時点で管理能力のなさを痛感していた。
マルチタスクと時間に追われることがこれほど大変だとはやってみるまでわからなかった。
映画は優秀なメンバーと環境に恵まれ、初めて監督をつとめたにしてはかなり良い出来に仕上がった。
ただ、慣れない編集作業を繰り返し、Macがフリーズするたびに、私は発狂し精神崩壊しそうだった。
編集が苦手だったからではなく、自分のせいで〆切に間に合わないかもしれないというプレッシャーがあまりにも重かったからだ。
結果、〆切の時間には間に合わず、先生の厚意で発表の朝までに延ばしてもらった。
徹夜してなんとか完成した。記憶が正しければ。
アニメを、しかも個人で制作するとなるととにかく作業量が多い。
やっと全体の流れが完成して100枚ほどの作画に入る時には、〆切は1週間を切っていた。
気づいたら、描き切るまで3日徹夜していた。
今見返すと乱雑な線が多くて恥ずかしい。
しかし、〆切には間に合った。
「完璧主義から完了主義」という言葉をあとから知ったが、このように2つの〆切を経験してから、自分の考え方が変化したように思う。
本当は、もっと計画的に、前倒しで余裕を持って
色々なことを進めて行けたらいいのに。全然うまくいかない。
でも、〆切がないといつまでも練って練ってよくわからなくなるまで完成しない気もするので、あったほうがいいかもしれない。
〆切について今は、そう思っている。
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