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新型コロナという時代

「緊急事態宣言」をAmazonプライムにて鑑賞。「新型コロナウイルスの感染対策を徹底すること」を唯一の条件に、園子温、上田誠(ヨーロッパ企画)など日本を代表する脚本家・映画監督たちがメガホンを取り、5つのオムニバスドラマを仕上げる。

「デリバリー2020」、「孤独な19時」、「DEEPMURO」、「ボトルメール」、「MAYDAY」と、5本の短編ドラマによって構成される「緊急事態宣言」。どの作品も監督やキャストの個性が存分に発揮されており面白いのだが、個人的には「ボトルメール」をおすすめしたい。

主演、夏帆。不意に届いた1通の謎めいたメールからストーリーが展開する流れは往年の「世にも奇妙な物語」をほうふつとさせるテイストで、冒頭から引き込まれる。夏帆の突き抜けたコメディエンヌぶりもいい。

「世にも奇妙な物語」と言えば、「DEEPMURO」には声を出して笑った。コロナをあえて前面に出さず、近未来というSF的要素を取り入れた点はいかにも手練れの上田誠らしい。きたろうの飄々とした演技もさることながら、柴咲コウの堂々としたコメディ演技もいい。主役であるはずのムロツヨシを完全に食っている。

「MAYDAY」は緊急事態宣言発令直後の世界のコロナとの闘いを丁寧に描くドキュメンタリーでありながら、ところどころに微妙なフィクションを混ぜ込んだ異色作である。フィクションのような現実、現実のようなフィクション……物語の中に「真実」を求めること自体、浅はかな愚行なのかもしれない。

フィクションの役割が時代と寄り添い、時代を切り取ることにあるとしたら、ひとつのエポックメーキングだと言えるのではないだろうか。

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