怒髪天を衝く、とはよく言ったもので
私は色のお仕事をしておりますが、パンフレットやチラシを制作する場合は、紙の「手触り」や「厚み」も大切だなぁと思っております。
会社員時代は制作ディレクターだったので、毎日なにかしら作っていましたが、ある日、印刷会社が紙を間違えて、チラシを印刷してしまったことがありました。
「マットコート紙」という光沢の無い紙を指定したのに、「コート紙」というツルツルに光沢のある紙に印刷されて、納品されてしまったのです!
しかも、100万部も!
これだと、イメージが全く変わってきてしまうがな!!
私がいた会社と印刷会社の間には、広告代理店が入っていたので、ミスは広告代理店の責任になりますが、大体こういう時って、クライアント(私がいた会社)が先に気付き、広告代理店はクライアントからよけいに怒られる、といった図式ですよね。
「怒髪天を衝く」ということわざがありますが、広告代理店に激怒りしている時の私の髪、本当にちょっと立っていたと思います。笑
それから10年後の最近、パンフレットやチラシの制作のお仕事もいただいておりますが、10年前の、髪が立つほどの怒りの感覚、私の怒りに気圧されて、縮こまってずーっと立ちっぱなしだった広告代理店の担当者の様子が、まざまざと、もう10年以上前のことなのに、何度も何度も思い出されます。
今は、怒りを多少コントロールできるようになったので、表面的には、髪が立つことは無くなりました。笑
が、髪は立たないこそすれ、やっぱり内面は平坦な気持ちでいられることは少なく、それは、良いものが制作できた時もうまくいかなかった時も同じで、気持ちが急に上がったり下がったりする、本能レベルで起きることなので、抑えようとしても抑えられない、それが「ものづくり」なんだろうなと思います。
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