カラー戦略マガジン 019号「赤貧洗うが如し ~背中を押して、決意させてくれる『赤』~」
本日のお題
こちらのことわざの意味は・・・
だそうです。泣
「つまり超貧乏。」っていうバッサリな言い方が、沁みますね。
なんだか泣けてくる言葉なのですが、どうして「赤」という色名が付くのか調べてみたところ、
とのことでございます。。。
「赤」の語源は「明るい」と言われておりますが、そんなところからも、「赤」というのは、「きれいさっぱり、明白!」という意味を持つのでしょうね。
そんな「赤」の側面に、今回は焦点を当てていきたいと思います!
本日の内容を画像でダイジェスト
気持ちの持ちようが着る「色」に表れる
私は高校を卒業するまで能登半島の漁村で生まれ育ちましたので、上京して、カルチャーショックを受けることが多々ございました。
そのうちの一つに、
「都会の人が来ている服の色は、明るいっっっ!」
ということがございます。
能登半島の漁村じゃ、誰も「赤」なんて着ていません。
「赤」に近い「エンジ」ですら、おばあちゃん連中は「派手」だと思っています。
ものすごく田舎で、贅沢は敵みたいな漁村でしたので、子どもが中学校を卒業して使わなくなった体操服は、おばあちゃんの畑仕事用の野良着となって再利用される、という家庭が一般的でした。
(いわゆるお古です)
でも「エンジ」の体操服は、
「こんなあかいが、きられんわ(こんなに赤いのは着れないよ)」
と、おばあちゃん連中の間でも不評でした。
(余談ですが、中学校の体操服がおばあちゃんの野良着になるって、面白い光景ですよ。
80歳のおばあちゃんが、「●●中」とロゴの入ったジャージを着て、野菜の苗を植えたりしていますので。笑)
スーパーなど、人が集まる場所に行っても、みんな似たような黒っぽい服装でした。
今思えば、「目立つことは恥ずかしい」「なるべく目立たないように」というのが、日本海の荒波に耐え忍ぶ、私の生まれ故郷の根強い文化だったということが、「黒っぽい服装」を選ぶ根源だったと思います。
小学校から高校まで、授業中の先生の問いに対して、分かっても手を挙げないのが一般的でしたし、町長選挙も誰も立候補しないので、何期も同じ町長が務めていました。
それから、誰かに褒めてもらえることがあっても、「全身で全否定」です。
上京して感じたことですが、都会の人って、例えば「そのバッグ、可愛いね」と言われたら、素直に「ありがとう」って言いますよね。
私の田舎じゃ、「ありがとう」なんて言おうものなら、ただの勘違い自慢ヤローです。
「そのバッグ、可愛いね」って言われたら、0.3秒後に、
「そそそそそそ、そんなことないよっ!!実はこのバッグ、使いにくくて!」
と、全身全霊で全否定しないと、田舎では変わり者扱い、それは即ち、村八分になることを意味します(実話です)
そういう文化の中で、みんなが黒っぽい服装をしていることに、なんの疑問も抱かず高校まで育ったので、上京して、街を歩くだけで、いろんな色が目に飛び込んで来ることにビックリしました!
考え方や、気持ちの持ちようが、着る服の「色」にも表れるということなんでしょうね!
自分の中に革命が起きた時に味方になってくれる「色」
ところで、私のお客様の中に、なかなかご自分に自信が持てない女性がいらっしゃいました。
私がその方に「赤の服も似合うと思いますよ」と言っても、「無理です!」と言って、なかなか着てくれようとはしません。
でもある日、ご自分の中に革命があって、赤いセーターをお召しになって、私のレッスンにいらっしゃってくださいました。
実はそれまで、赤の服を着て外に出ることにものすごく抵抗があって、出かけるまでに何度も着たり脱いだりを繰り返したそうです。
でも、ここで着ないと一生変わらないと思って、勇気を出して、着てみたそうです。
冬だったので、道中は、赤のセーターの上にコートを着て、ドキドキを抑えていたそうです。
そして私のアトリエに着いて、コートを脱ぐのは、ものすごく緊張したそうです。
でも、その方に「赤」は最高に似合っていました。
ご自分の中で「今よりもっとステキな私になりたい。頑張って変わるんだ!」という決意が、その方の中で革命を起こし、それが「赤」を味方に付けたんです。
「赤」は決意が無いと着られない色です。
先ほどの私の故郷の話は特殊で大げさな話だとしても、「赤」はなんとなく着られる色ではありませんよね。
「今日は赤を着るぞ!」「今日は赤のネクタイにするぞ!」と決めないと着られない色です。
決意が要る色です。
その決意をして、どうなりたいかの目的や理由は人それぞれでしょうが、「人生を主体的に生きる」とするならば、日々、決意や決断の連続です。
「赤」はそういう自分の背中を押してくれて、「とにかく進むぞ!」という明るい気持ちにさせてくれる色だと思います。
なにかモヤモヤしていることがあったり、前に進みたいけど、進めない、、、うぅ~。。。と思われている方は、まずは「赤」のお洋服を買って、家の中だけでも着てみるのはいかがでしょうか。
Tシャツやポロシャツ、セーター、なんでもOKです!
まずはカタチから入って、外堀を埋めて行く作戦です!
「赤」の語源は「明るい」!!
派手で目立つだけでなく、開き直った清々しさも兼ね備えているのが、「赤」の強みだと思います!
本日のカラー戦略的結論
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
色彩設計師® 目黒潤
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