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定期購読:あなたの『選ばれ力』をアップするカラー戦略マガジン 016号「万緑叢中紅一点 ~みんなが見える色づかい~」

本日のお題


万緑叢中紅一点

(ばんりょくそうちゅうこういってん)


こちらのことわざの意味は・・・

多くの男性の中に一人だけ女性が入っていることのたとえ。

多くのものの中に、ただ一つだけすぐれて目立つこと。

「万緑」は、見渡す限り一面の緑の意。
「叢中」は、くさむらの中の意。
見渡す限り緑のくさむらの中に、ただ一輪、紅色の花が艶やかに咲いている意味から。
王安石の詩『石榴を詠ず』に「万緑叢中紅一点、人を動かすに春色多きを須いず(人の心を動かす春の景色に多くのものは要らない。
赤い一輪の花だけで充分だ)」とあるのに基づく。

略して、「紅一点」ともいう。

(出典:「故事ことわざ辞典」)

だそうです。

「緑」の中に一点だけ「赤」があるから目立つ、ということでしょうね。

でも!!

色弱とか色盲の方の立場に立つと、「緑」「赤」も同じ色(どちらも「焦げ茶」に見える方が多いようです)に見えますから、こちらのことわざは成り立ちませんよね。

実は、色弱とか色盲の方は、日本人は男性に多く、日本人男性の20人に1人が、色弱とか色盲なんだそうです。

つまり5%の方々が、色弱とか色盲という割合です。

残り95%の大多数の方々が普通に見える方々なので、世の中的には、大多数の目でプレゼン資料やら看板やらポスターが作られていますが、私はそれは間違っていると思います。

95%は5%に比べると「多い」ですが、5%という事実は「存在している」のですから、95%の方々も5%の方々も、み~んなが見えるように!というのが私の考えです。

・・・ということで今回は、「カラーユニバーサルデザイン」についてお話ししてみようかな!と思います。



本日の内容を画像でダイジェスト




色弱や色盲の方々の見え方を知ろう!


上の図は、「福島県 カラーユニバーサルデザインガイドブック」より抜粋したものです。

右側に「配色の例」が掲載されていますが、「配色の例」の中の左側が一般の方々が見たイメージ、右側が色弱や色盲の方々が見たイメージです。

色弱や色盲の方々からすると、「赤」「緑」「焦げ茶」に見えます。

「ピンク」「水色」も、ハッキリとした違いは無く、同系色のように見えます。

一口に色弱や色盲と言っても、程度には個人差がございますので、全員が上の図のような見え方とは限りませんが、目安として、大体こんな感じの見え方だと思っていただければと思います。

この見え方でいくと、例えば黒板は、こんな風に見えます。



上の図が一般の方々が見たイメージ、下の図が色弱や色盲の方々が見たイメージです。

色弱や色盲の方々からすると、赤いチョークと青いチョークが、とても見えにくいことがお分かりになると思います。

知能に問題が無くても、学ぶ意欲があっても、黒板の字が見えにくいというだけで、勉強しづらい、授業が面白くないとしたら、それはとても辛いことですよね。

そして、その辛さを改善するように努力するのは、5%の色弱や色盲の方々ではなくて、それ以外の、95%の大多数の方々の役割だと私は思います。

大事なところを白いチョークと区別して、赤や青のチョークで書きたくなる気持ちは分かりますが、色を変えなくても「大きく書く」とか「下線を引く」とか、工夫のしようがあるからです。

色弱や色盲の方々は生まれつきですので、工夫のしようがあったとしても、95%の方々の工夫に比べると、とても難しいのです。

95%の方々が、大事なところを「大きく書く」とか「下線を引く」って、とても簡単なことですよね。

こちら、例えを黒板にしましたが、プレゼン資料でも同じことが言えます。

大事なところに目立つ色を使うだけでなく、「大きく書く」とか「下線を引く」というちょっとした気遣いをプラスするだけで、み~んなが見やすいプレゼン資料(カラーユニバーサルデザインに則ったプレゼン資料)に生まれ変わります。

プレゼンをしたお相手が色弱や色盲だったら…。
決裁をする役員の方が色弱や色盲だったら…。

カラーユニバーサルデザインに則っていないプレゼン資料では、見えにくいし分かりにくいので、情報が正確に伝わらない場合があります。

その結果どうなるかと言うと、検討する気が無くなります。

そして、企業としての資質も問われますよね。

これだけ、「バリアフリー」とか「ジェンダーレス」とか「副業OK」とか、垣根や差別を無くして、世の中はどんどんフラットになっていく風潮があるのに、プレゼン資料は時代遅れで、5%の方々を無視しているんかいっ!遅れた企業やな!ってツッコミが入ることでしょう。

誰だって、周囲のことをちゃんと考えている、あたたかい企業とお付き合いしたいですよね。

あと、下の画像もご覧になってみてください。

誰もがよく目にする、カード決済の端末機なのですが…。

「暗証番号を入れたら、緑のボタンを押してください」って言う店員さん、よくいませんか?

私はこれも違うと思っています。

「緑の」って普通に言いますけど、「緑」が分からない方々が、5%いらっしゃるんです。

そしてその方々は、「緑の」って言われて、「緑」っていう色が分からなくても、長年の経験から「このボタンのことを言っているんだろうな」とアタリを付けることができます。

でも95%の方々は、5%の方々のこの「アタリ」に甘えちゃダメだと思うんです。

5%の方々の「経験」から来るアタリ。

その経験には、迷ったり困ったりしたことが、いっぱい詰まっていると思うんです。

それを含んだうえで、「暗証番号を入れたら、右下の実行ボタンを押してください」って全ての店員さんが言ってくれる世の中になったら、ステキですよね。

「緑の」って色で説明しなくても、場所や文字で説明することはできるんです。

そして最後に、こちらの写真もご覧になってみてください。

こちらはある日の「秋●原駅」の写真です。

私が怒りのあまり、激写しました。

文春です!笑

って言うか、秋葉原駅(あ、言ってもーた。笑)という、たくさんの方々が行き交う大きな駅で、こんな分かりにくい案内サインはダメですよね!

マル印で囲っている中には「右折」とか「左折」という文字が入っているのですが、普通に見える私ですら「見にくっ!なんじゃこら!」と思ったくらいですから、色弱や色盲の方々は、ほとんど見えないと思います。

多分、この「右折」とか「左折」という文字は、最初はもっと濃い色で書いてあったのでしょうが、日光に当たって退色したんじゃないかと思います。

でも、それを放っておいてはダメだと思うんです。

たくさんの方々、いろんな方々が見る案内サインなんだから、「常に分かりやすく、見やすく」ということに敏感になって欲しいな、と思います。

自分が見えれば良い、っていうことじゃないですよね。

見えない人、見えづらい人もいる。

そこに敏感になるべきなんじゃないかなって思いました。



まずは「カラーユニバーサルデザイン」を知ることから


熱く語りましたが、赤や青のチョークを使う学校の先生や、カード決済の端末機を使う時に「緑の」って言う店員さん、秋葉原駅の駅員さんを批判しているのではないのです。

誰でも、色弱や色盲の方々の見え方をご存知なければ、そうなると思います。

なので、たくさんの方々に、色弱や色盲の方々の見え方を知っていただいて「み~んなが見える色づかい(カラーユニバーサルデザイン)」をみんながすれば、情報はもっと正確に伝わるし、迷ったり困ったりする人も減ると思います!

まずは、こちらの記事がきっかけになればいいなぁ!



本日のカラー戦略的結論


みんなが「草むらの中の一輪の花に気付く」世の中になりますように!



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