自己理解は多面的にやろう③客観的なデータ
3つの視点から自己理解を進めるシリーズ
今回は3つめ③客観的なデータについてお伝えします。
客観的なデータは以前の記事でお伝えした、ジョハリの窓の
④UNKNOUN:未知の窓
…自分にも他人にも、誰からも知られていない自己
の中身を知る可能性を秘めています。
自分も他人も知らない自己、と聞くと少しワクワクしませんか?
自分の中に誰も気づいていない可能性が沢山詰まっているのです。
■客観的なデータの注意点
自己分析にデータを使う際に気を付けて欲しい事がいくつかあります。
1.ツールによって解析する目的が違う。
何を表すデータなのかを理解する。
一言で「自己分析に使うツール」といっても、何を分析の目的としているのか様々です。
適職を診断するものから、得意不得意を診断するもの、性格分析やそれぞれの分類の細かさも違います。
またそのデータの根拠が心理学から来ているのか、統計データから来ているのかエビデンスの違いもあります。
自分が何を目的として自己分析を行うのか?を見失わずに、目的にあったツールを使いましょう!
2.データの結果は「あなた自身」を断定するものではない。
結果に対してマイナス部分にフォーカスしすぎてしまうのは、もったいないと感じます。
一例ですが、性格診断で「大胆で思った事をすぐ行動にうつす」と出た方が
「慎重にやる事が苦手なので、私はミスを減らす事ができない」と自分の可能性を限定してしまうようなケースです。
「大胆で思った事をすぐ行動にうつす」は素晴らしい才能です。
それがイコールで「慎重に行動できない」という事ではありません。
自分は大胆だからこそ、命取りになるミスだけは気を付けよう。
であったり
自分は大胆だから、慎重に事を進めてくれる人を仲間にしよう。
というような、可能性を広げる“きっかけ”であって欲しいと思っています。
3.結果を出して終わりではなく、活用して初めてデータが活かされる。
結果を出して読んで「ふーん」と思って終わり。
そんな経験ありませんか?
これでは片手間に見る占いと一緒です。
せっかく目的を持って出した、理論や統計的なデータに基づく結果は活用して初めて意味があります。
(同じく占いも活用する事に意味があると思います!)
活用するためには、『何を目的に自己分析を行うのか?』を理解しておく必要がありますし
このデータをもとに、自己分析や他者からのフィードバックを使ってさらに深めていく事も大切です。
ご自身にとっては結果を見て当たり前でも
人から見るととてもすごい!という事はとてもよくあるのです。
■客観的ツールの例
先にお伝えしたように様々なツールがあり
それぞれ使う目的が違うので、一概に良し悪しはありません。
いくつか有名なツールを目的別に紹介します。
端的に特徴をまとめましたので、それぞれ興味のあるものを専門家に解説してもらう事をおススメします!
【性格診断】
・エゴグラム
交流分析という心理学理論を用いた性格分析の手法。
5つのキャラクターの強弱を分類する。
・エニアグラム
エニアグラム性格論を用いて、人の性格を9つに分類します。
性格だけでなく、行動のもとになる価値観も判定されるので適職診断などのビジネス・教育関連で使われている事も多いです。
【強み診断】
・VIA-IS
ポジティブ心理学を軸にした自身の強みを判断するツールです。
個人に特有の人格的(性格的)な強みを診断しています。
・ストレングスファインダー
米国のギャラップ社が行った「人間の強み」の研究に基づいた強み診断ツールです。
何をやるかではなく【どうやってやるか】、特に仕事において自分にとってベストな結果の出し方がわかります。
このVIAとストレングスファインダーの違いはたまに聞かれるのですが
どちらも個性の『強み』に着目していますが、切り口が少し違います。
VIAの結果は持っているだけで素晴らしい強み。“それ自体”が素晴らしい結果であり才能であるもの。
ストレングスファインダーの結果は“結果を出すため”に活かせる強み・才能であると理解しています。
どれがベストという事はなく、様々な角度から自分を見る事ができるので
何を表すデータなのか?を理解して、いくつか受けてみる事をおすすめします!
■結果を活用しよう
それぞれのツールによって活用の仕方は違うので
たった一つの正解はないですが、どのツールにも使えると思う活用例をお伝えします。
①自分は結果をどう思ったか?を考える。
結果はあくまで一つのデータです。
それを見てご自身がどう思ったのかの中に、自己理解を深めるヒントがあります。
・当たり前だと思った
・ここは当たっていない
色々な感想が出てくると思いますので、「なぜそう思うのか」と自己分析を深めてみてください。
例えば…
「アイデア豊富な発明家タイプと書いてあるけど、今はそう思わない…」
→なぜそう思うのか?
「今に仕事では立場上アイデアを新しく出す事より、人の意見をまとめる事を重要視していたかもしれない。」
→なぜそう思うのか?
「昔と違って、自分のアイデアで人を振り回してはいけないと、いつの間には思い込んでいたのかも…。」
「なぜ」の力で、今まで気づいていない自分の一面が見つかります。
②人と見せ合い、フィードバックをする。
同じツールで診断を受けた方がいたら、ぜひ結果を共有してください。
そして、自分がこの結果を見て思う事を相手に伝えます。
それを聞いた相手からフィードバックを貰うと、予想もしない答えが返ってくる事がよくあります。
例えば…
自分「私は共感性が高いって結果が出てるけど、相手の気持ちなんて普通わかるよね?」
相手「何言ってるの、人が何考えてるかなんて普通はそんな気にしないよ!?」
自分「教える事や芸術を楽しむ事に向いてるってあるけど、自分ではわからないんだよね…」
相手「でも編み物が上手で昔教えてくれたじゃないですか。おかげで私も少し編み物ができるようになったんですよ!」
世の中に自分しか人間がいなかったら、自分と他人の違いを理解する事はできません。
他人がいて、初めて自分という個性が見えてくるのです。
③専門家の解説を受ける
正しく使ってこそデータは真価を発揮します。
それぞれの診断ツールに詳しい方に、成り立ちや結果の活かし方を聞いて
それを実践してこそ、真の活用に繋がります。
■まとめ
自己理解シリーズとして3つのやり方をお伝えしてきました。
それぞれいかがでしたでしょうか?
人は立体的な生き物です。
だからこそ、一方向からではなく多方向から見ていくことが必要だと考えます。
とはいえ自己理解って終わりのない作業なので、めんどくさい~!と思う方の気持ちもよくわかります。
普段からここまでやっておく必要はないかもしれませんが
転職や人生の転機の時こそ必要にはなるものです。
一人では難しいと思う方は、キャリアコンサルタントや産業カウンセラー、転職エージェントなどキャリアの専門家に相談するのが良いと思います。
繰り返しになりますが、他人がいて初めて自分という個性が見えてきます。
壁打ち相手がいてこそ気づく事も大きいので、
今まで自己分析をやってこいなかったという方や
やったけど挫折してしまったという方はぜひ、他人をうまく活用してみてくださいね♪