歯学部 CBT 新合格基準
今回の(今の4年生)から歯学部も国が合格基準を決めますが
歯学部CBTにおける全国統一の到達基準としてIRT標準スコアで481以上と発表されています。
印象としては国が決めた基準の割にIRTが高いなと思いました。
IRT 481とはおおよそ74-75%くらいです。
出題数320問中240問正解で75%です。
普通に言えば80問は間違えることができる。
しかし実際はこのうち80設問が試行問題であるので
320設問中、240設問が採点対象となります。これの75%となります。
どれが採点対象かは最後までわかりません。
国試のように400問で75%なら100問間違えることができる。
問題数の少なさも難しさの1つなのです。
九州歯科大学の研究によると
(歯科医師国家試験の合否と4年次CBTとの関係―IRT標準スコアについて―)
.IRT標準スコアが620以上は,歯科医師国家試験にすべて100%合格していた.歯科医師国家試験の合否のカットオフ値になるIRT標準スコアは493.0であった.CBT受験回数が歯科医師国家試験不合格者で有意に増加した.また,歯科医師国家試験不合格者ではCBT受験回数が有意に多く,留年経験者の歯科医師国家試験合格率は60.4%で,留年経験のない者の90.5%より低かった.
とあります。
ここででてくる620はおおよそ87%
493はおおよそ78%
これを元にすると481(おおよそ75%)は妥当なラインと言えるのかもしれません。
しかし、安易ではないことは予想できます。
別の見方をすれば、国試浪人が多いので
CBTボーダーをあげることにより、国試までひっぱらないで別の道をあゆみませんかのメッセージもあるかもしれません。
しかし、これまでは大学毎に決めていたボーダーが私立歯学部はおおよそ75ですので
受ける人にはあまり影響しないでしょう。
しかし国立歯学部では、例えば九州歯科大学では本試験で は正答率70%、再試験では65%で設定していたが、令和元年から共用試験CBT評価で推奨されているIRT標準スコアを 合格基準に採用し、本学では、正答率70%に近いIRTスコア470点を本試験ならびに再試験における合格基準として設 定している。とあるので国立歯学部のこれまでのボーダーよりは高く、国立の学生の方が少しあわてているかもしれません。
これは医学部がそうなったときと同じ現象です。
ただ私立の父兄にとっては医学部のように国のボーダーは低く設定されると期待していたかもしれないのでそこは期待外れと言えるかもしれません。
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