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TRPGシナリオの描き方

こんにちは!ライターのめっどべい!です。
今まで頼まれてTRPGのシナリオをいくつか書いてきましたが、その中でも「シナリオのアイデアは出るけど書けない!」や「シナリオ書こうとしたけど筆が進まずに諦めた」などの声をたくさん聞いてきました。やっぱり自分でシナリオ書きたいですよね。

なので今回は、めっどべい!流の「シナリオの書き方テンプレート」を示していきたいと思います。これに従ってシナリオを組み立てもらえたらそのままシナリオを描けるはずです!

今回のサンプルシナリオも有料部分に付属してます!

では、いってみよ〜!
(写真:IBUKI NAKAMURA


大事なのは「手順を知る」こと!

シナリオを作る上で大事なのは手順を知ることです。
シナリオ作成は長い道のり。いきなり描写を詰めて行っても、「シナリオの矛盾」「情報の過不足」「PLの行動予測」などなど、出てくる困難の数々。
…無策で突っ込むと果てしない道のりすぎて心が折れます。

なので、シナリオを書くときは全体図から少しづつ作るようにしていきましょう。では、手順1にレッツゴー!

1.モチーフやテーマを決める

まず最初にすることは、シナリオの核になる描写を決めていきます。
「え?さっき全体から決めていく行ってたやん嘘つき」って思った人、ちょっと待ってください!

シナリオを書くには、シナリオアイデアが必要になります。それは「こんなNPC出したいなあ」だったり「こんなシーンでPCたちにエモい会話してほしいな」だったり「こんな能力を持ったPCに暴れてほしい」はたまた「日本刀をブンブンできる愉快シナリオが描きてえ」とかかもしれません。

それ以外にも「初心者たちと遊べる簡単なシナリオ」「このイベントで頒布するテーマの決まったシナリオ」など、作者の意向以外の制限があるかもしれません。

シナリオに込める作者の性癖や書くモチベになるものが必要になります。描きたいシナリオのシーンをノートに書き殴ったらオッケー!シナリオ執筆の旅に出ましょう。

2.伝えたいことを決める

1を決めたら、次に「遊んでくれる人に伝えたいこと」を決めましょう。
有名な童話や「面白い」とされる作品は全て「何かを伝える」ために書かれています。

1のモチーフやテーマが「作者自身を満たすため」にあるとするならば、2の伝えたいことは「遊んでくれる人たちを満たすため」に存在します。

シナリオを通して感じるものがあるとシナリオ自体の深みが増していくので、遊んでくれたプレイヤーたちがシナリオを通して「何を感じて」「何について考え」、「何の決断を下すのか」を強く意識して書いていくようにしましょう。ただ作者の性癖だけでは「作者の脳内あてクイズ」になってしまう可能性があります。私はなりました。

3.シナリオギミックを決める

3では、シナリオのギミックを決めていきます。
推理系シナリオであれば犯人の使った「トリック」を決めることになるでしょうし、異能系シナリオであれば「異能の詳細やボスの特徴」、神話生物系のシナリオであれば「事件の真相」を決めていきます。プレイヤーがびっくりしたり考えさせられたり、悩んだり、爽快感を感じられたりなど、プレイヤーたちの感情を揺さぶるような面白い仕掛けを考えていきましょう。

今回決めたものが話の軸となるだけでなく、プレイヤーたちが最も楽しむポイントとなるので、どんなギミックなら1と2を最も伝えられるのか考えながら決めていきましょう。

4.世界観、神話生物を決める

ここまでは抽象的なことを決めるのが多かったですが、今度は1,2,3を踏まえてシナリオの概要を決めていきます。

青春シナリオならば舞台は「学校がある現代日本」でしょうし、異能系シナリオとかなら「異能が馴染んだ現代」だったりするのでしょう。逆にテーマによっては「異能者は異端児として忌み嫌われる江戸時代」という設定も面白いのかもしれません。
作者であるあなた自身が「この時代や世界だったら伝えたいことが表現しやすいな」と思う世界観を設定しましょう。

私は神話生物あとから決める派なので、この段階で、3で決めたギミックに合う神話生物を決めていきます。合う神話生物がいない場合は神話生物を改変するかギミックを調整しましょう。最近は神話生物なし、みたいなシナリオもちらほらあるので「なし」も選択肢としてはアリではないでしょうか。

5.シナリオロジックを詰める

5では、4で決めた世界観をもとにシナリオ内で起こる出来事(プレイヤーたちが体験すること)を時系列順に書いていきます。どこで3.に決めたギミックが登場するのか、そのヒントはどこで出るのか、どの段階で物語の真相が明かされるのか…
3で決めたギミックが最大限に活きるように、そして1と2で決めたテーマがきちんと伝わり切るように物語を組み立てていきましょう。

この時に、出来事は付箋に書いて貼っていくのがいいでしょう。順序を入れ替えたり、イベントを追加したりが頻繁に起きますからね。
このときはまだ、アイテムの詳細や書き残された日記の中身などの情報系、それぞれのシーンの描写は箇条書きにとどめておき、まずはシナリオ全体の流れを確定するようにしましょう。

描写や情報を書いていくのは死ぬほど時間がかかりますし、書いたところでそのシーンがお蔵入りすることもあります。これをせずに書いた長尺シーンが丸々ボツになってやる気が消し飛んだことがあります。ご注意ください。

6.描写を書き込んでいく

5が終わったらシナリオのボーン(大まかな骨組み)は完成しています。
ここからはそれぞれのシーンでNPCのセリフを書き起こしたり、シーン描写を書き起こしたり、アイテムや情報の中身を書き込んでいったりします。

ここが一番時間がかかって根気がいる作業なので、粘り強くコツコツやっていきましょう。

7.シナリオの堅牢性を高める

最後は、シナリオの堅牢性を高めていく作業です。
「シナリオの堅牢性」とは何か?

それは「プレイヤーが好き勝手暴れた時にシナリオが破綻しないか」です。

有名な「悪霊の家」では「家に入る前にガソリンを撒いて家ごと燃やす」というシナリオブレイカーが話題になりました。このような自由さこそがTRPGの楽しさではありますが、「シナリオに対する嫌がらせ」とも取れる行動(「シナリオを楽しむ」というTRPG自体の目的に反する行為)に対し、それができないようにプレイヤーを最低限縛っておく必要があると思っています。

シナリオに堅牢性があると、そのようなPLに遭遇したときのGM処理が楽になります。(だってシナリオにそう書いてあるもん、とGMが言えるため)

それは、シナリオの真相が明確で誤解されなかったり、時系列に穴がなく別の解釈の余地がなかったり、情報が矛盾しなかったり(シナリオギミックで矛盾する以外)、GMが制御できないものを持ち込めない仕様になっていたりなど様々です。

あまりに縛りをつけすぎるとTRPGらしさが失われてしまうので、極力「シナリオ破綻につながる行動」だけを封じるように調整していきましょう!

ここまでできたら、テストプレイをして完成です!

具体例

こんな抽象的な内容ばかりでは、正直どうやって書いているかわかりませんよね?私だってわかりません。

そうだと思ったので、実際にこの記事用に私が短いシナリオを書き起こしました。参考にしてみてください。

私がシナリオを作る流れ

今回、私が書いたシナリオは「三叉天秤」というタイトルです。
このシナリオの作成過程を1~7に合わせて説明していこうとおもいます。

1.(具体例)モチーフ

今回、サンプルシナリオということでテーマは「シナリオの流れがわかりやすい」「短い時間で終わる」「GMが簡単」「対話型」であること

モチーフは…

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