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【読書】井原忠政(著)『三河雑兵心得⑦伊賀越仁義』を読了する。
井原忠政(著)『三河雑兵心得⑦伊賀越仁義』を読了しました。
しばらくこのシリーズを読むことから遠ざかっていたのですが、やはり読み出すと面白くて止まらなくなりました。
本能寺の変を大坂の堺で知った徳川家康は、決死の覚悟で伊賀越をし、なんとか三河岡崎城に生還しました。
そして、生還後すぐに甲州に侵攻します。
昔も今も、戦争を始めるには大義名分が必要です。
そして大義名分のためには、何かをを犠牲にする必要があり、その多くは人です。
どこまでが史実であるかわかりませんが、徳川家康は巧みな戦略で甲州と信濃を領有することに成功します。
あまり詳しく描かれていませんが、山崎の合戦で豊臣秀吉が明智光秀軍に完勝し、清洲会議も開かれます。
その清洲会議において、徳川家の甲斐侵攻は正当なものと認められたのです。
本能寺の変は、徳川家を日本国内における超大国に大躍進させるきっかけとなりました。
そして物語りでは、あの真田昌幸がほんのチラッとですが登場します。
戦国時代を描く作品において、真田家は欠かせない存在です。
おそらく、この後の巻への伏線なのでしょう。
そういったところが、小説の面白さであり、シリーズ作品の醍醐味でもあります。
『三河雑兵心得』シリーズは、少し失礼な言い方かもしれませんが、あまり頭を使わずに、楽しみながら日本史の教養を身につけることができます。
更に、この続きの巻を読み続けるのが楽しみです。