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井原忠政著『三河雑兵心得<拾> 馬廻役仁義』を読み進める|楽しみながら日本史を学べる歴史小説
井原忠政著『三河雑兵心得<拾>馬廻役仁義』を読み進めています。
現在、第一章「俘虜記」を読んでいるところです。
「第一次上田合戦」(1585年)で、真田軍よりも戦力差でははるかに優位であった徳川軍は、戦国最強と言われた武田軍と戦った「三方原の戦い」(1572年)以来となる屈辱的な大敗を喫しました。
一方、「小牧・長久手の戦い」(1584年)で徳川軍に勝つことができなかった羽柴秀吉が、着実に天下統一への道を歩んでいきます。
なんと、尾張国の貧しい農家に生まれた秀吉は、奇跡的な大出世を遂げます。
そして、秀吉と同じように三河国渥美の農家から足軽大将となった植田茂兵衛は、上田合戦に参戦し、真田家の戸石城の土牢に囚われます。
命を助けられたのは、戦の前に真田家との交流があったためなのですが、果たして彼の運命は、この後どのように展開していくのでしょうか。
この作品は、史実に基づいた歴史を背景に、創作の要素が巧みに融合されています。
植田茂兵衛が、「表裏卑怯者」と評される、くせ者の真田昌幸と対峙するシーンは、創作だとわかっていても緊張しながら読み進めました。
主人公である植田茂兵衛という架空の人物が、まるで実在したかのような感覚になれるところは、まさに歴史小説の醍醐味だといえます。
更に歴史は動きます。
『三河雑兵心得』を読んでいるときは、私の心は戦国時代です。
この後も、植田茂兵衛と一緒に戦っていきます。