【医学生必見】試験に絶対合格する勉強法 -過去問や問題集の使い方-
こんにちは、スミシー医ハーサカです。
医学部には、進級するためには一つも試験を落とせない鬼畜な大学も存在します。医師としての研鑽を積み始める前に、様々なことを経験して人として成長することも医学生の大事な務めです。とは言いつつも、本業である学業を疎かにして進級あるいは卒業できないという、元も子もない事態には陥らないようにしましょう。
というわけで、今回は、医学部の試験に受かるための基本的な勉強法についてご紹介したいと思います。
・はじめに
ここでは、私が実践している、過去問やクエスチョン・バンク(QB)を使った勉強法について解説していきたいと思います。学を深めるための勉強ではなく、あくまでごく普通の筆記試験に受かるための勉強法について取り扱いますので、この点ご了承ください。
また、最近話題となっている某国立大学医学部の何人もの学生が落とされた試験のように、大学あるいは教授のオリジナリティ溢れた試験に対する対策方法は分かりかねますのでご容赦下さい…
それでは参りましょう!
・私がいつも友人に言っていること
私は友人の勉強を面倒を6年間みてきました。いろんなことがありましたが、何とか無事すべての友人を6年生まで連れてくることができました。
さて、私は彼らに勉強を教える際に、「その問題だけ解けるようになっても意味はない」と何度も言い聞かせています。もちろん、過去問がそのまま出題されるようなCBTのように例外もあります。しかし、一般的には、解いた問題で問われた内容についてだけ学習しても仕方がありません。その問題をきっかけに、その分野や疾患・病態など関連事項についてまで手を伸ばして学習するのが正解です。
・勉強のステージング
過去問やQBには勉強のステージに応じた使い方があると考えています。そのステージとは以下の通りです。
・Stage1:試験という相手をまず知る段階
・Stage2:現時点での己の実力を知る段階
・Stage3:調べ学習と弱点克服の段階
・Stage4:仕上げの段階
各ステージについて説明していきます。
①Stage1:試験という相手をまず知る段階
計画的な学習を行えている方であれば、このStage1から始めることをおすすめします。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の言葉にもあるように、どのような問題が試験に出題されているのかを把握するのは重要です。
最新の過去問だけでも十分ですのでとりあえず一通り解いてみます。どんな試験かを確かめるだけで良いのであまり真剣に取り掛かる必要はありません。ここでは合格するのに必要な勉強時間を予測したり教材を用意したりします。バイトや部活で忙しい時、試験が集中している時期にはこの準備が役に立ちます。勉強時間の目安ですが、試験の難易度や個人の得手不得手、時間的余裕などに左右されるので一概には言えませんが、調べ学習や苦手克服に時間を多く取られるため、この要素が強い科目には多めの勉強時間を割くようにしましょう。また、過去問の類問・同問が多く出題されるような科目は他の科目に勉強時間を回した方が良いでしょう。
私は試験日の少なくとも3ヶ月前には過去問に取り掛かっていることがほとんどでした。そのため、余裕のあるスケジュールで試験対策に取り掛かることができました。友人の大まかなスケジュールも把握していたので、それぞれにどんな問題が出題されるのか、そのためにどんな勉強をすれば良いのかを指示することも可能でした。
私の場合は3ヶ月前でしたが、早すぎると試験日までモチベーションを保てないとか、やっぱりある程度切羽詰まらないとやる気がないというのであれば、自分に合った開始時期を見計らう様にしましょう。
みなさんの周りにも早めのスタートを切る友人がいたら、アドバイスを求めてみるのも良いでしょう。
②Stage2:現時点での己の実力を知る段階
ここから徐々に本腰を入れて取り掛かっていきます。模試を受けるつもりで一通り解いてみましょう。
今回把握すべき点は大きく2点あります。
1点目は、「苦手な分野・疾患・病態」です。これを克服するには時間がかかります。勉強リストにでもチェックしておきましょう。また、数学を勉強していた頃のように、間違えてしまった理由が見直した際にすぐわかるようにしておくと良いでしょう。そうすれば、生理学なのか解剖学なのか、疾患への理解が足りなかっただけなのか、どこから復習すればいいのかが分かりやすくなります。
間違えた問題の勉強法について、私が実践しているものを以下の記事にてご紹介していますので、気になる方は見てみてください。
https://note.com/med_hayasaka/n/n3f0b1b2193f2
2点目は「よく出題される分野・疾患・病態」です。出題頻度が高くなる理由はいくつかあります。1つはメジャーな疾患だから、2つ目は問題を作りやすいから、そして3つ目は先生の専門分野だから。少なくともこれらに該当するものは他よりも対策を要することになるでしょう。隅の方の知識まで聞かれることもあるだろうし、教科書にはまだ載っていない最新の知見まで聞かれることもあるでしょう。基本内容しっかりをおさえつつ、余裕がある時に調べ学習を行いましょう。
2点目についても、上記にリンクを添付した記事に具体的な勉強法を載せております。1点目と併せてご覧ください。
ここまで見てくださった方のために、今回は特別に、その内容を一部ご紹介します!特にポイント①が重要だと私は考えています。
③Stage3:調べ学習と弱点克服の段階
ここでは、Stage2で把握した2点を中心とした学習を行います。教科書、レジュメなどなど、自分の好みに合ったものを参考にするので結構です。具体的な勉強法はStage2で解説した通りです。
また、学習方法が個人の特性に応じたやり方であれば、なお効率的です。
まず、勉強道具にこだわりましょう。近年の医学部の勉強法はデジタル化が進んでおり、私の学年ではiPadなどのタブレット端末を利用している学生がほとんどです。電子機器を用いた勉強法のメリットは「手間が省ける・かさばらない」です。教科書も電子版にすれば、調べたいことが載っているページをすぐ見つけられる上に、教科書の図表を自分のオリジナルノートに簡単にコピペすることができます。過去問も紙に印刷せずともPDFに直接書き込むような形で利用できるため、タブレット1つだけで勉強することができます。私も医学部に入学してからしばらくはルーズリーフと図書館で借りた教科書を使って勉強していたのですが、荷物は多くて重たいし、ノート作るにもたくさんの手間隙がかかり大変でした。しかし、iPadと電子版の教科書に乗り換えてからは効率が格段に良くなりました。
ただし、デメリットもあります。いつでもYouTubeなどの娯楽に逃げてしまえること、目が疲れやすくなること、Wi-Fiやコンセントがない環境だと不便などなど。人によっては、紙の教科書やノートじゃないといまいち頭に入ってこないことも…
自分に合った道具で勉強しましょう。
次に、ノートテイキングについてです。私はまとめノートを作って勉強するスタイルの持ち主です。ノートにまとめることが理解を手助けしてくれていると感じているからです。
しかし、ノートを作るのには多くの時間と労力がかかるので、勉強にそんな手間隙かけてられるかー!という人には不向きでしょう。また、ノートを仕上げることが目的となってしまうような人にもお勧めできません。
ノートを一切取らず、教材への書き込みや暗記のみで乗り切る人もいるでしょう。予備校の動画講義についてくる教材などであれば、それはほぼ完成しているわけですから、あとは自分好みにカスタマイズすれば良いわけで、大金と引き換えに手間隙を省くことができます。ですが私は、自分の力で苦心して得たものにこそ真の価値があると考えており、この方法をとっていませんし取らなかったことを後悔もしていません。
大事なのは自分を信じてあげることです。努力は裏切りません!
④Stage4:仕上げの段階
ここまでくればあとは繰り返し問題を解いて、知識を定着させるのみです。間違えてしまったり、まだ理解が足りてないなと思ったりすれば、その都度Stage2と3を行っていきましょう。定着度に応じて反復する回数を科目ごとに変えていくことで、やりすぎたりやらなさすぎたりすることのないように調整しましょう。友人と問題を出し合うのも良いでしょう。試験直前に友人と話したことが試験によく出るというあの現象に、何か名称ついてないですかね?笑
試験本番では、知っているものは正解できるでしょうし、知らない問題は正解できないでしょう。知っていたのにうっかり間違えてしまうこともあるでしょうし、知らなかったけどたまたま正解することもあるでしょう。しかしそんなものはあまり得点には響いてきません。本番で最も得点を左右するのは、曖昧なまま試験に臨んでしまった勉強内容について出題された問題です。勉強したことがちゃんと自分のものにできていれば得られた得点が、不確かな情報のために失われてしまうかもしれないのです。そんな望まない結果を避けるべく、Stage4ではそれまで学習してきたことを確実に定着させましょう。
・最後に
以上で説明は終わりです。この勉強法をちゃんと実行できればどんな試験であっても余裕で合格できるはずです。もし周囲と差をつけたいのであれば、Stage2・3に費やす時間を増やしましょう。必要最低限の勉強にどれだけ+αの勉強を積めるかが、抜きん出た成績を収めるために必要なことです。自分の目指すレベルに応じた勉強量を確保することで充実した医学生生活を送りましょう!
もし、分かりにくい点やもっと知りたい点があったり、私に質問したいこと相談したいことがあったりしましたら、コメント欄やTwitterにでも気軽にメッセージを送っていただければと思います。
それでは失礼いたします。